異をとなえん |

将棋というゲームの死 - 名人戦羽生対森内

2011.06.23 Thu

04:57:47

羽生が森内に負けて名人を奪われる。
最近流行の3連敗の後の4連勝かと思ったが、そうはならなかった。

羽生は振り駒で後手番となり、横歩取りに誘導する。
羽生らしい手が随所に見られる、手の広い難しい将棋にしているのだが勝てなかった。
羽生自体はインタビューでミスが多かったと言っているのだが、どうだったのだろう。
見た目には難しいのだが、ずっと先番の利を維持できていたようにも思える。
そうすると、振り駒で後手を引いたのがたたったのか。

最近将棋で3連敗4連勝が続けて出たのは、先番優位がかなり定まってきたからではないだろうか。
先番の勝率が高くなると、7番勝負のタイトル戦では、1局目と3局目は先番の方が当然のように勝つ。
2局目の後手番を運良く勝ったならば3連勝が達成できる。
3連敗した側も、4局目と6局目の先番は勝つ可能性が高い。
だから5局目の後手番を運よく勝てたならば、3連敗3連勝がありうることになる。

確率計算しようと思うのだが、解けない。
宿題にしておこう。
先番の勝率が高くなれば、少なくとも最終局までもつれこむ確率は高くなっているはずだ。
先番勝率10割なら100%最終局までいく理屈だからだ。
最終局まで行く率が高くなっているならば、3連敗3連勝の確率も高くなる。
だから、最近3連敗3連勝のタイトル戦がたくさん出てきている。

羽生は二日制のタイトル戦の勝率が他の棋戦より悪い。
名人竜王のタイトルの座を防衛し続けることができない。
これは、将棋の研究が進んで先番のわずかな利を最後まで維持することが可能になってきたからだ。
二日制のタイトル戦だと時間がたっぷりある。
羽生が局面を難しくしても、時間があれば、最善手を見つけだされてしまう。
そのため、羽生は二日制に弱くなる。
一日制だと時間がなくて、途中で羽生に逆転される可能性が高くなる。

その理屈だと、他の二日制に強い棋士はどうしてなのかという疑問が出てくる。
渡辺明は竜王戦だとなぜ強いのか。
簡単な理屈は勝負棋戦を絞っていることだ。
将棋の研究が重要になっているので、勝つ可能性の高い新手を竜王戦のみに取っておく。
渡辺竜王が竜王以外のタイトルを取っていないのは、そういうことだろう。
他の棋士も多かれ少なかれ、ある特定のタイトルに絞って活躍していることが多い。
研究重視と縁かつぎから、そんな風になるのだろう。

羽生は特定のタイトルというより、全タイトル制覇を目指しているといっていい。
そのため、どんな将棋でも全力を注ぐ。
羽生と棋力がほぼ互角な棋士であれば、どちらも先番を勝つ可能性が高くなる。
単純な棋力では羽生の方が強くとも、二日制で研究が最重要になれば、その利点をほぼ消せるということだ。
そうすると最終局の振り駒が勝負になるが、最近羽生はこれに弱い。
昔、七冠王を取ったころは最終局の先番はことごとく羽生だったのだが、最近は後手番が多いらしい。
ブログで記録を見たのだが、見つけられなくなってしまった。
伝聞形にしておく。
その結果、羽生は二日制のタイトルに弱いことになる。

最近完全に同じ棋譜の将棋が現われた。

参照:同一棋譜局が発生 - 日々の感想

序盤研究が進むことで互角じゃないと判断された局面は指されなくなる。
そうすると、あるところまでは互角と判断された将棋をなぞるしかない。
それが煮つまりつつある。
将棋というゲームは先番有利がほぼ確定である以上、どう変化しようとも先番が勝つ話になってしまうのかもしれない。
将棋というゲームのある意味死だ。
羽生ファンは羽生が負けると、将棋というゲームの存在自体を否定し始める、そんなメランコリーな気分だ。
将棋のゲームの未来がどうあろうとも、テレビ将棋の最後の寄せ合いが一番面白いという人には関係ない話であるのだけれど。

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