異をとなえん |

はっきりない世界経済の状況

2011.07.15 Fri

05:44:29

世界の経済の先行きは、はっきりしない状況が続いている。
欧州はギリシャのデフォルト懸念が深刻化しつつある。
PIGSと呼ばれた、ポルトガル、アイスランド、ギリシャはEUに救援を要請し、最後の1国であるスペインも国債金利は上昇しつつある。
そして、PIGSの次に危ないとされてきたイタリアもスペインの後を追うように国債金利が上昇し始めた。
なんというか実に危ない感じである。

アメリカは国債の上限法案が通らない危険性から不安が増している。
そして、もっと重要な景気も雇用が伸びることなく、失業率は9.2%と悪化した。

中国も景気が減速しているという声がたかまっている。
バブル崩壊論は昔から出ているが、実際に中国と取引している企業から、少し減速しているのではないかという声が出始めた。

そんなわけで、景気の先行きは不透明になりつつあるのだけれど、それでもどうなるかを少し考えてみた。

まず、一番危険なのはEUである。
アメリカは国債の上限法案が通らない危険性はまずない。
ぎりぎりになれば、さすがに妥協する。
景気自体ははっきりしなくても、財政支出さえ続けば、底が抜けた景気の悪化はないだろう。
中国も先は見えないが、とにかく景気が本当に悪化すれば、公共投資は打てる。
他の民主主義国みたいに本当に意味のある投資かを問う声はないのだから、なんとでもなる。
最悪の場合、軍事費を大幅に増やすという選択肢もあるだろう。

そんなわけで一番危いのはEUである。
特に最終的に需要が喪失した場合、政府が財政を拡大する余地がないのが痛い。
下手をするとEUに端を発っした世界恐慌もありうる。

EUのユーロ通貨システムは、各国の政府の財政にタガをはめている。
リーマンショックに始まった金融危機の場合、各国政府は無条件に財政支出を拡大して経済危機の克服につとめた。
なんとか、経済危機は収まったが、各国に巨大な財政赤字を残した。
ソブリンリスクが大問題になっているいま、財政支出の拡大を許す雰囲気はない。
ギリシャがデフォルトを起こした場合、間違いなく流動性の危機が生じるだろう。
スペイン、イタリアの救援要請、資本不足に落ちいった銀行への対応と、必要な資金は膨大だ。
けれども、各国政府の財布には限度がある。
いったい、どうするか。

結局、EU全体で共通債を発行する形での救済しかないと思う。
ドイツはインフレの原因として反対するだろうけれど、イタリアが救援を求めるような形になれば、そうも言ってられない。
どこの国も直接負担をかぶることができないならば、共通債を発行して対処するしかない。
その負担をどう分配するかは、いろいろもめるだろうけれど、EU共通の財源を作りだすのが一つの解決法だ。
EUの共通債ならば、ECBがおおっぴらに買い支えることができる。
だから、永遠に繰替えることができるので、当面の問題はない。

欧州が底を抜ける危険に耐えられれば、世界のどこの国も底が抜ける恐慌を回避しつつ、バブル崩壊後の日本のような経済状態になるというのが私の予想である。
つまり、かんべえの不規則発言の2011年07月13日に書かれているような事態だ。

引用開始

○だったら米国と欧州はどうなるかというと、そんなに良くはならないだろうけれども、一気に悪化することも考えにくい。要は一進一退といったことになるのだろうと思います。大きなバブル崩壊後の景気回復過程においては、得てしてそういうことが起きるものです。この辺は日本の1990年代の経験が役に立ちますよね。つまり良くなったからといって油断しちゃいけない、良くならないからといってあきらめてもいけない。利上げや財政再建も、焦らずにやっていくのが吉というものです。
引用終了

底が抜ける危険は30%ぐらいありそうな気もするけれど、残り70%はちょっと悪い状態が続くと思っている。

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら