異をとなえん |

ネットの情報の真実性

2010.12.28 Tue

03:28:59

中国のツイッターユーザーの講演の話を読む。
Togetter - 「101209 安替@mranti 「帰国前報告講演会:日本メディアの中国報道における構造的欠陥」」
面白い。

いろいろと感じる所はあるのだが、最後の部分で日本のメディアがなぜネットの情報を報道に生かせない理由について、本質的な疑問が提示されていた。
それについての議論が深まっていないように見えたので、自分の意見を述べておきたい。

引用開始

・ tsuda
会場からは「記者クラブの問題じゃないよ!ネットには怪しい情報もたくさんあってそれをどう検証するかって話だよ」とインタラプトする(恐らく)伝統メディアの人が。
tsuda
2010-12-09 20:14:47
引用終了

日本のメディアがなぜ中国上海の献花の話を報道できないかが、今回の講演の一つのテーマになっている。
日本のメディアが報道できないのは、まず何よりも検証できるかどうかが、わからないからである。

ツイッターにおいて、上海の献花事件の情報が幾ら山のようにあったとしても、それが本当がどうかはわからない。
中国語のツイッターで、こういう情報があったのは確かだとしても、それは報道の価値があるかどうかは難しい。
実際に献花があったかどうかの確認があって、始めて報道の価値がある情報だと言えるだろう。
それでは、どうやって献花があったかどうか確認できるのか。
行って見ればわかるだろうが、それは簡単ではない。
実際にその場所に行けるかどうかという問題もあるし、他の報道とのかねあいもある。
普通は確認が取れるデータ元で、なんとかこなすわけだ。
この場合、確認が取れるデータ元は中国の官製メディアになる。
中国の官製メディアが、献花事件を報じてくれれば、とにかくあったかどうかは確認できなくとも、中国のメディアが報道したことは事実であり、それは報道する価値がある事件だ。

それに対して、ネットの情報はそういう部分が弱い。
献花という事実の匿名の情報に対して、本当がどうかどうしたら記者にわかるのだろう。
山のように同じ記述があったとしても、全部匿名なら全部デマかもしれない。

ネットのユーザーと知り合いになって、名前を知ればいいかもしれない。
そうすれば、実際の事実を確認できる。
しかし、本当にそんなにうまくいくか。
まず、単なる一般の人間の知り合いだったら、その人がデマを飛ばしていないと、どうやって確認できるのか。
報道した後、あれはデマだったと言われても困るわけだ。

次に情報のネタ元が信頼できる人間であることが、はっきりしたとしよう。
でも、その場合信頼できる人間は当然そんなに多くはない。
その人間が、情報の大元にアクセスが必ずできるかと言うと、そうではないだろう。

メディアは出る情報をそのまま出せばいい、情報の真贋はユーザーがするなどと言う意見もあるが、それは信頼できる情報がある場合に言える意見だ。
日本のメディアの報道は意見はともかくとして、事実の報道はそれほど間違っていないと人々は信じている。
その固い土台の上に立っているからこそ、各種のデマが飛び交う中、人々は真実を把握したと思うのだ。
全ての情報に何の信頼性もなければ、ほとんど全ての事実は藪の中だ。

韓国の新聞が2ちゃんねるあたりからの情報を書いて記事にしている。
どう見ても、おかしいと思うわけだ。
匿名の何を代表しているかもわからない人間の意見など、何の意味があるのだろうか。
ネットユーザーの代表的意見という考え方があっても、それだったら実際の人間にインタビューして、確認を取ればいい。
それぐらいの手間を省いては仕方がないだろう。

今回の上海の献花事件にしても、ツイッター情報を元にして、現場に取材にいけばいいと確かに言える。
でも、それだけの労力がなければ、報道できない。
日本のメディアは、ネットの情報に対する感度が鈍そうだし、官製情報に頼りすぎているようにも見える。
ただ、だからと言って、ネットの情報をそのまま使えというような意見だとしたら、それは問題である。

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