異をとなえん |

続:ギリシャ危機の行方は?

2011.06.18 Sat

04:52:27

昨日の記事では、ギリシャがデフォルト寸前なのに、ギリシャ国民は空気を読まずにデモをやっているところで終わっていた。

こういう話を聞いていると、日本の不良債権の話を思いだす。
日本の不良債権もいつまでもきちんと片付けないということで、欧米からの批判をあびていた。
ギリシャの国債のデフォルト危機も、なかなか根本的な解決は難しい感じだ。

** 企業の不良債権処理として

日本の不良債権処理に時間がかかったのは、一つに土地の価格が戻るのではないかという希望があったことだ。
もう一つは、不良債権の企業が立ちなおって、借金を返済できるようになる可能性にかけていたことだ。
実際、バブル崩壊から土地の価格がずっと下落していたころ、実質的に債務超過の企業はたくさんあったのではないだろうか。
だから、銀行は不良債権処理を急には進められなかった。
一つ企業の処理をすると、土地を売却せざるを得ず、土地価格の下落が表面化してしまう。
それは近くに土地を持っている企業の危機に簡単につながってしまう。
連鎖反応で他の企業も倒産する可能性を考えると、とにかく時間をかけて処理するのが日本の基本方針だった。

ギリシャのデフォルト騒ぎも似ている気がする。
ギリシャを企業として考えると、一番大事なのは長期的に見てちゃんと利益を上げる会社になれるかどうかだ。
ギリシャの場合だったら、貿易サービス収支が黒字なことだ。
貿易サービス収支が黒字で借金が適正な利子だったら、時間をかければ返済することは可能だ。

問題はまずギリシャの貿易サービス収支の黒字化の可能性だ。
ギリシャの国債の返却可能性と貿易サービス収支の黒字化の可能性は微妙に違うだろうが、大体同じとみてよい。
黒字にならなければ、借金をどんなに繰延べしたってデフォルトを止めることはできない。
ギリシャが一企業ではなく国家である以上、成長可能性はいくらでもある。
けれども、ギリシャ国民が危機意識を持ってくれなければ、絵に描いたもちに過ぎない。
ギリシャ国民が財政の緊縮に文句を言っているのは、貧富の格差など一般国民には平等に扱われていないという不満の蓄積が激しいからだろう。
ギリシャ国民が一致団結できなければ、国を立てなおすことなどできない。

それではデフォルト必死だということで、国債の返済などやめた方がいいのだろうか。
他に重度な国家がなければ、デフォルトさせた方がいい。
問題はやばそうな国家が他にやまほどあることだ。
アイルランド、ポルトガル、スペインなどは、ギリシャが破綻すると即座に影響が及んでしまう。
ギリシャがいずれデフォルトするにしても、時間を延ばした方がいい。
幸いというか、アイルランド、ポルトガルはギリシャよりも真っ当そうだ。
国債を減らそうと努力をしている。
ギリシャの弱者の脅迫を受けいれて、とりあえず時間を稼ぐ。
被害を最小限に減らす方法としてはこれしかないのかもしれない。

** 地方自治体の不良債権として

ユーロシステムは金融としては統一されているけれど、各国の財政は統一されていないので、破綻は必至だったという意見がある。
疑問である。
ギリシャを日本の夕張市みたいな地方自治体として、とらえることもできる。
日本の地方自治体がデフォルトするということは考えられない。
最終的な責任を日本政府が持っているからだ。
だから予算の執行や債券の発行などを中央政府が干渉している。
ユーロ圏の国々の財政が統一されていれば、EUという中央政府が各国家を地方自治体とみなして運用できるという思想だ。
でもこれは難しい。
ドイツ国民がギリシャ国民に補助をするという形を、EUの国民は認めていない。
同一国民意識を持っていないからだ。

それでは、ユーロシステム自体が駄目だったのだろうか。
そうではないと思う。
国家がデフォルトすることを認め、ECBが国債の裏打ちをするような行動を取らなければ問題はなかった。
普通の国の中央銀行は自国の国債を無条件に担保として適格と認める。
EU全体が返却に責任を持つ債券がないのだから、ECBは高い格付けの国債のみを担保として認めるべきだった。
AAA格付けの国債だけを担保として認めれば良かったのだ。

国家を企業だと考えれば、デフォルトは倒産だから、従業員を解雇して別の企業が雇えばいいはずだ。
つまり、ギリシャ国民は別の国に出稼ぎに出ていき、働けばそれでいい話となる。
そのために住居移動の自由を認められていると思える。
今さら言ってもせんかたない話だが。

** 結論

ギリシャ危機の行く末はまだはっきりしないが、当分の間は先送りしかないように思える。
日本国民としては、結論がきちっと出てくれた方が、未来予測の難しさを軽減するのでいい。
でも、不良債権処理はグダグダしていくのが本線であり、仕方がない。

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