異をとなえん |

日本語は亡びるのか?

2008.12.03 Wed

03:10:31

梅田氏が「日本語が亡びるとき」の書評
をして以来、ネット上でそれに関する記事が氾濫している。
私も興味深く眺めているのだが、
どうも日本語が亡びるというか、すたれていくのは当然の前提として、
議論が展開しているように見える。
それに疑問を呈したい。

「日本語が亡びるとき」については書店になかったので、
読まずに記事を書くつもりだったのだが、書店に入って、ようやくざっと見た。
実に読みにくい本だった。
新しい概念の言葉を記号でくくっているのが、思考を邪魔するらしい。
それでも、ネットの書評を見ていてわからないことが、一つわかった。

英語が普遍語になっていく理由として、次のことを挙げている。
インターネット上で知の図書館ができ、
その結果読むに値する文章を探す人はみんな英語の文章を探すようになってしまい、
他の言語の本を読まなくなるというものだ。
本当だろうか。
私は疑問だ。
そういう理由だったら、むしろ逆に日本語の方が普及しそうな気がする。

英語と日本語で同じ内容の文章があったら、英語がペラペラの日本人でも、
日本語の方を読むのではないだろうか。
オリジナルが英語で正確に内容を把握したい場合でも、
その場合、まず日本語の文章で当たりをつけて、それから大事な部分を読むと思う。
私には英語と日本語の文章で英語の方が読みやすい人がいるとは到底思えない。

私の英語体験からもそれは言える。
英語はようやく読めるようになってきた。
辞書なしでも、なんとか意味が取れる。
読めない単語はたくさんあるが、前後から意味が理解できるそんなレベルだ。
しかし、未だに早く読めるようにならない。
全然見通しがきかず、一字一字理解していかないとダメなのだ。
不思議だなと思っていたが、どうやら英語の特徴だということがわかってきた。

NHKスペシャルの「病の起源」によると、
識字障害は文字を一つ一つ認識できるが、単語を音に変換する部分がおかしい。
つまり、人間は文章を読む時、必ず心の中では声に出しているらしい。
これは納得できる。
そして、英語は識字障害が日本語より多い。
音としてすべてを把握しなければいけないためだと思われる。
表音文字の特徴だろう。
つまり、文章を順番に理解しなくてはならないのだ。
それに対して日本語では、漢字を絵として理解できる部分がある。
それが、識字障害を少なくし、文章を把握するスピードを早くしている。
日本語は読みやすい言語なのだ。

これを裏付けるものとして、
ブログのエントリー数で、日本語と英語でほとんど変わらない状況
がある。
インターネットユーザーの数の違いを考えると、驚異的とも言える。
なぜだろうか。
日本人の日記好きとか、宣伝ブログだからという話もあるが、
それは英語でも同じだ。
より本質的な違いは、
英語のユーザーは読むのが苦手だからではないか。

有名な経済学者のブログでも、日本でしか知られていない経済学者のブログよりアクセス数が少ない。

経済学・反経済学論壇系アルファブロガーになる方法(試行版)

リンク先ではいろいろ理由をつけているが、
むしろ、単純に英語人がブログを読まないからではないだろうか。

これはコミックとアニメーションの市場にもいえる。
日本語ではマンガとアニメの市場ではマンガの市場の方が大きい。
アメリカではアニメーションの市場の方がコミックよりずっと大きいので、
日本と比べてDVDの価格がマンガ本の価格より相対的に安くなる。
これらを考え合わせると、英語は読むより、聞く方が楽なのだ。

日本語が英語より読むのに向いている言語ならば、
日本語の方がテキストを集めた知の図書館においては、より好まれる言語になるのではないだろうか。
少くとも日本人においてはそうだろう。

この項続く

内容が似ている記事を下記にも書いていた。
参考のために挙げておく。
英文は読みづらい

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