異をとなえん |

続:貿易収支の黒字はなくなるか?

2011.06.28 Tue

01:48:28

前回の記事では原発事故による経費の上昇はあまりないとした。
今日ニュースを見ると、いきなり18%価格が上昇するとか出ている。

引用開始

原発の再稼働が遅れている。運転停止が長引けば電気料金が来年度にも18%上昇する
引用終了

根拠をいきなり否定されてしまったが、この問題については後で生産性の上昇と関連付けて、別途検討したい。

貿易収支は生産量と消費量の差によって決まるとした。
生産量は今回の東日本大震災のような自然災害や、戦争などによって急激に減少することがありえる。
ただ今回の地震は千年に一度と言われる。
そんな地震がたびたびあるとは思えないことを考えると、この点からの貿易収支黒字減少はあまり起こらない。

もう一つ考えられる生産量の減少は、輸出先の需要が急になくなってしまうことである。
リーマンショックによる金融危機のときは、輸出先での需要がいきなり消失し、日本の貿易収支は急激に赤字になった。
この状況は世界の経済自体が二番底の不安におびえていることを考えると、今後もありうる。
日本が赤字になったのは、日本が原材料を輸入し、加工製品を輸出しているからでもある。
需要が急に消失した場合、日本の輸出が減るのが先で、その後原材料となる輸入が減ることになる。
だから、一時的に貿易赤字が発生した。
そのズレがなくなれば、貿易収支は黒字になる可能性が高い。
不況から海外の需要が0に近くなることを想定したとしても、永遠に0のわけがない。
需要の消失が資金繰りの問題ならば、日本が金を貸すことは可能なはずだ。
これは結局日本の貿易収支を黒字にすることだろう。

貿易収支が赤字になる要因としては、消費量が増えることも考えられる。
実のところ日本が赤字になるとしたら、一番可能性があるのはこれだと思う。
バブルのころのように景気が良くなったと人々が思えば、消費量が急増する。
ここで重要なのは、今の生産量を上回って消費するのだから、景気はとてもいいということだ。
私は貿易収支の黒字基調は変わらないと予測したが、これは日本の景気がよくならないままであることを前提にしたものだ。
景気がよくなっての赤字はありうるし、それは問題ではない。

それでは、日本が高齢化することによって貿易収支が赤字になる予測はどうだろうか。
高齢化することで生産年齢人口が減少し、生産量が減少して消費量を下回り赤字になる。
この予測は難しい。
生産性が上昇すれば労働力が減少したとしても生産量は減らない。
また、生産性に応じて消費量も変わるはずだ。
たくさん生産する。
給料が上がる。
消費金額が増えるという、ループも十分に考えられる。

ここでは生産性が変わらないとして、どうなるか考えてみよう。
生産性が変わらなければ、段々と生産量が減っていき、貿易赤字になる可能性は高い。
しかし、今の日本では労働力は余っている。
失業率は5%前後だけれど、通常の日本としては大きい。
労働人口減少の結果、生産量が減るといっても、その前に完全雇用状態に近づくはずだ。
普通に考えれば、賃金が上昇し、消費が増えて、景気がよくなってゆく。
もちろん、生産性が上昇しなければ限界にぶつかるだろう。
それでも、貿易黒字がなくなる前に景気が非常によくなるはずだ。

日本の貿易収支がずっと黒字なのは、国内の名目消費金額が減少を続ける苦しい需要のせいだ。
国内で使い切れない分が海外に輸出されてしまう。
生産量を国内で消費し切れるほど需要が増えるならば、それは望ましい変化だ。

日本の一人当り生産性は上昇し続けている。
完全雇用状態でフルの生産能力を発揮できるならば、それら全てを消費することは難しい。
そういう意味で日本の貿易収支の黒字基調の変換点はまだ先のように見える。
赤字になったとしても、それは望ましい変化なのだから、怖がることはない。

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