異をとなえん |

消費税増税法案と政局の行方

2012.06.06 Wed

20:34:02

国会の会期末も近づき、消費税増税法案の結末もようやくはっきりしそうである。
前に野田総理の考えが読めないと書いたが、新聞などの論調では可決の見込みもあるみたいだ。
そこで消費税増税法案と政局の行方について考えてみた。

まず、消費税増税法案自体の賛成反対だが、全体の雰囲気としては増税やむなしという意見が多いと思う。
反対派も今は時期が悪いとか、税率を上げる前提として行政改革が必要というのがほとんどだ。
つまり、法案だけ考えると可決する可能性が高い。
しかし、税率を実際に上げるのは2014年4月に8%であり、2015年10月に10%だ。
本当に必要だとしても2013年に採決して十分間に合うはずだ。
それを今採決しようとしているのは、この法案が政局と密接に連動しているからに他ならない。
基本的には野田総理が歴史に名を残そうという一心で突き進んでいるのだろう。
でも、TPP反対派や原発再稼動反対派、民主党政権に飽き飽きした人たちも含めて、野田政権を打倒したい人は多くなっている。
消費税増税法案は野田総理が一身を賭している以上、野田政権反対派がまとまって反対する可能性が強い。
消費税増税法案が通らなければ辞任する可能性が高いからだ。
そういう点で消費税増税法案は政局の一大焦点になっている。

実際に通るかどうかなのだが、重要なのは自民党谷垣総裁の考えだ。
とにかく他の条件は全部譲っても税率を上げたいと考えているとは、到底思えない
税率を上げることを重視しているとしても、来年自民党が選挙に勝ってからでも間に合うからだ。
そうならないのが世の常とはいえ、譲る理由にはならない。
では社会保障の改革についての修正協議がどうなるかだが、自民党は民主党に自分の条件を全て飲ませようとしている。
そうなると民主党が妥協できるかはともかくとして、衆議院の採決では自民党は反対する可能性が強い。
衆議院で可決、参議院で否決、両院協議会で修正案をまとめるのが一番有利に進められるからだ。
小沢派が造反するならば、除名処分を受けさせて野田政権を弱体化させた方が修正協議で有利になる。

衆議院採決前に修正協議で同意が得られないならば、衆議院で可決するかどうかが怪しい。
小沢氏はすでに反対を明言している以上、反対票は投ぜざるを得ない。
支持があろうとなかろうと、政局や選挙がどうなろうと、あそこまで旗を掲げた以上引くのは政治家としてありえない。
選挙が怖いであろう小沢派の政治家たちはどうするか。
実のところ民主党の看板を背負って戦うより、消費税反対派で戦った方が選挙に勝つ可能性は高いのではないか。
どうやっても負ける可能性は高い気がするけれど、民主党・自民党が消費税増税派としてまとまった場合、反対派であるのはかなり有利に見える。
衆議院で可決したとしても、修正協議では自民党の条件を大幅に飲まされた後の最終法案に民主党の主流派は妥協できるのか。
解散総選挙になる危険性が非常に高いように見える。
そうなると最初から反対しておいた方がいいと考える人も多そうだ。
衆議院の可決も怪しい。

つまり衆議院で採決すると可決否決どうであれ解散総選挙への可能性がずっと高まる。
選挙をしたくない人にとっては採決しないのが一番安全だ。
輿石幹事長はその線で動いているように見える。
衆議院で採決しようとがんばったが力及ばずできなかった、と言えば弁解になる。
宮沢政権の時の政治改革法案で梶山幹事長が採決しないで終わらせたのと同じだ。
この場合不信任案は出るだろうけれども、それは否決しておけば解散にはならない。
野田総理が増税法案を採決しなかったならば解散することも理屈では考えられるけど、もしそんな勇気があるならばとっくに輿石幹事長を更迭しているだろう。

私の結論は増税法案は採決できない。
野田総理は解散できないので、民主党総裁選まで職に留まって、後任総裁が決まったら総辞職するしかないだろう。

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459 自民党は消費税増税法案に対して衆議院の採決で反対する

消費税増税法案が大詰めに来ている。 読売新聞を読んでいると、自民民主の修正協議が妥結して成立確実の情勢みたいな話なのだが、私にはそう思えない。 前にも書いたように、一波乱ありそうだ。 野田総理の完全な自民への抱きつき戦略で増税法案はある意味成立に向かっている。 自民党も自分たちの意見を丸呑みにされたら反対しづらい。 自民党政権の時、民主党は法案を丸呑みにされても反対している