異をとなえん |

自動車産業は中国の救世主たりえない - なぜ中国のバブル崩壊は今なのか?(その2)

2011.10.15 Sat

01:23:00

中国の自動車販売が低迷している。

9月の中国乗用車販売は前年比+8.8%、年末にかけ緩やかな回復持続へ

前年比+8.8%だと悪くない数字に見えるが、実際には「2年連続で急拡大した中国の乗用車販売は、今年に入り鈍化している」だ。
実際、グラフで見るとはっきりするが、2009年は高成長、2010年は現状維持、そして2011年はどちらかというと販売減少だ。
年末に向けて販売が増加するという傾向があるから、9月は少し伸びているだけのように見える。
でも、中国の自動車市場はまさにこれから急成長していく段階だったはずだ。
中国の人口規模がアメリカの四倍、日本の十倍であることを考えると、普通で5000万台売れたっておかしくない。
高度成長期ならピーク時にはその上をいくはずだ。
それなのに、月によって販売台数が上下するなど、1300万台ぐらいで自動車市場が飽和している。
日本の高度成長期は、1965年に187万台で、毎年頭一桁の値が1ずつ増えていくような感じで自動車生産は伸びていった。
アメリカも日本も、自動車生産が経済の成長を加速させたことを考えると中国はなにか違う。

中国のバブル崩壊が避けられないのは、中国の生産性上昇を外資系輸出企業だけが担っているからと私は理由づけた。
けれども、外資系輸出企業の進出が止まり、生産性が上昇しなくなったとしても、他の企業の生産性が上昇すれば、中国の経済成長を維持することは可能ではないだろうか。
その最大の候補が自動車産業だ。
輸出産業ではなく、中国国内市場で成長している。
日本企業も含めた外資系との合弁企業が生産しているのだから、それなりの技術力向上は期待できるはずだ。
自動車産業の裾野が広いことを考えると、部品の輸入代替化が進めば着実に中国を成長させることができる。

でも、そうなっていない。
つまり中国の自動車産業はアメリカや日本の自動車産業と少し違うのだ。
考えてみると中国の自動車市場は2009年着実に原油代が上昇しているなかで成長していた。
高度成長期だったからという理由はつくけれど、アメリカや日本で自動車産業が発達しているときよりずっとガソリン代が高いだろうに、なぜ普通に成長できたのだろう。
今成長が鈍化したのは、原油価格上昇の影響が効いてきたのだろうか。

答えは、中国の自動車が奢侈品ということにある。

中国自動車産業を読み解く(6) - 表層からは覗えない、中国エコカー開発の実情

引用開始

中国の消費者が車を購入するとき、購入者は見栄えのする車のなかから自らのサイフの大きさに見合ったものを選ぶのだという。そのため、内陸部では見栄えはするが手頃な価格の車が、沿岸部では高級なステータスを感じさせる車がよく売れているのだ。
引用終了

通勤とか商品運搬用のための自動車というよりも、他人に見せびらかすための役割が大きい。
だから、ガソリン代など気にせず買っている。
しかし、奢侈品として自動車が売れているならば、その売行きはバブルに依存する。
バブルが崩壊すれば、その売行きも落ちるしかない。
今自動車の売行きが落ちているのはまさに、その現れに見える。

結局、中国の自動車が奢侈品ならば、バブル崩壊とともに生産量が落ち、生産性の向上はままならなくなる。
自動車産業は中国の救世主たりえない。

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