異をとなえん |

続:中国の指導部は無能

2012.09.22 Sat

21:39:43

尖閣諸島紛争での一連の中国政府の行動は統一されていないので「中国の指導部は無能」とけなした。
しかし、外交的なことも含めて考えると中国政府は日本に勝利しているのだろうか。

韓国の尖閣:中国の専門家「日本の一方的実効支配は終了」の記事では、中国が尖閣諸島を日本の実効支配を終了させたことで実質的に勝利したような感じになっている。
その記事によると、"中国では「日本による一方的な実効支配を破り、共同管理管理レベルにまで持ち込む成果を挙げた」という評価が出ている"らしい。

中国が今回の紛争で手に入れたものは何だろうか。
尖閣諸島が領土紛争地したのは確かだろうけれど、それは前回の漁民の逮捕事件でも知れ渡っていることで、それほどの得点とは思えない。
尖閣諸島の領海に勝手に入ることができるようになったのは、実質的な得点かもしれない。
日本が制止しても進入できることを証明したわけだ。
けれども、制止できないのは国際法によるものだから、別に今までも実行しようと思えばできたわけだ。
具体的なプラスなのか。
国際世論で中国の立場が強まったというのはどうだろう。
あの中国国内のデモを世界が評価しているとは到底思えない。
少なくとも中国が遅れているという印象だろう。
尖閣諸島自体の領土主権については、結論を出さないだろう。
領土問題については世界のどの国も直接介入することを避けている。
当たり前だけど、歴史的な経緯がからんで複雑な問題に対しては、どちらの国から嫌われることを避けて、よほどのことがなければ口をはさみたくない。
だから一応中立と思われる国際司法裁での審判を進めるわけだ。

中国の戦略目標は尖閣諸島の領土主権の確立だろう。
トウ庄平は尖閣諸島の領土問題を棚上げし、日本に実績を作らせないようにした。
後で中国が力をたくわえれば実力で奪還することができると考えていたのではないだろうか。
この状況を目指していたものとすれば、不用意に日本を刺激して対抗策を取られるのは根本的に作戦ミスのはずだ。
もっとも、日本に圧力をじわじわとかけることで、日本に尖閣放棄を目指しているのかもしれない。
フィリピンやベトナムとの領土紛争がそうであるようにだ。
力の差があることで、どちらの国も実効支配を取られている。
船を送って守ることができない。

けれども日本はかなり経済力がある。
少なくとも相当の程度圧力に対して、抵抗するだろう。
中国が監視船を送り込めば、それに対応して巡視船を送り込む。
一触即発の危機をはらみつつ、長期間持続するのではないか。
これが中国にとって得なのか、損なのか。

問題なのは、なんらかの対立があった場合、どうしても経済的にはねかえりがあることだ。
経済的な紛争は基本的にどちらの国にとっても損だ。
中国が仕掛けている以上、紛争を起こすならば自分たちにとって有利な時を選ぶ権利がある。
だから決戦をしないならばある程度で引くのだろう。

どうも私には今回の紛争で中国が具体的に得をした部分が見えない。

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506 日本は尖閣諸島の領有権を棚上げすることで問題解決を図るべきか?

「続:中国の指導部は無能」の記事の中では、尖閣諸島問題で中国の目指す落としどころがよくわからなかった。 しかし、中国の民主党政権批判の宣伝工作を読むことで、わかってきた気がする。 ずばり、中国の目標は尖閣諸島領有権の明示的棚上げだ。 次の二つの記事は、民主党の外交を批判することで、尖閣諸島の領有権問題を棚上げして日本が中国政府に妥協することを迫っている。 ・