異をとなえん |

日本語論の難しさ

2011.10.18 Tue

20:48:20

中国関係で本を出している津上氏のブログで少し面白い日本人論があったのでリンクしておく。

森有正の「日本語・日本人」論(学習ノート)

長編で、かつ最初は哲学的なので、ざっと見しかしていない。

言語が思考を規定するというのは正しいだろうけど、具体的に意味のあることを言えるかは難しい。
自然言語である以上、たいていのことは同じように言えるはずだ。
長い年月をかけて組み立てられた自然言語の中核は、どんな言語でも大きく違うことはできないように思える。
前にも書いたが、違いが出てくるのはここ2000年ぐらいに導入された数値表現と文字ぐらいではないだろうか。
それ以外については、はっきりしたことが言えるかどうか、かなり疑いを持っている。

たとえば、日本語の語順が欧米語と違うのは、相手との関係に応じてニュアンスを変更しやすいからというのはどうかと思う。
言語の語順は欧米型と日本型に大きく分かれていて動詞が最後にくる言語は山ほどある。
それらの言語が日本のように相手との関係を重視しているかというとかなり疑問である。
朝鮮語も日本語と同じ語順だが、日本と韓国との対比した論述を読むと、韓国の方が欧米に近いという意見の方が多いように感じる。

結論がはっきりしないという日本人独特の特性は他の国にもある。
日本人が外国に行ってあいまいに答えられて困ったという感想をよく読むからだ。
つまり、はっきりと答えにくい問題に対しては、言語と関係なくあいまいに表現してしまうのは、よくあることではないだろうか。
ノーと言うのをオブラートに包むのは、言語表現の一つであって大きく日本人論に発展させるのは難しい。

人の意見に文句を言うのは簡単だけれど、自分なりの日本人論を書こうと思っている以上、論理性などについて言語の示唆が得られるのは役立った。

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