異をとなえん |

通貨を持つ意味

2012.02.21 Tue

21:00:21

ギリシャはユーロ圏に入って得をしているのだろうか?を書いてから、通貨を持つ利点について考えている。
明日書くで終わったけど、全然考えがまとまらない。
思考の道筋だけ書いておく。

なんかの雑誌で高知県は独自通貨を持てば発展する、という主張を読んだ。
なんか疑わしい。
でも、ヨーロッパの小国は極めて高い一人当りGDPをたたき出している。
これは独自通貨圏を持てば発展できることを意味しているのだろうか。

それと、都市の集積の利益の話がある。
リチャード・フロリダ氏や増田悦佐氏が主張する、大都市には集積の利益が存在するから、大都市に人や富が集中するという話だ。
この説に納得はできるのだが、それでは大都市と無縁だと思われるスウェーデン、フィンランド、アイルランドはなぜ一人当りGDPが高いのだろうか。

一つの理屈は制度的な穴を見つけているというものだ。
アイルランドはEUの他の国に比べて法定実効税率が低い。
他の国の法定実効税率は20%台なのに、アイルランドは12.5%だ。
EUの国なのに法人税が安いので、EUに進出したい企業がこぞって進出することで成長している。
ある意味ありえそうな話ではある。
でも、スウェーデンやフィンランドにはそんな話はきかない。
ノルウェーみたいに、資源が出るわけでもなさそうだ。
それでは発展している理由は何なのか。

単純に考えてみる。
二つの国がある。
一つは人口が多く、一つは人口が少ない。
二つの国は仲が良く、技術や資本の移動は自由にできる。
けれども、労働者は移動しない。
二つの国は通貨が別々で変動相場制を取っている。
このとき人口が少ない国の一人当りGDPが人口の多い国より低いとする。
そうすると、大体一人当りGDPと賃金は一致すると考えれば、賃金が低いということで輸出が盛んになるはずだ。
その後どういうルートをたどるかわからないが、最終的には賃金が一致する方向に進むはずだ。
つまり、一人当りGDPは一致することになる。
実際ヨーロッパの国々は大体GDPは同じくらいの所が多い。
東欧圏などは異っているが、それは今まで技術とか資本が自由に移動できなかったからだろう。
つまり、独自通貨圏だと、一人当りGDPは結果的に近づくわけだ。

それではギリシャみたいに独自通貨ではなくて、同じ通貨を使っている場合にはどうなるだろうか。
基本的には同じにみえる。
賃金が安い地域は他の地域に出荷する製品が増えるはずなので、雇用が増加し、それが最終的には賃金の増加に結びつく。
一人当りGDPが平均化することになる。

それではギリシャが現在ひどく苦しんでいるのは、技術資本等が流れこむ前に、一人当りGDPが並んでしまったからだろうか。
ギリシャ政府が国債による財政支出の拡大がなければ、一人当りGDPは低いままで、そうすれば輸出企業が進出して、輸出が伸びる形で経済は成長したのだろうか。
なんとなく納得できるのだけれど、そうすると通貨は関係ないという話になってしまう。

どうもよくわからない。
大都市の集積の利益の話にも関係しない。
一応、人口の少ない国は、一人当りGDPは他の国に並んでも、非貿易財のサービスが実質的に劣っているので実は損している、という仮説を考えている。
ただ、それと通貨の話がうまく結びつかない。
通貨ではなく、労働者の移動の容易さの方が重要なのだろうか。

なんか結論が出そうなのだが、どうもしっくりこない。

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