異をとなえん |

続々:年末アメリカの株式相場は下げているのに、なぜ日本の株式相場は高値をつけたのか?

2013.01.04 Fri

21:44:18

前回は、基礎収支の赤字化が円安の原因だと位置づけた。
それでは、なぜ基礎収支は赤字になったのだろうか。
経常収支はまだ黒字を保ったままだ。
貿易収支は赤字になったが、所得収支の黒字を打ち消せるほどではない。
それなのに基礎収支が赤字になったのは、海外への直接投資が増えて経常収支の黒字を上回ってきたからだ。

増勢続く日本企業の海外直接投資によると、日本の対外直接投資は増えている。
対外直接投資金額は2008年で13兆円と最大になり、その後金融危機で減少したが、世界経済全体の持ち直しによって回復しつつある。
今までは経常収支の黒字が巨額なので、直接投資が多くなっても円安傾向にはなかなか振れなかった。
しかし、貿易収支の赤字に伴う経常収支の減少によって、直接投資が高い状態を保ったならば、基礎収支が赤字状態になったといえるだろう。

同時に直接投資が高い状態を保っているのは、日本企業の競争力が改善され世界に投資しても十分利益が挙げられるようになったからだ。
対外投資収益率も2011年は6.3%になり4年ぶりに前年超えをした。

なんか全然中途半端なところで、中断。
数字をきちんとした統計で確認しようとしたのだが、時間がかかってしまった。
しかも結局まとまっているページを引用して終わった。

考察したい所があるので、その部分をさらに次回に回す。
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続:年末アメリカの株式相場は下げているのに、なぜ日本の株式相場は高値をつけたのか?

2013.01.03 Thu

21:50:25

前回の続きで、日本で円安株高が続いている理由を考えている。

新年があけて、ようやくアメリカで財政の崖が回避された。
結果ニューヨークダウが急上昇し、ドル円相場も87円台と年末よりさらに上げてきた。
年末アメリカの株式相場は下げ、日本の株式相場は上げていたことから、アメリカの景気回復に追随する日本経済という流れが変わりつつあるというのが私の推測だった。
しかし、後知恵で考えると財政の崖が回避されるのは予測できたから、アメリカと日本の株式相場に少しずれがあっただけで、本質はアメリカの景気回復に連動して日本経済も回復しているのは変わってないのかもしれない。
ふには落ちないが、こういう解釈もできる。

けれども、私は別の仮説を支持したい。
ドル円相場が日米間の金利差に関係なく円安に振れつつあり、円安が株式相場を上昇させている可能性だ。

まず、変動制為替相場のレートを決めるもっとも決定的な要因は、両国間の金利差であることは間違いない。
一番重要なのは一番早く動くことだ。
その他の要因、貿易収支や経常収支の変動には時間がかかる。
だからどうしても短期的な変動では、金利差が重要な要因になる。
しかし、金利差で為替レートが決まるには、軸になるレートが必要だ。
軸になるレートは購買力平価だと考えて書いたのが、「為替レートはどう決まるのか?」から始まる一連のシリーズだ。
ただ現在は購買力平価というよりも、金利差0のときに定まるレートその物が軸になるレートだと思っている。
その場合需給に均衡が取れていないと、そのレートは維持できない。
経常収支や資本収支においてどちらかに黒字が溜まっているならば、黒字がある国の通貨高になる方向に自然と為替相場は変動していく。
その揺れ動く軸に合わせて、金利差で為替は動くと考えるわけだ。

揺れ動く軸は金利差の変動ほど早くはないが、それでもゆっくりと変動していく。
たとえば、円高が続くならば日本企業は輸出の採算が悪くなるので、輸出を控えるようになり輸入を増やそうとする。
当然、黒字は減っていく。

日本経済においても、リーマンショック後の急激な円高で基礎的な収支に変動が生じたのではないだろうか。
その中で参考になるのが次の記事だ。
「円高構造が大転換 プロの着目点に学ぶ」
この中で述べられている基礎収支の概念は、経常収支と直接投資の合計だが、要は金利差によって移動する資金を取り除いた収支という意味だ。
つまり、私の目指した軸になるレートを決定する基本的な部分だ。
これを見てみると、日本は2011年以降赤字基調になっている。

引用開始

「基礎収支」を見てみると、最近は赤字傾向が鮮明だ(グラフB)。輸出低迷や福島第1原子力発電所事故後の液化天然ガス(LNG)の輸入拡大で経常黒字が急減。これに対し、長引く円高で日本企業の海外直接投資が急増したからだ。
引用終了

まとめると、ドル円相場は、リーマンショック後の世界景気の後退によって、アメリカの金利が低下し、日本に資金が巻き戻されていったので、円高を続けていた。
2011年以降、基礎収支は赤字になっても、日米の金利差が収縮する局面が続いていたので、円高要因と円安要因が打ち消しあって為替相場は1ドル80円近辺で動かなかった。
しかし、2012年アメリカの金利が下がり続けることで、金利差は収縮し、もはや為替相場を動かす要因にならなくなったので、基礎収支のみが重要視される局面となった。
アメリカが財政の崖によって不況に突入しても、基礎収支が赤字ならば為替相場は円安に振れる。
円安ならば輸出企業は利益が増えるということで、株高が続いたというのが、年末の円安株高の解釈だ。

今後の状況についても、財政の崖が回避されてアメリカの景気の持ち直しが続けば、アメリカの金利は上昇する。
そうすれば金利差によるアメリカへの資金の流出も復活するので、さらに円安に振れることになるだろう。
アメリカの景気の急激な後退がなければ、円安は続き株式の上昇も当分続くのではないだろうか。
 
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日本国債の海外保有比率が上がっている

2012.12.24 Mon

21:32:29

不思議なことに日本国債を海外の人が買っている。
日本の金利が世界でもっとも低いことを考えると異常なことだ。
理由は世界経済の先行きに自信を持てない人が増えていることだろう。

9月末の国債保有は海外が過去最高に、日銀は初めて100兆円突破

引用開始

日銀が21日公表した2012年7─9月期の資金循環統計によると、9月末の日本国債の保有者のうち、海外の残高が前年比11.1%増の86兆円、発行残高に占める構成比は9.1%となり、いずれも過去最高を更新した。
引用終了

日本国債を海外の投資家が買っている。
ある意味とても不思議なことだ。
日本国債の金利は世界で一番低いと言われているからだ。
実際十年物の日本国債の金利は1%を切っているので、他の国が1%以上のことを考えると一番低い。
けれども、海外の投資家が買っているのは短期国債だ。
だから十年物の金利に直接の関係はない。
短期国債の金利も名目では0.1%で日本が一番低いけれども、アメリカもユーロも0.15%ぐらいで大差ない。
日本がデフレ気味なことを考えると、実質の金利ではむしろ日本の方が高いかもしれない。
ただ極めて微差なことを考えると、金利差によって資金が移動しているとはいえないだろう。
なにか別な要因があるわけだ。

別の要因というのは、安全資産への投資だ。
世界経済の先行きに自信を持てなくなっている投資家たちは、資産を増やすというよりも、減らさないために投資をしようとしている。
だから、とにかくデフォルトをしない債券に注目している。
アメリカ国債や日本国債は自国通貨建ての債券なのでデフォルトの可能性は0と言っていい。
そして、アメリカや日本以外の国の投資家は、デフォルト確率0の債券がほとんどない。
それで自分たちの資産を守るために、アメリカや日本の国債を買っている。
アメリカ国債は積極的に投資をしている場合にも、一時的に保有するために所有していた。
だから、昔からアメリカ国債の海外保有比率は高い。
最近は積極的に投資をするのではなくて、消極的な投資としてアメリカ国債を保有している。
そうすると、為替リスクが気になってくる。
ドルが他の通貨に比べて割安になれば、損が気になる。
日本円に分散投資をして、為替リスクを分散したい。
それが日本国債の海外保有が増えている原因だ。

日本円は最近円安に振れている。
84円台とずい分下がってきた。
けれども、日本国債の海外保有率が上がっていることは、深いところで世界経済の先行きに楽観視していない人が増えていることを示しているように思う。
そして、分散投資が日本国債の所有の動機ならば、そう簡単には比率は下がらない。
世界経済が順調に成長する状況に戻るには、まず日本国債の海外保有比率が下がる必要がある。
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40歳定年制を強要するのはおかしくないか?

2012.10.20 Sat

21:35:31

高齢化社会が進むにつれて労働者が足りなくなるから、労働市場の流動化を進めなくてはならない。
だから40歳定年制を導入して終身雇用を廃止しよう、という意見がある。

参照:終身雇用、年功賃金がいつまでも続いている理由

引用開始

人口に占める労働力の割合が低下するという人口オーナス時代においては、限られた労働力をできるだけ有効に活用していくことが必要となる。そのためには、産業・企業を超えて労働力の再配置を行っていくことが必要となる。この時障害となるのが、終身雇用的な日本の雇用慣行だ。40歳定年制は、この硬直的な従来型の雇用慣行を打ち破る方策として提案されているのだ。
引用終了

なにかおかしくないだろうか。
この問題を労働市場における長期契約と短期契約の違いとして考えてみよう。
市場において価格は激しく変化することがある。
需給の変動によって、需要と供給の差が激しく変化してマッチングすることが難しい場合だ。
作りすぎて余ってしまうとか、買えなくてみんなが行列を作っているような場合に起こりやすい。
需要が供給を大きく上回れば価格は上昇するし、逆に需要が供給より大きく下回れば価格は下落する。
その変動幅が激しいと市場で商売する人間にとっては先の見通しが難しくなる。
供給を増やすための長期投資も難しいし、価格が安定していれば買おうと思う購入者にとっても手を出しにくい。
だから、市場の一時的変動を無視して長期での契約を目指すメリットが出てくる。

ただし、市場の需給関係が長期に渡って変化すると考えるならば、長期と短期の契約の選択にも変化が出てくる。
市場の需要が供給を長期にわたって上回り続けると考えるならば、価格は上昇傾向を見せるだろうから、売るほうとしては長期契約を嫌い短期での取引を望むし、買う方は長期契約を好むだろう。
逆に市場の需要が供給を長期にわたって下回り続けると考えるならば、価格は下降傾向を見せるだろうから、売るほうとしては長期での契約を望み、買う方は長期の契約を嫌うだろ。

中国では労働者がなかなか定着しないと聞く。
長期的に労働需要が増加していくと、人々が考えているから、長期雇用は魅力がないのだ。
だから、賃金が高いところに直ぐ移動する。

逆に現在の日本では公務員の人気が高まっている。
デフレが続いているので、賃金は上昇していない。
だからできるだけ長期雇用で、働いている所が潰れないことを望む。
公務員は長期雇用だし、解雇される可能性は極めて低い。
もちろん絶対ではないが、他の企業に比べれば安定している。
公務員に求職者が集中するのは当然の話だ。

つまり労働市場でも人々は長期契約と短期契約の損得を勘案して、職業や職場を選んでいる。
それなのに、契約条件を後出しで変更するのが望ましいかという話だ。

労働者は経営者より数が多いので、民主主義社会では政治の力によって定年延長などと長期契約を変更しようとしている。
民主党の政策はそういうものが多い。
これは経営者側を後付けで不利にしているので問題だが、政治力を使って長期契約を打ち切らせようとする、はっきりした契約違反よりはましだ。
定年延長の場合は賃金の引き下げを当然の前提としている。
価格が変更されることを前提とするならば、契約期間を変更しても妥当な水準での契約となりうる。
それに対して、長期契約をいきなり打ち切るのは、長期の安定した取引のために安い価格で売ることに同意した供給者を裏切る行為だ。
認めるべきではない。

終身雇用は慣習によるものだから契約をキャンセルする方法は幾らでもある。
なによりも、企業が倒産危機にあれば賃金は大幅にカットできるし、退職者を募ることもできる。
つまり長期契約といっても絶対的に保障された契約ではないのだから、法律によって無理に解雇しやすくする必要はないように思える。

そして一番違和感を覚えるのは、高齢化によって労働者を流動化する必要があるから、40歳定年制にしようとする理屈だ。
高齢化によって消費は減少し、経済は成長できなくなっていく。
企業には働いていない労働者がありあまってしまい、解雇しなくては潰れてしまう。
だから企業のために40歳定年制にしようという理屈ならわかる。
それをなにか労働者にとって有利なような感じに40歳定年が出てくるのが、気に入らない。

高齢化で労働者が減少すれば、賃金は上昇していくはずだ。
そうなれば終身雇用形態で働いている人たちは人を雇ったばかりの新興企業に比べて相対的に賃金は低くなる。
終身雇用は企業の義務であって労働者は制約されない。
だから新規求人の賃金が長期安定のメリットを上回るほど高くなれば、労働者は移動していくはずだ。
終身雇用という概念での契約は普通ではありえないほどの長期の契約なので、なかなか簡単には引き抜けないかもしれない。
高給で引き抜かれても、雇った会社が直ぐに倒産しては困るのだから、移動が難しいのも道理だ。
けれども労働市場が段々と逼迫していけば、短期契約での賃金市場は高騰し、それは長期契約での賃金にも波及してゆく。
そうすることで自然と労働者は流動化し、再配置されるはずだ。
40歳定年ということで強制的に追い出さずとも、賃金が上昇し続けるならば人々は自然と流動化する。
法律的に強制する必要は全くない。
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海外への資金の逃避について

2012.10.02 Tue

21:39:26

日本の衰退は免れないから、資産を海外に逃避させようという意見がある。
もちろん自分の金をどうしようと個人の責任だからかまわないけれど、彼らはもうかっているのだろうか。
2008年からの円高では1ドル120円が80円になった。
海外の資産価値が3分の2になったわけだから、よほど高い金利で回していなければ元本を割っているはずだ。
そして、金融危機により投資自体も失敗した可能性が大きい。
結局海外投資では失敗した人が多くないだろうか。

日本はバブル崩壊以後、需要が伸びなくなった。
資産価格の下落によるキャッシュの枯渇が原因だろう。
その結果、供給能力自体は別に変わらないので供給と需要のギャップは輸出で埋め合わせようとする。
輸出が増えて貿易黒字がさらに大きくなれば、ギャップは解消し供給を維持できる、つまり雇用を維持できることになる。
しかし、貿易黒字がさらに大きくなればそれに見合った資金が外国に還流するのでなければ必然的に円高になる。
それは結局輸出を増やせないことを意味する。
輸出を増やすためには、貿易黒字の増大に見合った分、海外に投資しなくてはならない。
けれども海外への投資は最終的に国内に製品やサービスとして取り戻す必要がある。
さもなければ投資する意味がない。

韓国の新聞に出ていたけれど、韓国国内での円建ての融資は円を手に入れる当てがなければ、借り換えしないほうがいいとあった。
これは韓国の資金繰りが苦しくなったときの話なのだけれど、2005年ぐらいに円安でなおかつ金利が安いときに日本から円建てで借金した企業があったわけだ。
それが金融危機以降円高によって返すのが急に難しくなってしまった。
そこで急場をしのぐために借り換えようとするのだが、その場合円建てで借り換えるのはやめた方がいいという意見だ。
円建てで借り換えても、さらに円高が進行したら企業にとって致命傷になるからだ。
でも日本に輸出して円を確実に取得できる自信があるなら、借り換えても大丈夫なわけだ。

つまり円建てで借金するということは、日本国内の需要をあてにしている。
日本国内の需要が増えていくのでなければ、借金するのは危険になる。
実際日本ではデフレになっていて、借金をできるだけ返済しようと企業ががんばることになった。
日本がデフレになれば必然的に円高に振れ、海外投資が利益をあげることが難しくなる。

日本が2002年ぐらいからむしろ円安に振れていたのは、外国の景気がアメリカを中心としたバブルによって非常に良かったためだ。
海外での投資の利益が非常に増大したので、日本から大量に投資をすることができ、結果輸出が増え、貿易黒字が増えても円高に振れなくなった。
海外の景気が良かったから日本も良くなったという話になる。

今はしかしどうなのか。
海外の景気は悪くなっている。
アメリカの国債金利が非常に低くなっているのは日本と同じようにデフレが近づいているからだろう。
そうすると日本からは当然資金が流れない。
むしろ日本の国債が安全だと逆に資金が流れてくる。
資金の面から見れば円高の可能性が高い。
もっとも貿易面から見れば輸出が伸びなくなっているので、貿易収支は赤字になっている。
これは円安要因だけれども、貿易収支の為替相場の影響は小さくなっている。
資金の移動の方が為替相場に効いてくる。

まとめると、ドル円相場が均衡状態にある現在、海外への資金の逃避は慎重にした方がいい。
はっきりアメリカの景気が良くなり、相場が円安になってからでも投資は間に合うと思う。
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日本はギリシャのような財政危機に陥るか?

2012.09.06 Thu

21:25:58

日本もギリシャのような財政危機に陥る、という話はたびたび出てくる。
私は起きないと主張しているがギリシャと比較して説明したことはなかった。
今回はギリシャでなぜ財政危機が起こり、そして日本では起こらないだろうかを説明する。

財政破綻を本当の破綻と実質的な破綻とに分けて考えてみる。
本当の破綻は償還に失敗することだ。
外国の通貨建てによる国債の場合、自国では通貨を発行することで償還することはできない。
だから資金繰りがつかなくなれば本当に破綻する。
ギリシャはユーロ建てで国債を発行していて、ユーロはECBによって管理され自分たちの都合で刷れないので、本当に破綻する危険性が存在し、今危機的状態にある。
日本は円建てで国債を発行しているので、償還できなくなる可能性はほとんどない。
もちろん赤字国債発行法案が政争で成立せず、国債を償還できなくなる可能性はあるけれど、その可能性は限りなく低いだろう。
本当に国債が償還できなくなる危険性に対しては、政治家も結束して止めるはずだ。

だから日本の破綻の場合考慮すべきなのは実質的な破綻だ。
ハイパーインフレが起こったら、実質的な破綻であることは間違いない。
しかし日本でハイパーインフレなど起こるだろうか。
ハイパーインフレというのは、需要に対して供給が圧倒的に少なくなった場合に起こる。
需要が供給に対して圧倒的に大きくなる場合に、起こることはありえないだろう。
人々の消費が過去から急に増加するなんてことはないからだ。
戦争などで軍事費を急増させればありうるけど、普通はその分消費を減らすのでやはり起こりえない。
だから、本当に起こるのは需要に対して供給が圧倒的に少なくなる、戦争で設備をほとんど失うような場合だ。
それ以外には起こらないといっても過言ではない。

いや、そうではないか。
外国から借金をして輸入で供給と需要の差を埋めていたけれど、急に外国から借金ができなくなれば、輸入できなくなる。
その場合供給より需要が圧倒的に大きくなる状態が生まれるかもしれない。
ギリシャの場合は国債の自国通貨建てかよりも、こちらの方が重要だ。

ギリシャの危機がなぜ起こっているかというと、まずギリシャは生産しているより消費している量が大きいという問題がある。
消費量の方が大きいのになぜ生活できたかというと、その分借金してきたからだ。
その借金が山のようにたまってしまって、金貸しがみんなギリシャのことを信用しなくなってしまった。
永久に繰り替えを続けて返すつもりがないと。
その結果、借金の利子の返済も、生産より多い消費のための金額も、手に入れることができなくなってしまった。
昔だと借金の利子の返済を渋ると、軍隊がやってくるケースが多かったけど、最近はそんなこともなくて単に国際金融から追い出されるくらいだ。
実際アルゼンチンは借金をちゃらにしてしまったけれど、別に他国から攻撃されるようなことはない。
起こったのは、外国から追加で借金ができなくなることだけだ。
借金ができなくとも、生産と消費が均衡すれば、それなりに生活できる。
アルゼンチンはそれで十分成長している。

ギリシャがそれでうまくいかないのは、貿易赤字が非常に大きくて外国から借金ができなければ物資の輸入ができなくなるからだ。
ギリシャの場合は生存の危機さえ考えられる。
だから本当に必要な物資の輸入代金は借金しなければならない。
その借金は返してもらえる保証がないので、確実に返済されるよういろいろな工夫がいる。
とにかく無駄な金を使わないように、できるだけ支出を減らす約束とその監視体制が必要になる。
つまりギリシャは今の借金が自国通貨建てであったとしても、本質は変わらないということだ。

日本で財政危機が起こらない理由として、国債が日本国内でほとんど保有されていることがあげられる。
ギリシャは75%くらいが外国に保有されているのに、日本では95%くらいが日本国内で保有されている。
これの何が重要かというと、日本国内で資本の余剰があるから、国内で国債を保有できていることだ。
日本国債が破綻したとしても、需要と供給が均衡しているならば同じ生活を確保できる理屈だ。
だから最悪の場合でも、そんなに怖がる理由はない。
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日本の生産性の成長

2012.08.23 Thu

21:16:38

今日読んだ中で一番気になった記事が、「失われた20年、実は日本の生産性は成長していた」だ。

この20年の日本の生産性やその推移を記事にしている。
数字を伴ってまとめられると想像力が刺激される。

グラフでは日本がこの20年労働生産性はそれなりに上昇し、資本生産性は90年代は低下を続け、2000年代は世界の中でもトップクラスの上昇をしたことを示している。
資本生産性が90年代下がり続けたのは、バブル後の不況によって既に発注していた設備投資が完成したのに対して、それに比例する形で生産高は増えなかったからだろう。
バブル以後のムダの塊みたいな、公共事業や観光施設の建造によって、資本は増えたけれども、それを使う人がいなければ当然生産性は落ちる。
そういう話だ。

2000年代になると不況によって、リストラをせざるを得なくなった。
無駄な設備を廃棄処分することで生産性が向上した。
世界で見ると多くの国で2000年代からの資本生産性はマイナス成長になっている。
これは日本のバブル以後の対応を今実行しているからだろう。
またバブルの時期は日本の1990年ごろの資本生産性の成長率が高くないように、資本を無駄遣いしがちだ。
だから世界の資本生産性は2000年代低くなっている。

労働生産性は一応ずっと成長していた。
実質成長率が常にプラスであり、日本企業はあまり人を切ることをしないので、労働生産性は結果として成長を続ける。
アメリカみたいにダイナミックにリストラをすると、労働生産性は大きく動く。
実際金融危機後、アメリカ企業は人切りを大幅に進めて、労働生産性が向上し、企業利益を高く保っている。
ただ短期で見た労働生産性にどれほど意味があるかわからない。
長期的に労働生産性が上昇しているならば、重要なのだろうけれど、世界の中では普通に伸びただけのように見える。

いろいろと思考は刺激されるのだけれど、さてここから何が言えるかというと、たいしたことが思いつかないでいる。
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