異をとなえん |

国債購入政策の功罪 - 為替レートはどう決まるのか?(その5)

2011.06.09 Thu

03:11:29

それでは、今までの考えを元に国債購入政策の功罪について考えてみよう。

** 金融緩和政策は国内需要を喚起できるか?

まず、金融緩和政策は国内需要を喚起できるかというと、疑問である。
日本の量的金融緩和政策にしても、アメリカのQE2にしても、内需を長期にわたって拡大することに成功していない。

日銀の金融政策は手ぬるいということでリフレ派から批難され続けている。
もっと国債を買えという意見はそこら中で目にする。
紙幣を刷れという意見も同じ考えとみていいだろう。
とは言っても単に紙幣を刷れという意見は、信用創造という金融政策の根幹を理解せずにはやしたてているだけな気がして、勘弁して欲しいのだが。
それでは、アメリカのQE2はリフレ派のお眼鏡にかなった政策なのだろうか。
もし、そうならばアメリカの経済の現状をどのように見ているのだろうか。

QE2ではアメリカ国債を9000億ドル近くFRBが購入している。
それによって金利を下げ投資を喚起しようとしたのだが、あまりそういう感じにはなっていない。
長期金利はQE2開始後むしろ上昇し始め、十年物は3%を越えて上昇した。
そして、QE2終了直前になって逆に長期金利は下がり、十年物は3%を割ってきている。

QE2によって景気が良くなると考え、先回りして国債を売り株式を買ったけれど、それほど景気は良くなってこない。
だから国債に戻り始めたと解釈するのが普通ではないだろうか。

大規模な国債購入を伴なわない日銀の量的緩和政策もずっと行なわれているが、景気が良くなったという感じは全然持てない。
日本の成長は円安による輸出の増加だけで、ついに内需を恒常的に喚起することができるようにならなかった。

結局金融政策では恒常的に需要を喚起することができないように見える。
私の考えでは、本質的に需要を喚起するには技術革新を通して労働と効用の交換の比率を変化させることが必要で、単に通貨の価値を変化させる金融政策ではそもそも無理なのだ。
しかし、「量的緩和政策とQE2について」で述べたように中央銀行が国債を購入することによって自国通貨安を目指す政策は成り立っているように見える。
だから、通貨安政策としての国債購入政策の功罪について述べる必要があるのだが、それは次回に回す。
どうも文章が書けず、変な所で切れてもうしわけない。

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389 続:国債購入政策の功罪 - 為替レートはどう決まるのか?(その6)

昨日の話に続いて、国債購入政策の功罪を考える。 量的金融緩和政策の内需拡大効果には疑問がある。 しかし、長期金利を下げることによって金利の高い国に対して資金流出を促し、しいては自国通貨安を起こすことで輸出の拡大雇用の増加を目指す政策はある。 単なる量的緩和政策ではなく、国債を購入する政策はそういう意味では有用だ。 でも通貨安政策というのは、国民の給料を下げ、とにかく仕事を取ってきて、借金を返そうという政策だ。 IMF危機のときの韓国みたいに外国への借金で首が回らなくなった国では正しい政