異をとなえん |

最適通貨圏の意味がわからない

2012.02.08 Wed

20:46:58

ギリシャが相変わらず、デフォルトするとかユーロ離脱するとかでごたごたしている。
前に書いた通り、私にはギリシャがデフォルトしたらユーロ離脱する、という理屈がわからない。
ギリシャがデフォルトしても、ユーロを離脱しない。
それで何がまずいのだろう。

つまり最適通貨圏の話がよくわからないのだな。
通貨を統一した国々は財政を統合する必要があるという話だ。
なぜそんなことをする必要があるというのだろう。

大昔というか、それほど昔でもなく、通貨の本質が金とか銀とかいう物である時代があった。
紙幣はかなり早くから発行されたが、多くの場合、金などと兌換できる建前だった。
そういう時代は政府が巨大な赤字を作ってしまえば、返せなくなる。
政府のデフォルトなど珍しくない時代だった。
今のユーロ圏はそういう状況なだけではないだろうか。
それがまずいという話なのだろうか。

たとえば、通貨を自由に発行できないと大恐慌の再来がくる、という話はある。
銀行の流動性危機に対して、通貨が自由に発行できなければ、預金の引き下ろしに対応できないわけだ。
でも、こういう事態はユーロ圏で起きているか。
銀行の流動性危機に対してはECBが資金を供給している。
つまり、銀行は突発的には潰れない。
ECBが無制限に資金を供給しても、銀行は債務超過などになっていれば破綻する。
その場合は銀行を清算すればいい。

だとすると、財政が統一していないで起こる問題は国が破産するだけだ。
これの何が問題なのだろう。
そもそもは破産しそうな国に対して、山ほど国債を購入していた人間が一番悪い。
そんな人間には罰を与えられて、しかるべきだ。

もちろん、政府や中央銀行が独自の通貨発行権を持っているならば、デフォルトすることはない。
でも、これは本当にうれしいことなのか。
政府がこしらえた借金を返せなくなって、紙幣を刷るというのは、その通貨の保持者から金を盗んでいるのと同じだ。
そんなことをしていれば、誰もそんな通貨を使わなくなってしまう。
通貨の信用がなくなるというのは、他の何よりも経済の成長に悪影響を及ぼす。
自分の立っている土台が揺らいでいては、未来に自信を持てなくなってくる。
実際にハイパーインフレを起こしているような国はたいてい経済は成長していない。
ブラジルなどのような高インフレ国の経済はずっと不振だった。
経済は高インフレが治まって正常な状態になって成長するようになった。

ギリシャはユーロ圏に参入することによって、ユーロという固い土台の上に経済の基盤を置くことができた。
これは経済の成長にとって極めていい条件のはずだ。
残念なことに、金融機関はギリシャに安い利率で山ほど金を貸してしまった。
貸し出しさえしなければ、ギリシャ政府は緊縮財政を取らざるを得ず、自然と健全な経済になっていったはずだ。
金がなければ年金の大盤振る舞いはできなかっただろうし、年金が安ければ国民は長く働かざるを得ず、賃金も安いままで輸出産業に優位だったはずだ。
残念ながら、そうはならなかった。

けれどもいまからでもやり直しはできる。
為替レート引下げなどという手段を使えないから、賃金は簡単には下がらない。
資産をユーロ建てで持っているので、この金を使えば失業状態でもかなりの期間持つ。
けれども、時間がたてば失業状態のままでは暮せない。
いずれ働きに出て、前より安い賃金で働くことになるだろう。
これは健全な経済の復調ではないか。
結局通貨が統一していて、財政が統合されていないと困るという状況がよくわからない。

そんなわけで、私には最適通貨圏の意味が理解できないでいる。

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