異をとなえん |

来年の日本の経済

2010.12.31 Fri

04:21:49

今回は来年の経済の予測をしてみたい。
昨日、日本の政治予想をしたことの続きというわけだ。
日本の経済の予測と言っても、最大の問題は世界経済の行方といってもいい。
世界経済が好調でなければ、日本経済の景気も維持できない。
日本経済は今年は好調だったと言える。
政府の補助金による需要の先食いとも言えるが、エコカーとエコポイントによる補助金で、自動車と家電製品の販売は好調だった。
そのお陰で、日本経済も4%ぐらいの成長をしたのではないだろうか。
この数値は潜在成長率が2%以下と見なされる日本においては、高成長といっていいだろう。
とは言っても、まだリーマンショック前のGDPは回復していない。
それだけ日本の落ち込みが深かったということだが、世界のほとんどの国がリーマンショック前のGDPを回復していることを考えると、高成長もその分評価が落ちる。

何がまだ回復していないかは、よくわからないのだが、設備投資がまだ落ち込んでいるみたいだ。
未来に対する確固たる自信が持てないので、設備投資を自重しているのだろう。
その分まだリーマンショック前のGDPが回復していない。
日本はまだ世界経済の未来に対して楽観していないことを示している。
それに対して、世界は自分たちの未来を信じている。
だから、株式市場も高値になり、商品相場も上がっている。
この相場が堅調のまま続けば、日本での投資も段々と増えていくことになり、GDPも何とか回復する。

問題はやはり世界経済の行方だ。
欧州もアメリカも中国も心配で仕方がない。
日本人が心配性かもしれないが、やはりなんというか予断を許さない気がする。

** 欧州

一番危いのは、やはり欧州だろうか。
ユーロ圏はケインズ的政策を発動させる仕組みがなくなっている。
赤字財政を組めば、国債の償還が確実かどうかを疑われる。
PIIGSの危機は、どの国も均衡財政を余儀なくさせるといっていいだろう。
ユーロ圏随一の健全国であるドイツも、赤字財政をやめようとしている。
ドイツが他のユーロ圏の国々を援助しなければ、需要の低下は止まらない。

ただでさえ景気が悪くて需要が減少しているのに、そこでリーマンショックの時の緊急的な財政拡大の措置をやめれば、需要が大幅に減るのは目に見えている。
ユーロ安によって輸出が増加し、景気がいいドイツを除けば他の国は不況に沈む。
景気が悪ければ税収も増えない。
ギリシャ、アイルランドと二つの国はユーロ圏各国の支援を得て、一時的に資金を調達できた。
けれども、更に不況が深刻化すれば、今の状態でも返せるかどうか疑いが濃くなっていくだろう。
返せないとなれば、ユーロ圏諸国の国債を買っている金融機関が存続できるかの問題が生じる。
実際の正確な状況が判明しないまま、現状が続いていく、それが欧州の状態だ。

** アメリカ

それに対して、アメリカはまだずっとましな気がする。
不動産の下落によって生じた需要の減少は、とりあえず政府の膨大な赤字によって埋め合わせることができた。
アメリカ経済の回復を見込む人も増えている。
アメリカの金利が上昇に転じたのも、原油、金を始めとした商品相場が活況を呈しているのは、その証拠だろう。
しかし、このままうまく経済が成長を回復するのか。
私はまだ悲観的だ。
何よりも、原油の上昇によるガソリン代の値上がりが消費を冷やすはずだ。
回復しかけた、景気の芽を摘み取る、そんな気がする。

もう一つアメリカ経済について心配なのは、アメリカに資金が流れてこなくなることだ。
長期金利が上がっているのに、最近円高に動いている。
アメリカに投資する資金が減っているのだろうか。
一時的なものかも知れないが、今までと少し違った雰囲気を感じる。

日本経済でバブル崩壊後の長い停滞が始まった時は、財政支出を増やして、需要の急減を食い止めた。
それが日本経済をマイナス成長に陥らせることなく、成長させた要因だと思う。
アメリカも財政支出の増加によって、需要を急減させず景気を維持している。
しかし、日本の経常収支がずっと黒字を保っているのに対して、アメリカは赤字である。
これがどのように響いてくるか。
アメリカに資金が流れてこないので、長期金利が上がっているにも関わらず、ドル安ということもありうるのだろうか。
ちょっと、よくわからない。
ただ、来年すぐ問題になる可能性は低い気がする。
結局、アメリカはバブル崩壊後の日本に似てぱっとしない状態のまま続くのが、一番ありそうだ。
株式市場も、それほどPERは高くないし、今のままの状態を続けるならば利益も変わらないだろうから、暴落もしないことになる。
まあ、安定か。

** 中国

中国も心配事はつきない。
バブルバブルと言われ続けてどのくらい経つだろう。
なんだかんだ言っても、今まで高度成長を続けていることは評価しなければならない。
バブルが発生してから崩壊するまで、どのぐらいかかるかなど、誰もわからない。
バブルであると私も思うが、崩壊するかどうかは予測不可能だ。

唯一言えるのは、バブルが崩壊したとしても、中国は政府の強力な指導力によって安定化策を講じるだろうことだ。
リーマンショック後の大規模な公共投資が景気の悪化を食い止めたように、バブルが崩壊したとしても、大規模な公共投資に必死だろう。
経済的合理性など気にかける政府とは、とても思えないから、投資効率など無視して金を注ぎ込む。
バブルが崩壊しようと、すまいと、国民の効用が増えるかどうかは別として、景気自体はまあ順調だろう。

** 日本

そして、日本である。
今まで日本の経済は内需が盛り上がらないと景気は良くならないと主張してきた。
それは変わらない。
来年は地価も下げ止まりそうだ。
そうすれば、内需も回復するだろう。

問題はやはり外部環境にある。
アメリカと中国はとりあえず安定している。
しかし、欧州の影響が読めない。
欧州が不況であるというのは構わないのだが、問題はリーマンショックみたいないきなりの崩壊である。
絶対にないとは言いきれない。
大恐慌が世界に波及したのは、アメリカの株式暴落後のヨーロッパの銀行の倒産が始まりだった。
今回の不況もその徹を踏む可能性がある。
ただ実際に起きるかどうかは、やはりわからない。

欧州に危機が発生しなければ、そんなに悪くない年だと予想して、お茶をにごしておく。
なんか全然切れのない予想になってしまった。
よくある意見をふやけさせただけだ。
私はつくづく勝負師に向いていない。

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