異をとなえん |

羽生名人戦に敗れる

2012.06.15 Fri

20:45:37

羽生が名人戦で敗れた。
ファンとしては悲しい。

第6局目の2日目午前では、羽生が負けそうだという風評を聞いて見る気がなくなっていた。
けれども午後ニコニコで見てみると難しくなっている。
羽生の先手玉が詰みそうなのだが、はっきりした詰み筋が見えないと渡辺竜王が言っている。
詰み筋がなければ、むしろ先手有利ではないかと。
俄然観戦に気が入ってくる。
夕食休憩に入る。

羽生は夕食あけ竜王推奨の手を指さず、悪そうな手を指す。
その手を指すと何手か先に、渡辺竜王によると、後手には玉の尻から飛車を打つ、89飛というちょっとした手があって先手が負けるらしい。
どうも羽生はその手を見落とした気がする。
前の手での変化より先手は悪いみたいだけど、それでも難しくなる手を見逃して、一手ばったりの局面になってようやく気づいたみたいで89飛を回避する。
しかし既に時遅く、何手も立たずに投了する。

羽生の終盤力が衰えた。
最近そういう話を聞くのだが、もう何十年もファンであった身としてはさびしい。
年を取るとはこういうことなんだろう。
段々と見落としが多くなっていくのだ。

羽生の将棋はなんというか妙手体質で一発逆転を狙っている将棋だ。
一見すると悪いのだが、他の人には全然見えてないような妙手を指して勝つ。
だから幅広く局面を読み、普通の人だと悪いと判断して読むような局面もさらに掘り下げていく。
そして妙手を発見するとそこを読みの基盤として、作戦をくみ上げていく。
全盛時代そういう将棋でどんな形でも勝っていた。

ただ年を取ってポカも増えてきた。
形勢が良い局面では読み落としがあっても致命傷にはならないが、悪い局面では即致命傷になってしまう。
羽生が二日制の将棋であまり勝てない感じがするのは、あまりにも読みすぎて悪そうな局面に心魅かれてしまうからだ。
一日制や早指しの将棋では、あまり形勢の悪い局面を読む暇がない。
本筋だけ読んで指す。
それだから強い。

年を取ったのだから、もう少し読みを省略して戦う必要が出てきたのではないか。
常に相手の作戦範囲に飛び込んで戦うという横綱相撲も、もう限界ではないのか。
でも羽生が相手の作戦を外して戦うなんて、がっかりだ。

この名人戦の敗北でもう羽生は名人復位ができないような気がする。
なんというかファンとしては実にさびしい。
人間対コンピュータの戦いで最後の棋士として将棋を指し、他の人が負けたのに勝利する。
その人間最後のきらめきを期待していた。
でもそれはもうない。
最後の戦士は渡辺竜王に期待するしかないのか。
でも、渡辺竜王は竜王戦以外の棋戦で弱いから、なんか信用できない。

なんか、ただたださびしく思う。

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