異をとなえん |

続:重商主義は「トンでも論」か?

2011.09.24 Sat

22:15:10

前回の記事に菅原さんからコメントをいただきました。
反論が長くなりそうなので記事にしています。

>が頭につく行は菅原さんからのコメントです。
>>が頭につく行は菅原さんが引用した私の記事です。

> 早速取り上げてもらってありがとうございます。

こちらこそ、ありがとうございます。
トラックバックで反論などを書いても、あまり意見をもらえないので、真面目な反論をいただけるとうれしいです。

>>重商主義は「トンでも論」というより、ほとんどの場合正しい。

> 本文中で解説したように、重商主義=海外資産積み上げ至上主義のことです。どんんなに海外資産を積み上げても、国内には回りません。

私の主張している重商主義というのは、アジア金融危機のときの韓国のような事態をさけるために、基本的に債務国は借金返済=経常収支黒字を目指すべきだという意見です。
ですから、海外資産積み上げ至上主義という意見が、純債権国が経常収支黒字を目指すことを意味しているのでしたら、私の意見の対象外です。

菅原さんの意見は、どんな状況でも経常収支黒字、または貿易収支黒字を目指す政策は間違いだという意見なのでしょうか?
今のギリシャみたいな国は、とりあえず経常収支黒字を目指す政策が必要だと思うのですが。

> スペイン・イタリア・ポルトガルが大変になりつつあるのは、「資本」問題です。要するに、カネを海外から借りようが、国内でまかなおうが、「資本=信用のこと」ですから、信用がなくなれば、カネは逃げます。

金貸しが借りた人間を信用するかしないかは、利子をきちんと返すかどうかによるのではないでしょうか。
金を借りているのが国の場合、経常収支黒字=貿易収支黒字によって、債務を着実に返済するのが信用を保つことだと思います。
つまり、信用を守る=経常収支黒字を目指す=重商主義だと思うのですが、違いますでしょうか。

> ギリシャも含め、これらの国が問題を抱えつつあるのは、固定相場制(ユーロ)だからです。

これは固定相場制の場合、経常収支黒字を目指す=重商主義は正しいという意見に見えてしまうのですが、そう解釈してよろしいですか?

> 例のトリレンマ論です。この3つは同時に達成できません。

> ^拌悒譟璽箸琉堕(固定相場)
> ⊆由な資本移動
> 6睛酸策の独立

> ユーロ圏は、を放棄し、.罅璽躙把蠅鉢∋駛椣榮阿亮由化を選択しました。

> 本来であれば、危機なら、,鮗里(固定相場をあきらめる)、を回復し、金融緩和をすれば、その国のレートは減価し(例えばギリシャのドラクマが1/10になる=債務も1/10になる)で、解決です。
> 減価するので、輸出力は回復してきます。

本来とあればといっても、すでにギリシャやユーロ加入国にとって固定相場制は当然の前提で、今さらのような話が。

>> 典型的なケースが1997年ごろのアジアの経済危機だ。
>> タイ、インドネシア、韓国のように経常収支を赤字にして、経済成長のために全速で走っていた国は投機資本による攻撃に弱かった。
>> 資本が急に逃げ出すと短期の資金繰りがつかなくなり、結局IMFによる救済に持ち込まれた。

> 「固定相場制」だから、そうならざるを得ないというだけのことです。変動相場制なら、上記のようにはなりません。

> 「デフォルト 債務不履行 アジア金融危機」は、「固定相場」だから、起きるのです。

韓国の為替相場はこの当時、「第 1 章韓国外為市場の概要 1. 韓国の為替制度の変遷韓国の外為制度」を見ると、実質的な「ドル・ペッグ制」と評されています。
ただ、1日の変動幅は2.25%と大きいですし、上限下限も決まっていないのだから、それほど変動相場制と違っているか疑問です。
今の韓国の為替相場は変動相場制ですが、実質的にある程度のレートにおさめようと気をつかっていることを考えると、それほど変わっていないです。

固定であろうと変動であろうと、民間企業が為替レートの範囲を安易に仮定して外貨建てで借金している場合、投機によって大きくレートが変動したら、やはり危機におちいるのではないでしょうか。
民間企業がバカだから自己責任などと言っても、それで国民経済が大きく混乱すればその責任を政府が持つしかないでしょう。
韓国はIMF管理によって危機を脱しましたが、その時点で大幅な損失を出しました。
これ事態を避けるのが国の責任ではなかったかと思います。
具体的には、国際収支が赤字に近づいた時点で引き締め政策に転換すべきだったでしょう。

現在、多くの国が実質的なドルペッグ制をしいています。
為替変動の負担を民間企業に負わすのが大変だからでしょう。
だから、アジア通貨危機以後、アジアの政府が責任を持って経常収支黒字=外貨準備増=重商主義政策を実施しているのは正しい政策ではないでしょうか?

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コメント

275 貿易黒字は不況で増える

 重商主義を定義変更するのはちょっと・・・

 どんな国でも間違いです。それは200年も前に否定された事実です。大切なのは、GDPであって、貿易黒字・経常黒字ではありません。経常黒字は1円もなくて構いません。輸出額=輸入額で均衡したら、外貨不足も生じません。

経常収支黒字を目指すのは良いのですが、これは人為的に達成できるものではなく、ISバランスにより、必然的に決まります。ねらってできるものではないのです。

 ねらう=為替を切り下げる?ですか?輸入増=輸出増ですが。

 そもそも、貿易黒字は、「不況で増える」のです。黒字のために「不況にする」のですか?ばかばかしくてお話になりませんが。

 また、輸出増=輸入増なので、輸出を伸ばし輸入を抑えるのは、原理的にできません。


>韓国の為替相場はこの当時、「第 1 章韓国外為市場の概要 1. 韓国の為替制度の変遷韓国の外為制度」を見ると、実質的な「ドル・ペッグ制」と評されています。

 これは実質的な固定相場採用のことです。

 固定相場=固定ですので、ショックを吸収できないシステムです。だから、変動相場で、ショックを吸収します。

 人為的に貿易黒字=資本赤字を目指すなら、「不況」にしましょうと言うことです。だから、トンデモ論なのです。

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