異をとなえん |

円高ドル高雑感

2009.07.11 Sat

02:40:34

円高ドル高が急に起こっている。
円は7月9日のニューヨーク市場で91円台に一瞬突入した。
ドル自身も円以外の通貨については高くなっている。
ドル高については予測していたので、それほど驚きはない。
不思議なのは、ドルが上がるにつれて円も高くなっていることだ。
もちろん、リーマンショック以来、景気後退の予測が強まると、
株式が下がり、債券が上がり、円とドルが高くなっているのだから、
なった事自体は不思議でも何でもない。
しかし、なぜ円がドルと連れ高するのかは、
納得できそうで納得できないことである。

ドル高は、不況によるアメリカの輸入の減少と
外国からアメリカへの資金の引き上げに伴って起こっているもので、
予測できる。
下記のページにもあるように、バブル崩壊時の日本と現象は一致している。

「空中戦」が続く為替相場、くすぶる不良債権問題とドル不足


 「今は90年代後半のジャパン・プレミアムを彷彿とさせるドル・プレミアムの状況だ。原因もジャパン・プレミアムの時と同様で、ドルの不良資産をバランスシートからそぎ落とせないこと。財務体力が弱る中でドルとドル資産の値崩れは不都合なのだろう」(同マネージャー)。 

 他方、欧米金融機関は円建て資産の圧縮には急激に進めている。日銀によると、在日外銀の総資産は5月末に35.68兆円となり1996年12月以来12年5カ月ぶりの低水準となった。リーマンショック直前の昨年8月末には50.59兆円で、9カ月間に30%も圧縮された。 


しかし、これは日本とアメリカの関係にもあてはまっているはずで、
なぜ円高になるかがよくわからない。
AIGビルや日興證券の売却などで、
確実に資金はアメリカから日本に流れているはずだ。

私のこの疑問への回答は、
国際的な投機資本の源泉が日本にあったとしか言いようがない。
日本の低金利の金を元手にして各国に投資していた。
不況によって資金の回収に迫られると、
清算するために日本に資金を戻す必要がある。
そこで証拠金を回収してドルに変換するのだろう。
具体的な証拠はないのだが、そんな風に解釈できる。
日本に戻る資本と日本から出ていく資本では、
日本に戻る資本の方が多いから円高になる。

日本は円高になると苦しくなってしまうのだが、今後はどうなるのだろう。
円高はそんなに続かないと考えている。
アメリカが資本を他国に投資するゆとりはなくなっているが、
日本はだいぶ違う。
リーマンショック以来の信用収縮も落ち着いた。
日本が外国に投資する力はある。
下記のページによると、投信によるドルの投資は活発になっている。

投信の円売り・海外勢の増資払い込み、わずかな取引チャンスとして意識


 海外株式や外債などの海外資産に投資する外貨型の投資信託の人気が高まっている。大和証券SMBCの試算をもとにすると、6月はこれらの投資信託への資金流入が4538億円に膨らんだ。2008年7月(5176億円)以来11カ月ぶりの規模だ。6月はボーナス月という季節要因もあるが、4月の2690億円、5月の3215億円と流入規模は増加基調。2008年9月のリーマン・ブラザーズ破たんをきっかけにした金融市場の混乱で一時は個人の投信購入には急ブレーキがかかり、2008年10月には1392億円の資金流出となったが、ここにきて投信へのマネーフローは着実に回復トレンドをたどっている。


そのページにある増資については、
最終的に外国企業の買収等で出てゆく金に近いと思うので、打ち消しあうと見る。
円高になった分、外国に投資しやすくなっているはずで、
日本の景気が二番底をつけない限り、
アメリカが戻した部分を補って投資が進み、
円安に向かうだろう。
そんな風に予測している。

関連記事
バブル崩壊後の長期停滞の仕組み
ドルの基軸通貨国論議について
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ポンドの暴落

2009.01.23 Fri

02:45:46

ポンドの暴落がここに来て顕著になってきた。

ウォンの暴落、そして - 世界経済が悲鳴を挙げている(その2)

で考察したように、
イギリスに通貨危機が発生すれば今回の不況に大きな影響を及ぼすだろう。
イギリスが危機対応のために引き締め政策に転換すれば、
他の中小諸国はそれに習うしかない。
世界の需要減少がとめどなく進みそうだ。
それは勘弁して欲しい。

今後の考察のために、幾つかリンクしておく。

焦点:ポンドの下落が加速、通貨危機を懸念する声も

イギリスにアイスランドのソフト・オプションは採れません

真剣にやばいだろ

グレート・ブリテン
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ドルの今後(補足)

2008.09.11 Thu

03:20:15

昨日、ドル安はないだろうと述べたら、いきなりダウが急落し、
おととい280ドル上がった分を全て戻してしまった。
円に対してもドルが安くなっている。
ドル暴落はない
という予想も外したかなと思う。
しかし、もう一度考えてもドル暴落はないように感じる。

理由の第一は他の国の状況も悪い事だ。
EU、イギリスもアメリカと同じように資産バブルが発生していて、
それが潰れてしまった。
急速に景気が悪くなっている。
ドルはユーロに対して最近までずっと安くなっていたけど、
現在トレンドは逆転した。
EUの景気が減速してきた事を背景としてユーロ安が始まっている。
成長率だけを比べるならば、アメリカの方が高いのだ。

景気がどちらも悪いならば、資金はどちらにも逃げようがない。
新興国も原材料高が影響して、景気が後退した。
日本も同じだ。
原材料自体も下がり始めている。
世界中の資金が逃げ場を失っている。
激しく動きはするが、一方的な方向はない。

理由の第二は住宅公社への公的資金投入を相場は織り込んでることだ。
住宅公社の債券に対して暗黙の政府保証があった。
議会で投入する権利を与える法案は既に成立している。
だから、公的資金の投入は不思議ではない。
この資金投入によってアメリカドル自体の信認が揺らぐとしたら、
もっと早くドルが急落してなくてはおかしい。

目先の現象だけに捕われては、長期の予測はできない。
しかし、ドル安が加速する事なく、むしろドル高に動いているのは、
一時的な方向ではないように思えてならない。
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ドルの今後

2008.09.10 Wed

03:23:03

最近ドル高である。
アメリカもダメだが、その他の国もダメだと言うことで相対的に浮上してきた。
住宅公社に資金を注入した事もドル高の材料になっている。
住宅公社に資金を注入する事は、住宅公社の債券をアメリカ政府が保証する事で、
財政赤字の拡大要因になる。
財政赤字の拡大はドルの価値の低下という事で、
ドル安になるという意見も見られた。
そうなっていないのは、ドルに対する信認が揺らいでいない表れだ。

サブプライム危機に始まる今回の不況で一番怖いのは、
ドル安が続きドルの価値が崩壊する危険だと思っていた。
その場合は大恐慌の再来となり、世界全体が大不況に突入してしまう。
その可能性は、どうやらないようだ。
統計上アメリカが純債務国になったという事実は、
アメリカの直接投資の価値が、
諸外国からのアメリカへの債券投資の価値を上回っているという真実によって、
くつがえされている。
世界にとって喜ばしい事だと思う。

今後は日本のバブル崩壊の時と同じように、
海外からの資金を本国に戻す事によって自国通貨高(ドル高)になり、
その後不況によって、じりじりと自国通貨安(ドル安)になる。
そのような状況を私は予測している。

ドルと石油の行方、または、予測と結果
では、私はインフレを予測していた。
産油国や中国のようにドルにリンクしている国々では、
アメリカの低金利政策によってインフレが発生する可能性はまだある。
しかし、産油国は原油の需要低下による価格下落によって、
景気は弱くなるだろう。
中国もアメリカへの輸出の低下は景気を悪くする。
世界にインフレを拡大する能力はなさそうだ。

日本を含めて世界はスタグフレーション状態だが、
どうやらデフレに変わりそうだ。
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急な円高の心配なんていいお世話

2007.05.30 Wed

01:09:30

下記の韓国の中央日報の海外コラムを読みました。
日本は「ゼロ金利」を捨てよ

日本の超低金利政策をやめよというご託宣ですが、とりあえず、いいお世話としかいいようがないです。

日本の低金利政策への批判は最近のG8の中でも取り上げられるかと話題になっていましたが、出てきていません。つまり、日本の低金利政策が円安の原因だというのは必ずしもあてはまらないからです。

もちろん、日本の低金利が海外に資金を向かわせている原因の一つではあります。しかし、それだけで為替相場は決まるものではありません。日本の金利の上昇が現在の円安トレンドを逆転させ円高に向かうであろうという予測はそこらじゅうで見かけますが、そうなっていません。なぜなのかが、はっきりとわかれば大金持ちになれます。そのくらい、難しい問題です。

円キャリートレードで、日本から金を借りている人は、急に円高になるリスクを承知の上で勝負をしています。
つまり、

問題は円が急に上がってキャリートレードがただちに清算する場合、深刻になる。急に円の価値が上がればキャリートレード為替損失が生じて、投資者たちは米国市場への投資金を還収し、日本に返そうとするだろう。世界のあちこちでこのような現象が起きれば世界市場がゆれる危険がある。

などと言うことは、既に相場は織り込んでいるはずです。その結果の円安に対してあれこれ文句を言ってもはじまらないのです。もし、本当にその予測が本当だと思うならば、円を買えばいいのです。みんなが、一生懸命考えた結果がこの相場なのです。

そもそも、中央銀行の政策目的は、通貨価値の維持、インフレを起こさない事にあります。ほとんど、これだけだったんですが、最近の日本の例に鑑みてデフレを起こさない事も通貨価値の維持として政策に入っています。結局、年1〜2%ぐらいのインフレを維持するのが、一番理想的です。そして、この小さい幅の中で景気政策を打てたら打とうという所です。為替相場の維持なんてこの政策の中には入りません。
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円高?円安?

2007.05.20 Sun

23:48:40

円安になるか、円高になるか、参考になるサイトを見つけました。
田中泰輔 「FX Clairvoyance」(為替透視鏡)

円の訳のわからない動きに一応の理論を示してくれています。
ここへ来て一本調子の円安も、そろそろ危ないのではと言う観測が出されていて実にドキドキしてしまう展開です。
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