異をとなえん |

ギリシャ危機の行方は?

2011.06.17 Fri

04:52:41

ギリシャのデフォルトの危険性が高くなってきた。
ギリシャでは財政再建に反対する勢力が強くなっている。
自分の給料が下がることを喜ぶ人はいない。
それでも、外から見れば年金や給料の引下げは絶対に必要なのだが、ギリシャ国民はそう思っていない。
デモに訴えている。

ギリシャのデフォルトをなんとしても避けたいと考えている人たちも、ギリシャに居直られてはどうしようもない。
資金を追加で貸し出すためには、借り手の返済計画が必須だが、首相も国会に認めさせることができない。
このままではデフォルトは必死だろう。

** ギリシャがデフォルトした場合の影響

ギリシャがデフォルトした場合の影響はどうなるだろうか。
ギリシャがデフォルトすることを市場はすでにおりこんでいるという話も聞くが本当だろうか。

ECB(ヨーロッパ中央銀行)はギリシャの国債を担保にして、銀行に資金を貸している。
ギリシャの国債がデフォルトすれば、まずこの資金の扱いをどうするか決めなくてはならない。
金を借りている銀行がギリシャ国債以外の担保を差出せればうまいのだろうが、そんな夢物語あるわけがない。

ギリシャ国債を担保にして金を借りている銀行は、まずギリシャの銀行だ。
金融危機後ギリシャの成長率はマイナスだ。
そこへ持ってきてギリシャ国債がデフォルトすれば、にっちもさっちもいかなくなる。

ECBはギリシャが債務再編を実施するならば、ギリシャ国債を資金供給オペの適格担保として受け入れないとしている。
ECBが資金を貸せなくなれば、即座にギリシャの銀行は潰れるだろう。
ギリシャの銀行は資金の調達先をECBに頼っている。
ECBが貸さなくなるどころか、今ある資金を回収しようとすれば持つわけがない。
これが第一波となる。

ギリシャの銀行の倒産は市場におりこみずみだろう。
ギリシャの銀行に債権がある所の影響もある程度おりこんでいると思う。
しかし、ECBの責任問題は十分に考えていない気がする。
ギリシャ国債の担保を認めて資金を貸し出してきたのは、ECBである。
金融危機を防ぐためとはいえ、大量の資金を貸し出してきた。
それが焦げつけば、EU諸国では当然自分たちのお金が無駄に費されたと考えるだろう。
ギリシャの面倒を見るためEU諸国内でさんざんもめているのに、それを上回るかもしれない金額をECBが損失としてただで済むのだろうか。
借金をしている国は別として、EUの中核であるドイツはECBに対して責任を取るように求めるのではないだろうか。
この政治的影響はちょっと予測がつかない。

中央銀行が損失を出すことに人々はあまり慣れていない。
中央銀行の資産が劣化すると通貨価値は下がるなどという意見をよく見るのだが、そういう感覚の人からするとECBが損失を出すことは大問題のはずだ。
中央銀行が損を出すと通貨価値が下がるという意見は、ある意味正しそうな気もするのだが、本当に正しいかどうかは難しすぎる。
とにかく、ECBが損を出せば、それに対する批判が生まれることだけは確かだろう。

普通の国の中央銀行は金融危機の際に流動性を供給することは問題にならない。
国債を担保としているならば、銀行が潰れたとしても貸し出し金は回収できるので、中央銀行の責任は別問題となる。
その基準がEUでは通用しない。
国債がデフォルトするのだから、どの国の国債を担保として認めるかが、ECBの責任となる。
そうなった場合、アイルランドやポルトガルの国債が担保となりうるだろうか。
疑問だ。

ECBがアイルランドやポルトガルの国債を担保不適格とすれば、その影響はすぐに表面化するだろう。
危なそうな国の国債は担保として認められなくなる。
そうなれば、EUに破滅的な影響がありうる。
その事態を避けるために、ECBは絶対にギリシャのデフォルトを避けたい。

そこで最初に戻るわけだが、状況はしだいに苦しくなっているように見える。

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400 続:ギリシャ危機の行方は?

昨日の記事では、ギリシャがデフォルト寸前なのに、ギリシャ国民は空気を読まずにデモをやっているところで終わっていた。 こういう話を聞いていると、日本の不良債権の話を思いだす。 日本の不良債権もいつまでもきちんと片付けないということで、欧米からの批判をあびていた。 ギリシャの国債のデフォルト危機も、なかなか根本的な解決は難しい感じだ。 ** 企業の不良債権処理として 日