異をとなえん |

ギリシャはユーロ圏に入って得をしているのだろうか?

2012.02.16 Thu

20:53:09

ギリシャがユーロ圏に参入して得た利益とは何なのだろうか。
ギリシャはユーロに参入していなかったら、現在の困難には出会わなかったのだろうか。

ユーロ圏以外にも自国独自の通貨を使っていない国はいくつかある。
アメリカドルを通貨としてそのまま使っている、パナマ、エクアドル、エルサルバドルなどの国だ。
それらの国はなぜ独自通貨を使わないのだろうか。
それらの国がアメリカドルを使用している最大の利益は独自通貨に比べてアメリカドルの価値が相対的には安定していることだろう。
アメリカドルは長期的には安くなっているとはいえ、短期では十分に安定している。
政治が安定していない国では、通貨の発行をきちんと抑えることができず、政府が無制限に国債を発行し、それを中央銀行に引き受けさせて、インフレを招いてしまうことが多い。
その危険性がないだけでも、経済発展にはずっと安心のはずだ。

また、為替相場の急変という事態を免れる。
アジア通貨危機が典型だろうか。
資金が急激に自国に流れこむ。
あるいは逆に急激に流れだす。
どちらも、小国にとっては致命的になる現象だ。
その場合為替管理に頭を使うことになる。

変動相場なら自動的に調整するから関係ないとはいっても、実際に起これば経済は急変する。
国が止められるならば、止めた方がいい。
ドルをそのまま通貨として採用すれば、相場が急変する自体はなくなる。
それ自体が安心材料だ。

問題はなんだろう。
一つは国内で流通するドルをどうやって調達するかという問題がある。
アメリカに輸出することでドルを稼ぐしかないが、これはその国にとって損な取引といえる。
自分たちで通貨を管理できないから仕方がないとはいえ、アメリカに対して金を貸す形になるのは貧乏国としては辛い。

ギリシャにはその損はない。
ギリシャはユーロ圏に参加することによって、無条件に国内で流通する分のユーロを手にいれることができたはずだ。
それから、新規に通貨を発行する場合にECB(ヨーロッパ中央銀行)には通貨発行益が生じる。
通貨発行益というのは、無から通貨を作り出すことで手に入る利子のことだ。
それをたぶん、ギリシャは割り当てられた分だけECBから分配されるはずだ。
実際にはどう配分しているかわからないが、基本EUの仕組みはドイツから金が出ていって、フランスがとんとんで、それ以外の国は金をもらうことになっている。
だから、少なくともギリシャはアメリカ以外の国でドルを通貨として採用している国よりはずっと恵まれている。

その他にもギリシャにとって得な点はなんだろうか。
アメリカ以外の国でドルを通貨として採用している国は、アメリカに依存してしまう危険がある。
アメリカが確信犯として、ドルを大量に発行した場合、その通貨を採用している国はアメリカからただで搾取されることになる。
もっとも、これはその国がアメリカが無視できないほどの経済力を持った国の場合で、実際は小さいからそれほど影響はない。
ギリシャの場合は無限に発行すれば、ECBを通じてギリシャに還元されるのだから、これも得だといえよう。

それではギリシャが独自通貨を持つ利点はなんなのだろうか。
たぶん、一番先に出てくるのは独自の金融政策を取れるということなのだろう。
それだけかもしれないが。
金融政策は当然全体の流れを考慮して実行されるから、全体とギリシャの経済状態が違えばギリシャが好景気なのに金融緩和されたり、ギリシャが不景気なのに金融引き締めをされることがある。
これは問題ではないのか。

なんか難しい。
結論が出ないので明日に続く。

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443 通貨を持つ意味

ギリシャはユーロ圏に入って得をしているのだろうか?を書いてから、通貨を持つ利点について考えている。 明日書くで終わったけど、全然考えがまとまらない。 思考の道筋だけ書いておく。 なんかの雑誌で高知県は独自通貨を持てば発展する、という主張を読んだ。 なんか疑わしい。 でも、ヨーロッパの小国は極めて高い一人当りGDPをたたき出している。 これは独自通貨圏を持てば発展できること