異をとなえん |

アメリカのガソリン価格と住宅価格の関係は?

2008.03.25 Tue

15:43:18

アメリカの住宅価格の下落は資産インフレの自然な崩落によって起きたイメージがある。しかし、近年のガソリン価格の上昇も住宅価格の下落に一役買っていた可能性が大きい。その影響を考察してみた。

アメリカ人のほとんどが自動車を交通手段としているため、ガソリン価格の上昇は家庭の生計に直接ひびいてくる。都市郊外でもずっと離れた所に住んでいる人は、通勤しづらくなるかもしれない。実際、ガソリン価格の高騰によって公共交通機関を使うアメリカ人の割合は最大を示しているという記事を最大読んだ覚えがある。

住居費と交通費は、より遠くの地域に住めば交通費は高くなるが逆に住居費は安くなる。つまり、住居費と交通費は逆相関の関係を示すはずである。

そこで、ガソリン+住居の価格は一定と仮定する。そして、家賃H、ガソリン代G、家賃の変化率x、ガソリン代の変化率yとすると次の式が成り立つ。

H + G = xH + yG


期間一定でなければならないので、家賃は住宅価格から算出した一定期間にかかる費用である。ガソリン代はその一定期間にかかる費用である。

これを解くと、xは次のようになる。

x = 1 - (y-1)G/H


例を入れて検算してみると、家賃月1000ドル、ガソリン代月200ドルとし、ガソリン代が2倍になるとすると、xは4/5で家賃は800ドルになる。一月にかかる費用はどちらも1200ドルで合っている。

以上の仮定を元にすると、アメリカのガソリン価格は2002年の1ガロン当たり1.33ドルから2008年春には1ガロン当たり4ドル近くと約3倍になっているので、私にはアメリカの家賃とガソリン代の割合はわからないのだが、ガソリン代が家賃の1/10だとしても、ガソリン代が3倍になれば家賃は2002年の4/5にならなければ話が合わない。もっとも、アメリカの不動産の土地の価格はただ同然らしいから、ちょっとよくわからない部分もある。もし、交通費に大きな意義があるなら、より都心に近い地域の土地の価格が高くないとおかしいという意味である。まあ、今まではガソリン代があまりにも安かったので、距離を意識することがなかったと考えたい。

結局、ガソリン価格上昇によって住宅価格は下落する。また、今の住宅価格の下落は元のトレンドに戻るだけではなく、さらにガソリン価格の上昇を見込んだ分下がる必要がある。もちろん、下落相場の場合には、それ以上下がる事も覚悟しなくてはならない。
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科学技術系のブログ

2008.03.24 Mon

19:36:29

科学技術系のブログを見つけた。少し面白いのでリンクしておく。

Do you think for the future?
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ブログの整理

2008.03.23 Sun

15:44:10

ブログの整理をしました。
「このブログについて」と「目次」のカテゴリーを追加しました。
カテゴリーの順番を変更しました。
「目次」と「技術」のカテゴリーに記事のカテゴリーを変更して入れました。

「このブログについて」はまだ書いていませんが、紹介文を入れようと思っています。
「日本」のカテゴリーは分割しようと思っていますが、まだ検討中です。
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アメリカの経済の立ち直りにはどのくらいかかるか?

2008.03.22 Sat

16:55:56

アメリカ経済の景気後退は確定的であり、問題はそれがどのくらい続くかに移ってきた。日本と比べてアメリカの政策は優れているから、日本ほど長期間は続かないという意見も多い。しかし、バブルの崩壊による景気後退は金融財政政策によって簡単に癒やせるものではない。バブルの崩壊による景気後退は、最も生産性の高い部門の雇用が失われるものであり、それを回復するには他の部門の生産性が向上し、バブル崩壊時の生産性に追いつかなくてはならない。生産性の向上は1年や2年で済むものでなく、5年いやもっとかかると思われる。

アメリカでの住宅価格の低下は2006年ごろから始まり、今年2008年金融危機となった。日本のバブル崩壊の時は、1991年に地価が下がり始めてから、「失われた十年」というように約十年続いて、2002年ぐらいから景気は回復した。金融危機が発生したのは、1997年でありアメリカは日本よりずっと早く事態が進行しているように見える。

日本の場合、金融機関が不良債権の公表を渋り、事態の認識の把握が遅れ、その結果公的資金の投入が遅れたのが、景気が回復しなかった最大の原因ととらえられている。アメリカでは不良債権は直ちに公開され、問題の発生が誰の目にもあきらかになっている。金融機関への公的資本の導入も、ベアスターンズの救済のためのFRBの貸付がリコースローンであるように、実態としては既に行なわれているといっていい。それでは、アメリカ経済は直ちに回復に向かうだろうか。私は疑問を感じる。バブルの崩壊の回復に時間がかかるのは、別の原因がある。

バブルは、金融業で金が金を産むといった貨幣の増殖が本質だと思われる。この結果金融業の生産性は非常に高くなり、莫大な利益が上げられる。バブルの崩壊は、この仕組みを壊してしまうものであり、金融業が今までの方法では立ちゆかなくなる。今回のアメリカのバブルの崩壊でも、証券仕組み債やサブプライムローンなどが、当分立ちゆかないだろう。実際、証券会社はこの部門の撤退を決めている企業が多い。また、これに保証を与えたモノライン会社や、助長した格付け会社の責任も大きい。これらの会社は、結局その責任を負って縮小し、また今後の信頼を大きく損なうことになる。つまり、今後アメリカでは金融業という最も生産性の高い部分が縮小されるのである。結果、生産性の高い部門から生産性の低い部門に人が流れるのだから、成長できないのは当然である。

バブルの崩壊が単純な景気変動と違うのは、職種の転換が必要なためである。景気変動の場合の不況は一時的に解雇されることがあっても、不況の終わりと同時に再雇用されるケースが多い。一時的なレイオフはそのための制度だろう。その場合、今までの能力等は生かされるのだから生産性はすぐに元に戻る。衰退産業がダメになり、従業員を全て解雇されてしまう場合もある。しかし、この場合、衰退産業ということは生産性自体が最も低いのだから、他の産業に転換することによって生産性が改善される可能性は高い。簡単に生産性が高い部門に移れるならば、むしろ成長が促進されることになる。

アメリカの場合、さらに長引きそうな特殊事情がある。アメリカは経常収支の赤字を資本収支の黒字で補っていた。資本が流れこんできたのは、金融産業によって高い金利をつけられたからである。金融産業が高い金利をつけられなくなれば、資本の流入は低下する。そのため、経常収支の赤字を補うために、輸出を強化せざるを得ない。しかし、輸出が少くなったのは生産性が低いために他国との競争に破れた結果である。経常収支の赤字と資本の流入がなくなった結果、為替がドル安になり輸出は復活するだろう。しかし、それは最も生産性の低い部門に人が配置される以上、成長はさらにブレーキがかかることになる。

金融危機が早く発生したのも、景気回復を速める要因かどうかは微妙である。

日本の場合は、生産性の高かった金融業が、利益が上がらず既に生産性が落ちているにもかかわらず、従業員を高給で雇っていた。従業員の雇用を簡単に削減できない事情がある。そのため、実体経済自体は成長率が低めになったがプラスを保っていた。最終的に金融危機が発生し、持ちこたえられなくなった銀行・証券が破綻し、従業員が雇用を失なった時点で成長率がマイナスに転換した。ただ、内部的には危機意識はあったので緩やかな変換は進んでいたと思われる。日本のやり方は、根本的な変革を遅れたかもしれないけど、金融産業の破綻を防ぐことによって景気後退を防ぎ、一般産業に回復の時間を与えている。

アメリカの場合の金融危機の発生は、強制的に従業員の解雇が進み職種の変換はかなり早くすすむ。だが、その代わり雇用の削減を通じた急速な消費の減退は多くの企業を倒産への導き、生産性向上のための努力すらさせないだろう。個人にまかせたアメリカのやり方は、不況を長引かせる可能性がある。

そんなわけで、アメリカの今後の状況は予断を許さない。日本の景気の回復に十年以上かかったのが、人口減少によるとしても、アメリカの景気の回復も少くとも五年は見積る必要があるように感じる。
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なぜ日本には偉大な思想家が存在しないのか?

2008.03.21 Fri

15:57:40

日本には偉大な思想家が存在しない。世界に影響を与えた意味での思想家だけでなく、日本自体に大きな影響を与えた思想家も存在しないように思う。なぜだろうか。

偉大な思想は根本的懐疑が生み出したのだと思う。現在の混迷から未来を見直すために、根本に逆のぼって思索を行なう。自分自身が、今まであいまいに準拠していた土台が本当に正しいかどうかを深く問い直す。何一つとして信じられない世の中にあって、何を信じていいか深く思索した結果が思想として結実し、後世に大きな影響を与えたのだ。キリスト、仏陀、マホメッド、孔子、マルクス全てそうだといっていい。

日本では天皇制が長く続いたことによって、秩序全てが崩壊するという自体が起こらなかった。戦国時代でさえ、天皇から与えられる国司などの称号を戦国大名がありがたく貰っていた。つまり、権威が完全に崩壊する事態が起こらないので、今までの権威にすがって生きている人間が絶望するような事はなかった。その結果として、根本的な革命思想は起こらないし、偉大な思想家と呼ばれる存在もなかった。

日本の思想家は、現在の秩序を肯定するタイプが多い。「武士道」の新渡戸稲造や、二宮尊徳もそんなタイプだと理解される。現在の秩序が保たれ、大きな変化がない中で、どう生きていくのが幸せなのかを追及している。

南北朝時代や幕末の動乱の時代のような、社会秩序が大きく乱れた時代では、天皇の権威を疑うというより、逆に天皇の権威が落ちているから国が乱れたのだ考えた人が多い。「神皇正統記」で北畠親房は南朝の正当性を訴えたが、今までの天皇の権威を否定するのではなく、天皇の権威を継承するものとして南朝の正当性を訴えている。

また、天皇制が続いただけでなく、外敵からの征服や大きな内乱がなかった事も、革命的な思想が生まれなかった理由になっている。もっとも、外敵からの征服や大きな内乱がなかったから、天皇制が続いたわけである。

日本人は保守思想というか、何も考えていなくても、なんとかなっていくというような考えを強く持つようになったと思う。もちろん、偉大な思想というのが、人々の団結を促し社会に大きな変動を与え、どちらかというと流血の事態を招いてきた側面が強い。そういう意味で日本に偉大な思想家が出なかったのは喜ばしい。
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目次の作成-3

2008.03.20 Thu

17:41:54

目次を再作成してみる。
久しぶりにrubyでプログラムを書くが、なかなか動かず難儀してしまった。
まだ、完成してないがとりあえず目次だけはできたのでアップする。

目次を見直しみると粗が目立つ。
プログラムが完成したら、再修正する。

・ アメリカ (26)
ドルへの協調介入
Japan-style
現在の世界経済危機に関するリンク
バブルの崩壊のプロセス(改訂版)
大きな銀行は潰さない、小さな銀行は潰す
現在、世界で起きていることのまとめ
アメリカの長期金利が上昇している
ドルの持主はどこに逃げ場所を見つけるか?
売却価格がローン残高下回る-アメリカ終わった?(その4)
早期不良債権処理などできない-アメリカ終わった?(その3)
「サブプライム問題とは何か」感想
アメリカ終わった?(その2)
アメリカ終わった?
アメリカの金融業の将来-日本とアメリカの違い(その4)
ドル安にならない訳-日本とアメリカの違い(その3)
日本とアメリカの違い(その2)
日本とアメリカの違い(その1)
アメリカ経済繁栄の理由
サブプライムローン問題がよくわからない
アメリカの生産性はなぜ高い
なぜドル安が怖くないのか
アメリカ経済の未来について
「帝国以後」感想
核の傘
アメリカ経済の危機
アメリカ企業の弱体化

・ 韓国 (13)
ノムヒョン大統領の退任
韓国の漢字理解
韓国のTK-Xへの反応
「幻の三中井百貨店」書評
「トンデモ! 韓国経済入門」書評
韓国のハラキリ
韓国ハイニクスその後
韓国ハイニックスはなぜ好調なのだろう
日韓野球戦
韓国変なニュース
東海を禁止する
日本のマンガと小説のライセンス料が上がっている
韓国経済の危機

・ 日本 (64)
真似される文明 - 「日本文明・世界最強の秘密」感想(その2)
不法残留者の摘発
欧米かぶれの人はなぜ日本に批判的か?
欧米の日本に対する視線
「きぼう」の打ち上げ
野党の審議拒否がわからない
「霞ヶ関歴史散歩」感想
GXロケットの計画見直し(追加)
「日本文明世界最強の秘密」感想
なぜ日本の株価は他の国より下がるのか?
日本人論?
「歴史人口学で見た日本」感想
日本がサブプライムローンの次の焦点だの日本語訳
日本の科学技術は進歩しているのだろうか?
日本文化はなくならない
英語を学ぶ日本人は欧米に精神的に屈伏しているか?
GXロケットの計画見直し
「犬と鬼」感想
日本の外資恐怖症は当然である
「すごい製造業」感想
外国資本が逃げ出すことなど怖くない。本当に怖いのは。
違憲論への違和感
日本はまだまだ貿易立国
観光統計
万引き防止ICタグ導入
柔道と合気道の現状
新入国審査続報
95人のうち94人は過去の強制退去リストと一致した。最後の1人はどうなったの?
最近、記録した日本文化関係のページ
世界の安定のための日本の役割
江戸時代の日本の礼儀と習慣
今日見つけた日本文化関係のリンク(補足)
情報通信法(仮)に怒っている
今日見つけた日本文化関係のリンク
東京一極集中論批判
王勇氏の話
「同盟漂流」感想
指紋採取反対論への反論(その4)
指紋採取反対論への反論(その3)
指紋採取反対論への反論(その2)
指紋採取反対論への反論(その1)
「ミシュランガイド東京 2008」の発表(補足)
「ミシュランガイド東京 2008」の発表
倶知安のオーストラリア観光客
日本は世界で石油を一番安く買っている。(補足)
日本は世界で石油を一番安く買っている
ものを考える力が劣っている
「日本はなぜ旅客機をつくれないのか」
携帯電話市場のパラダイス鎖国
インドに宇宙開発で負けて何が問題か
護憲派っていったい?
移民政策は少子高齢化の問題の役に立たない
小泉の答弁
武器輸出解禁論について
国民投票の維持費に毎年十億かかるって本当?
「日本語がブログの使用言語で最も使われている」って、本当?
日本つぶしのルール改正?
景気よくなってきた?
かんべえ氏の発言の不快
日本は遅々として進む
安倍政権の公務員制度改革
日本版CIA設立に反対する
世界で一番優れた数の表現を持った言語は日本語
不法残留者の経常的な減少

・ 中国 (19)
中国語のマンガ題名
中国の消費者物価指数に不信感
中国に私鉄はないのだろうか
中国の大学生の就職難と人手不足
中国でのガソリン恐慌
中国のインフレ検証(中国経済の転換点-その6)
アメリカの景気後退の影響は?(中国経済の転換点-その5)
農村からの労働者の流出(中国経済の転換点-その4)
中国の貿易収支が黒字だった理由(中国経済の転換点-その3)
インフレが始まった(中国経済の転換点-その2)
中国でインフレが起こらなかった理由(中国経済の転換点-その1)
慰安婦問題対日批難決議案米下院外交委員会可決
北京・水不足と闘う
中国を封じ込めよ
中国の外国投資の緩和
日中紛争海域での独自調査強行に反対する
中国の「外貨運用会社」構想
NHKスペシャル 中国関連番組
中国の鉄鋼産業

・ blog的生活 (24)
ブログ開設一周年
グダグダと
私のブログの価値は?
いろいろなリンク
ストックを作るのが大事
風邪がまだ抜けない
勝手にブログ評論
風邪を引いた。頭が痛い
忙しい日
アンカテ(Uncategorizable Blog)
謹賀新年
検索ワード
リンク集
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再開のお知らせ
スランプ
目次の作成-2
tという検索ワード
ブログ始めて一ヶ月ちょっと
ブログ開設の弁
目次の作成
アクセスの増加
日常生活

・ マンガ・アニメ (16)
本場のありがたみ
増田悦佐氏インタビュー記事
「ONE PIECE 第488話」感想
「バンブーブレード」感想
外国でのマンガの話三題
ポルノは性犯罪を減らすか?
マンガアニメ系の記事のリンク
深夜アニメは日本だけのものじゃない
マンファはマンガと違います
Naruto核爆発す
ジョジョの奇妙な冒険・感涙名場面50選
マンガなんか忘れちまいな、マンファがあるぜ。
極私的マンガウォッチング「B館」のsakura-conリポート
アメリカでのmanga売上部数
2007年4月の新アニメ感想
米エロマンガ出版者の嘆き

・ 経済 (14)
コストプッシュ型インフレに対して金融緩和政策を取る?(その2)
コストプッシュ型インフレに対して金融緩和政策を取る?
バブルの崩壊のプロセス
2008年日本の景気予想
太陽電池のエネルギー収支は本当に得なのか?
ダウ安円高での日経平均高
食料をエタノールの生産に使うのは是か否か(その3)
食料をエタノールの生産に使うのは是か否か(その2)
食料をエタノールの生産に使うのは是か否か
不良債権処理の遠い道のり
急な円高の心配なんていいお世話
円高?円安?
マレー半島横断パイプライン
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・ その他 (28)
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中国語の数表現
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スモンは遺伝子の個人差が原因?
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第48回科学技術映像祭入賞作品
太陽光レーザー,水,マグネシウムによる革新的エネルギーサイクル
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・ 技術 (1)
『悲劇の発動機「誉」』感想
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本場のありがたみ

2008.03.19 Wed

12:29:46

ストロー効果という言葉がある。何かが伝播する時に、大元では豊富な種類があるのに、伝播先では種類が大幅に減少するような事を言う。

たとえば稲の例がある。中国の稲には、ある部分の遺伝子の種類が4つあるのに、日本にある種類は2つしかない。これは、最初に中国から日本に来た稲がほんの少量だったので、たまたま2種類しかなかったかららしい。一度それで普及してしまうと、後からでは変わらない。朝鮮の稲は、日本にある種類が含まれずに3種類らしい。だから、朝鮮経由で稲が伝来した説はおかしいという意見が生まれる。

文化にも同じような現象がみられる。日本では、漢詩というと白居易の「白氏文集」が最も好まれていると本に書いてある。平安時代に日本に伝わったが、他の漢詩を押しのけて一番人気だという。日本人に一番合っていた事もあるのだろうけど、同時に白居易が好まれすぎて、他の漢詩が存立基盤を失なったとも考えられる。市場が小さい時、一つの商品の支配率が大きすぎると、他の商品の存立自体ができないことになる。

マンガやアニメもそうだ。アニメではフィリピンの「ボルテスV」やフランスの「UFOロボグレンダイザー」の例がある。「ボルテスV」は政府批判と受けとられて政府が禁止した。「UFOロボグレンダイザー」は視聴率100%を獲得したとかいう伝説がある。子供だけの視聴率とからしいが、人気があったことは確かだ。日本では巨大ロボットアニメという同工異曲の作品がたくさんあるなかでの1作品でしかないが、他の国では大ヒットとなったことになる。

マンガでは、現在「NARUTO」が大ブームだ。アメリカ、フランスで一般書の中に交じって売れている。フランスでは一般書も含めた全作品の中でベストセラーだというから驚きだ。もっとも日本では、マンガを含めたベストセラーの選出だとマンガがトップを独占してしまうからベストセラーのランキングから外されているほど売れているが、これは例外だろう。日本では「NARUTO」より売れている「ONE PIECE」は海外ではあまり売れていない。海賊物というのがあきられているという説もある。理由は、はっきりしないが、環境の違いというものだろう。

このように、マンガやアニメは世界に伝播しているが、いろいろな違いによって何が売れているかは様々だ。現在、発行されているマンガや製作されているアニメの種類は膨大で、海外でも随分出ているけれど抜けているものは結構ある。今までの累積とかを考えると話にならない。それが結局、本場と伝播先の違いというものだろう。マンガ・アニメファンとして日本人に生まれてい良かったなあと感じる時である。
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