異をとなえん |

金星応答なし

2010.12.08 Wed

02:19:20

タイトルは、ニコニコ動画での「あかつき」の軌道変更での生放送の時に、下で広告されていた本の名前である。

たぶん、通信が途絶してから、広告されたんだろうけど、ぴったりな題で感心した。
どんな内容なのかと、わざわざアマゾンまで見にいってしまったほどだ。

「あかつき」は金星への軌道変更への命令が発行された後、通信が返ってこなくなった。
私の悪い予感が的中だ。
とは言っても別に「あかつき」に特別に不安があったとかではなく、単なるロケットの打ち上げにしても、今回のような軌道変更にしても、いつも失敗するような気がして、私は神経過敏になる。
宇宙開発は本当に極限状態でマシンが動くから、どうしても失敗する可能性が大きい。
万全だと思ったとしても、うまくいかない。

それでも、最悪の事態は避けられた。
通信が回復するまで大きく遅れたけど、少なくとも連絡は取れるようになった。
通信途絶後、何の連絡もなく、「あかつき」をロストしてしまうのが一番怖かった。
通信が回復した以上、金星の衛星軌道に入れなくとも、失敗した原因だけはわかるだろう。
それさえわかれば、少くとも飛んでいった意味はあった。
もちろん、金星の衛星軌道に入って、各種探査が行なえれば一番いいのだが。

「あかつき」の軌道変更の結果がわかるのは今日の昼ぐらいだそうだ。
なんとか、いい結果を期待したい。
日本の最初の惑星探査機「のぞみ」は火星の衛星になるのに失敗した。
「あかつき」はそれよりも進歩して欲しい。
ただ、軌道変更に失敗したとしても、それで全てが終ったわけではない。
失敗したとしても、7年後にはまた衛星軌道に入るチャンスがあるという話も聞く。
小さな望みでも、宇宙開発はそういうものを拾い集めていかなければ進めていけない。

そういうことを私は、『恐るべき旅路 - 火星探査機「のぞみ」のたどった12年 -』で教えられた。

「恐るべき旅路」は、松浦さんの書いた本では一番の傑作だと思う。
一部メロドラマ調の部分もあって、作品の価値を落としていると思うけれど、それでもこの作品には宇宙開発の感動が詰まっている。
「はやぶさ」の原点でもあり、「あかつき」は惑星探査のリベンジだ。

宇宙開発であろうと何であろうと、実際に実行しなければわからないことはたくさんある。
「のぞみ」にしても、アメリカやソ連のような宇宙開発の先進国から見ると、たぶん怖い物しらずだと思っていただろう。
後になれば、なんて自分はバカだったのだろうとわかるが、それはたいてい失敗した後だ。

「あかつき」から何かを学び取ることを期待する。

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