異をとなえん |

前原外相の口先外交には困ったものだ

2011.02.16 Wed

01:34:08

前原外相の先の見通しがまったくない口先外交は、どうも困ったものである。
何かと言うと、明日の日韓外相会談での竹島の話だ。

[政治]前原外相、竹島問題言及へ 16日の日韓外相会談で(2011.2.15 19:12)

引用開始

前原誠司外相は15日の記者会見で、16日に来日する韓国の金星煥外交通商相との会談の際に、同国が不法占拠している竹島について「日本の立場を言及することになる」と述べた。外務省のホームページは竹島を「わが国固有の領土」と明記し「韓国による竹島の占拠は、国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠」と記載している。

前原氏はまた、日韓外相会談で北朝鮮の核開発、ミサイル、拉致問題への連携を確認し、韓国との経済連携協定(EPA)交渉再開を働きかける考えを示した。

産経新聞 2011.2.15 19:12
引用終了

韓国側から見れば、ほとんど宣戦布告に近いような受け取られかたをされるはずだ。
韓国外相からすると、日本から招待を受けて訪日したらいきなり頭から水をぶっかけられるようなものだ。
そんな会談をのこのこと続行したら、韓国内でどれほど批判を受けるかしれない。
もう話が出た瞬間に、テーブル蹴飛ばして席を立つようでないと韓国で政治家はやってられない。
そのくらい韓国内では敏感な問題のはずだ。

しかも、会談前日に記者会見で発表するというのは、韓国側に恥をかかすためにやっていると受け取られかねない。
韓国側としては、とにかく会談で話されること自体が問題である。
そのような会談を唯唯諾諾と受けているようでは韓国内からの批判は必死だ。
それを考えると、韓国側からは会談自体を行なわないか、先に攻撃して決裂するしかない。
会談自体を行なわないのは外交儀礼に反しているかもしれない。
そこで、会談冒頭に竹島問題を提起して、日本が竹島所有を主張した時点で、会談を決裂する。
それが一番ありそうな筋書だ。

問題なのは、日韓外相会談が決裂したことに伴なう影響である。
まず、北朝鮮との対応で日米韓の連携が危ぶまれることになる。
北朝鮮は日韓の間の外交亀裂を自分にとって優位だと考えるだろう。
韓国との間の挑発行為をエスカレートする危険性もあるので、いいこととは思えない。
北朝鮮に対しては、日米韓が一枚岩だと理解されるのが望まいい。

中国、ロシアと喧嘩しつつ、韓国にも喧嘩を売る。
それはそれでありだとは思うが、本当にそれほどの覚悟が前原外相にあるのだろうか。
友好的に話をしようとしてるのに、喧嘩を売っていると誤解されるのは本意ではないだろう。
少くとも、外相会談前日の記者会見で簡単に主張できるような問題とは思えない。

それでも、前原外相は竹島問題を外相会談の議題に挙げる先例にしたいのかもしれない。
しかし、一人の外相が自分独自の意見に固執したとしても、それを国全体でサポートしなければ日本全体の戦略がないと受け取られるだけだ。
前原氏は偽メール事件や八ッ場ダムの問題としても、自分だけの意見を表明して、周りがついてこれるか軽視している。
新米議員が意見を表明し、突出することによって、事態の打開を図るのは認められる。
けれども、外相になり、首相の座も手が届くほどの地位にいるならば、自分一人では責任を取れないことも多々でてくる。
その中で自分だけで責任を取ればいいだろうと、勝手な放言をするのは無責任極まりない。

そういうことを考えると、今実行する必要があるのか。
端的に言って、民主党政権の人気は大幅に落ちている。
いつまで政権を持つか、わからない。
その状況で韓国との外相会談が決裂することは、人気にどのような影響を及ぼすのか。
自民党が韓国にガツンと言えなかったことを言ったと評価されるのか、それとも素人外交だと批判されるのか。
どちらかと言うと、私には素人外交のように思える。

マスコミは韓国外相が席を立つと、日本を批判するような気がする。
野党はどうだろうか。
自民党は、小泉首相の時散々日中の間で首脳会談ができないことを民主党に批判されていた。
あれは日本外交の足を大きく引っ張った。
日本の外交的主張がどうであれ、日本と外国の間で首脳会談ができないことを、日本の責任だと批判していては、日本は外国に対して主張一つできなくなる。
外国は都合の悪いことを言われたなら、いつでも首脳会談を拒否できるからだ。
それで日本国内が分裂すればいい。
そのようなことにならないためにも、野党は相手国が会談を拒否したからといって、与党を批判するべきではない。

相手国が首脳会談、外相会談等を拒否したとしても、そのことを持って政府批判しないという、与野党の間の合意ができたとすれば素晴しい。
でも、それは今までの民主党の野党時代の行動に対する自己批判が必要になる。
民主党がそんなことをするだろうか。
怪しいものだ。

今までは竹島問題を表立って主張しないことで、外務省と自民党との間で、コンセンサスが取れていた。
それをひっくり返すのだから、民主党、外務省両方で根回しをして、竹島問題を日本側が恒常的に主張していくことで合意しなければいけないはずだ。
さもないと、今までの推移からいって、簡単に竹島問題を主張しない外相に戻るはずだ。

日本の外相の任期など短いものだ。
だとしたら、外相が変わったとしても、日本の外交方針が変わらないことを政権内で担保しておかなくてはならない。
少なくとも、外務省の中で日韓外相会談の際には、必ず竹島問題を議題に挙げると合意しておく必要がある。
外務大臣が交代しても、その外交姿勢を貫くためだ。
与党である民主党の中でも了解しておく必要がある。
理想を言えば、野党の自民党の間にも合意を取っておけば、それでもいい。
そこまで日本側が覚悟を固めておけば、韓国側も受けざるを得ない時があるだろう。
そのぐらい覚悟を決めて、竹島問題に挑戦するならば、それなりに認める。

ここまで述べてきたことは、私の勘違いかもしれない。
もしかしたら、韓国外相は竹島問題に言及したとしても、和気あいあいと会談を続けるのかもしれない。
だとしたら、私の不明を恥じるしかない。
けれども、私には前原外相は何も考えずに竹島のことを言及したに過ぎないように思う。
覚悟もないのに決裂するのだとしたら、外相として能力不足だと断ずるしかない。

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら

367 続:前原外相の口先外交には困ったものだ

昨日の記事では大口を叩いたものだから、日韓外相会談がどうなったか気になった。 ネットでは、竹島問題に関して次のような記事が出ていた。 日韓外相会談要旨 引用開始  【竹島、北方領土】  前原外相 (日本の基本的な立場を説明) 引用終了 北方領土「日本固有」 ...