異をとなえん |

グローバリゼーションの本質とは?

2012.03.10 Sat

20:39:42

グローバリゼーションの本質で記事を書こうとしてるのだが、ここ二三日全然進まない。
対象が巨大すぎて、把握するのが困難だからだろうか。
どこから手をつけようか迷い、書き出しては止まっている最中だ。
それでも、自分としてはなんとなくわかった気がするので、書いていかなくてはいけない。

一番書きたいのは、グローバリゼーションがどこに向かっていくかという話だ。
このアメリカ中心のグローバリゼーションがいつもでも続くか疑問を持っている。
続かないという結論を引き出すためには、そもそもなぜグローバリゼーションが世界の繁栄を生み出しているのかを語らねばならない。
それがグローバリゼーションの本質という話になる。
そして、日本がこのグローバリゼーションにどう立ち向かうかという話も書く必要がある。
それが一番重要な話かもしれない。

どう考えても1本の記事でまとまる話ではない気がする。
やはり、分割して一つ一つ書いていくしかない。
そうするとまずグローバリゼーションが世界の繁栄をもたらしている理由から書くしかない。

グローバリゼーションというのは、技術的、政治的な改革によって、世界経済が一つの経済圏として統一された現象だ。
技術的というのは、インターネットに代表される通信技術の発展によって、世界の人々が同時に同じ情報を見聞きすることができるようになったことだ。
物流の発展も著しい。
コンテナシステムの発達によって、膨大な生産物を安価に運搬できるようになった。
中国の安い労働賃金で生産された製品をアメリカに物流費をかけて輸出しても、十分に安価で発売できるようになったのだ。
情報技術の発達も、生産をリアルタイムにコントロールできるようにして、工場が移転していくことに役立った。

政治的な改革というのは、共産圏の崩壊だ。
ソ連の崩壊によって、社会主義が放棄され、閉じ込められていたソ連圏が世界に解放されるようになった。
残った共産主義国である中国も、経済体制としての共産主義をほぼ放棄し、市場経済に積極的に参加している。
さらに、他の発展途上国も共産主義に未来がないことを確信して、企業を国営化するような政策をやめるようになった。
これらによって、世界のほとんど全ての国で市場に基いた経済圏が統一的に成立した。

グローバリゼーションという、世界経済の統一が成立したことで何が起こっただろうか。
成立した世界経済圏の最大の特徴は、最下層がまだ極めて貧しいことだった。
労働者の上の階層と下の階層とでは極端に所得の差が開いている。
一つの国として世界経済圏が成立していたら、たぶんこんなに労働者の間での格差は開いていなかっただろう。
そして、最下層の労働者が多いことは、彼らの生活水準が向上することで膨大な需要が生まれることを示している。

統一された世界経済圏は技術と資本が既にあることで急激な発展を開始した。
それが近年の極めて高い経済成長にあらわれている。
一つの経済圏として見た場合、マルクスの言う資本の本源的蓄積過程にあたるといっていい。
マルクスは封建主義的な世界から人々が引き剥がされ、市場経済に移行することを本源的蓄積過程と呼んだが、現在の世界経済もそれと同じ過程だろう。
私としては、封建主義的な世界の引き剥がしにそれほど意味があるとは思えない。
技術革新によって、労働と交換に取得できる製品・サービスが十分に魅力的で、今消費するために金利を払うことをいとわないような状況では、同じことが言えると思う。
金利を払うことをいとわないほど労働者が渇望し、新製品の普及率がまだ低ければ、膨大な資金需要が生まれる。
同時に新製品を生産するための設備投資も必要だ。
資本の利益は極大化する。
つまり、資本家と労働者の格差はとてつもなく大きくなっていく。

統一された世界経済圏でもっとも進んでいる国はアメリカだった。
だから、巨大な資本がアメリカにあることで、その金融産業の支配者たちに富が集まった。
金融産業をサポートする、イギリス、香港、シンガポールの金融産業の人たちも富裕を極めるようになった。
また、世界をまたにかける多国籍製造業の経営者も成功していくことになる。
勃興期の特徴として、製品の差別化は進んでいない。
だから、同じような製品を大量に作ることが要請され、価格勝負となり、結果産業の寡占化が推進されていく。
アメリカの大企業が巨大化し、世界に覇をとなえることができるようになったのは、そのためだ。

だから、グローバリゼーションを全体としてとらえれば、経済の発展段階の一つとして、それほど変わったこともない現象だ。
しかし、グローバリゼーションは発展段階が不均衡な国々の中で起こった。
発展段階の違いによって、それらの国々の対応にはいろいろな違いが出ることになった。
次回はその違いについて説明したい。

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451 グローバリゼーションが格差を拡大させる - グローバリゼーションの本質とは?(その2)

グローバリゼーションの話を続ける。 国ごとに話をしようと思っていたが、理論的な話をもう少ししたい。 リカードの比較優位説によって、自由貿易は貿易する国々の富を増やすということが説明されている。 それと同時に、ヘクシャー=オーリン・モデルによる要素価格均等化定理によれば、賃金は同一化していく。 先進国は労働賃金が中国みたいな低賃金の国に引き寄せられていくのに、どうやって自由貿易