異をとなえん |

金融業のイメージ

2011.07.08 Fri

08:25:13

さらに、昨日の続きで、ちきりんさんの「金融業なんてむいてないし、東証も要らない。」という記事を批判する。

引用開始

(4)スピードが大事

金融は意思決定のスピードが生死を分けます。「熟考が大事」とか「重箱の隅まで全部、証明されないと信じない」とか「石の上にも3年」な文化には合わないです。
引用終了

そうなのだろうか。
銀行が一つの有望な企業を見つけて将来にわたって支援する場合、企業の将来性も含めて、徹底的に調査するのが普通のような気がする。
そして、融資で損失を出さないようにすることが重要であって、時間がかかるかどうかは二の次だろう。

おとといから含めて、金融業に日本が似合わない理由をいろいろ検討してくると、金融業のイメージが異なっていることに気づいた。
実際、下記の引用のようにちきりんさんは金融業を分けて考えている。

引用開始

郵便貯金みたいな、「預けて利子がついてもどってくる」とか、「借りて、利子払って返す」みたいな超シンプルなものだけ残しとけばいいです。ホールセールとか全部やめたほうがいい。
引用終了

ホールセールの具体的な内容がイメージできないが、複雑な為替オプション取引みたいな物だったら確かにやめた方がいいと思う。
最近為替オプション取引がらみで莫大な損失を出した企業が多く出ている。
説明を読んでもよくわからない取引が多いのだが、予想を越えた円高で損が膨らんだらしい。
いかに砂糖をまぶして、甘くしてあっても、しょせん円高円安の丁半博打だ。
買うほうも買うほうだが、売るほうも売るほうである。
為替取引なんて基本、どちらかが得をし、どちらかが損をするしかないゼロサムゲームだ。
そこに金融機関が手数料を取るわけだがら、ほぼ確実に負ける。
そんな商品を売りつけるのは、自分の取引相手を減らしていくことでしかない。

結局、私の持つ金融業のイメージとちきりんさんの持つ金融業のイメージが違うだけかもしれない。
私の持つ金融業のイメージは郵便貯金みたいな簡単なものだし、ちきりんさんの持つ金融業のイメージはたぶんオプションのいっぱいついた複雑な金融商品を開発販売するようなものだろう。
そうすると、「金融業は日本人には向いてないからやめたほうがいい」という考えは一致しているわけだ。

ただ、そうすると論旨の流れとして、東京証券取引所を廃止しろという意見は間違っている。
話の流れからすると、「金融業は日本人には向いてないからやめたほうがいい」から、金融業である東京証券取引所を廃止しろという結論がでてくる。
しかし、最初の金融業のくくりで郵便貯金みたいな簡単なものは外していた。
証券取引所というのも郵便貯金みたいな簡単な金融業だ。
単純に企業の株の売買をしているだけだ。
難しいところなんてありゃあしない。

実際に日本が金融業に向いていない理由を、東京証券取引所にあてはめてみよう。
リスクを取るのが嫌い。
東証はリスクなんか取っていない。
英語が苦手。
東証で英語を使うのが必要な業務があるのか。
ロジックも苦手。
単に売りと買いをつきあわせるだけで、ロジックというようなものはない。
スピードが大事。
取引スピードは大事だけど、意思決定する必要がない。
金融は専門知識がすべて。
東証に専門知識って、いるの。
お金が汚いものだと思ってる。
お金が汚いものだと思っても、東証は全然困らないような気がする。

つまり、東証は金融業に向いていなくても、商売はやっていける。
私設取引システムが最近盛んになっていて、東証と競合していると聞くが、それは別の話だろう。

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