異をとなえん |

続・アメリカ経済復調の理由は?

2012.03.05 Mon

20:55:11

私の記事は具体性に欠けているのが弱点だ。
前回の記事では、数字が全然なかったので、おぎなってみた。

ググってみると、日経新聞10月9日の朝刊で太田康夫氏が不動産価格の損失額の計算をしていたらしい。
阿修羅の掲示板に載っていた。

米9兆ドル喪失の重み:米国の不動産価格下落問題:日経新聞

引用開始

けいざい解読:編集委員 太田 康夫[日経新聞10月9日朝刊P.3]

米9兆ドル喪失の重み

 米国の住宅価格がピークをつけたのは2006年半ば。高騰が激しかったカリフォルニア州の住宅
価格(米連邦住宅金融局調べ)はその後5年で46%下落。主要10都市を対象とするS&Pケース
・シラー住宅価格指数も約30%下げた。それに伴って、今年6月末の米家計の住宅資産額はピーク
比で6兆6000億ドル減って、16兆1000億ドルとなっている。
(中略)
 米国では商業用不動産価格も下がっている。非金融部門が抱えるその資産額はピークから2兆85
00億ドル減。住宅と合わせると、バブル崩壊で失われた不動産資産の合計額は5年で9兆4000
億ドル。邦貨換算で720兆円にのぼる。
引用終了

まず、太田氏の記事によると、2011年6月末でアメリカの失われた不動産資産額は約9兆4000億ドルだ。
内訳は、住宅資産の損失額は6兆6000億ドルで、商業用不動産の損失額は2兆8500億ドルになる。
それだけの資産が失われたということは、5%で運用されていたと仮定すると、年間4700億ドルの収入が減ったことになる。
それは同時に年間4700億ドル分の需要が失われたのと同じだ。

しかし、この値は現在時点の不動産価格を前提にしている。
不動産価格の低下はまだ止まっていない。
不動産担保証券に対して買い支えが入っていることを考えると、実際はもっと損失額が多いはずだ。
たとえば、アメリカの金融危機前の住宅資産の総額は22兆7000億ドルだけど、日本みたいに半額まで低下すれば、11兆7000億ドルが損失になる。
そうすると、まだ5兆1000億ドル分下がり足りないわけだ。
損失の総額も同じような比率で下がり足りないとすると、7兆2636億ドル下がり足りない。
結局推定損失総額は9兆4000億ドルたす7兆2636億ドルで、16兆6636億ドルだ。
やはり5%前提で計算すると、年間約8331億ドルの需要が失われなくてはおかしいことになる。

この需要喪失に対して、新規に起きた政府支出の拡大による需要はどれほどだろうか。
アメリカの財政赤字は下記のように推移している。
2008年度  4580億ドル
2009年度 1兆4100億ドル
2010年度 1兆2900億ドル
2011年度 1兆2990億ドル
金融危機前から大体1兆ドル赤字が増えているのだから、不動産価格の下落による需要の低下をほぼ打ち消している。
2008年度と2011年度を比較すると、8410億ドル赤字が増えているのだから、8331億ドルの需要低下を無効にしている。

物凄くアバウトな計算だけれども、アメリカ経済が復調している理由は政府の財政支出の拡大だと断言していいかもしれない。
前回の記事で書いたバブルの清算が終わっていないというのは、未来が未確定なので、あいまいなまま減らされる需要のことだった。
それを見込んだ分、政府は財政支出を増やしている。
アメリカ経済が復調している理由はこれでほぼ納得できることになる。

問題はやはり来年度から減らされる財政赤字だろう。
4000億ドル以上財政赤字を削減すると書いたが、これはなんか勘違いしていた。
ただ、アメリカNOW 第89号 2013年度予算教書と「ベースライン」 (安井明彦)を見るかぎりでは、それほど財政赤字は削減されていない。
どうやら、繰延べたみたいだ。

これほどの財政赤字を出し続けることが可能かという問題はあるが、アメリカ経済は現状維持を続けてもおかしくないように思える。

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