異をとなえん |

続:民主党は分裂する

2010.09.15 Wed

04:00:01

昨日の記事に少し補足しておきたい。
昨日の記事の結論は、民主党が分裂して普天間基地辺野古移転派が自民党と連立するというものだった。

一つの疑問として、自民党がなぜ解散を求めないかということがある。
実際今日、谷垣自民党総裁は大連立を否定し解散を要求していた。
しかし、解散をして自民党が勝利したとしても、参議院では過半数を占めることができない。
つまり、まだ安定的な政権を運営することはできない。
安定した政権を作るためには、政策の一致した所で衆議院、参議院共に過半数を占める必要がある。

自民党はもし民主党が分裂したならば、辺野古移転派と組むことによって衆参両院で過半数を占めることができる。
辺野古移転派が自民党との連立を求めたときに、それを拒否して解散を要求すると、衆議院では勝てたとしても、連立を結ぶことが難しくなる。
実行する政策においで自党の言い分を多くのませ、閣僚の配分が得ならば妥協することは十分に考えられる。
解散しても自民党が勝てるとは限らない。
参議院の結果で民主党に得票数で負けたことを考えるならば、再度議席を減らすこともありうる。
そのような事態を避けるためにも、村山政権の故事に習い、民主党の菅首相を続投させて、政権与党の座への復帰を目指した方がよい。

自民党に都合のいいことばかり考えたが、民主党が分裂する必然性はあるのだろうか。
大体沖縄の情勢は前よりもずっと悪くなっている。
地方自治体の同意が得られなければ、辺野古基地移転など絵に描いた餅かもしれない。
つまり、普天間基地移転問題を現状のまま後伸ばしにしていけば、民主党は団結を保てる可能性がある。
でも、普天間基地移転問題の本質はアメリカと日本の同盟関係をどう定義付けるかだ。

アメリカの担っていた世界秩序に対する日本の協力姿勢の現れが、普天間基地移転での日本の協力だ。
日本が協力することによって、アメリカは世界の秩序により力を発揮できる。
日本がアメリカに協力しないというのは、アメリカが生み出している世界秩序に逆らうことだ。
世界の国でアメリカの基地に多額の金を補助している国は日本しかいない。
アメリカに利用されていると批判する人も多いけれど、これは世界でGNPが2位の国として、現状の世界秩序をできるだけ守ろうとする日本の意思から生まれているのだ。
日本は大戦上の問題から、外国での軍事活動はできなくなった。
それでも世界秩序は保たれていた方がいい。
イラクによるクウェートの征服みたいな事態は、なんとしても阻止したい。
日本が資金を提供して、アメリカが実際の軍事行動を担うというのは、世界におけるGNPが1位と2位の国の智恵だ。

日本が普天間基地を追い出してしまうというのは、実質アメリカの世界秩序の維持をサポートできない意思表現になる。
アメリカの世界秩序の維持はいろいろ問題がある。
現在のイラクアフガンの軍事行動も、私は同意できない。
けれども、アメリカが単独に実施し、同盟国に迷惑をかけなければ、サポートはできる。
資金援助だけでなく、重油の供給といった補給のサポートもできる。
自分の手を汚してまで協力することはできないけれど、手を汚さない範囲ではアメリカ支持を表明できるという話だ。

しかし、普天間基地を追い出すのは、この協力関係を破綻させるだろう。
アメリカだって、いい加減にアフガンでの軍事行動がいやになっている。
日本がそれに協力しないならば、完全に引きこもってしまうことがあるかもしれない。
具体的な未来はわからないが、日本が現状の世界秩序によって利益を得ているならば、その分世界秩序の維持のために努力した方が自然に思える。
ただ乗りしているだけというのは日本のプライドが許さないのだ。

小沢氏の目指す普天間基地の移転問題の白紙撤回は、アメリカとの協力関係を破壊する行為だ。
アメリカとの同盟関係を壊したいと考えている勢力は昔から日本にいた。
社会党がその中核だったことは言うまでもない。
小沢氏の政策は明らかにその流れを組んでいる。
国家の安全保障の問題は、政党にとって最も重要な意義を持つ。
55年体制ではアメリカにつく自民党とソ連につくことを目指した社会党とで二つに分かれた。
現在も中国の覇権主義的行動が目立つ局面では、アメリカとどういう同盟関係を構築するかは政党にとって最も重要な違いとなる。
普天間基地の移転問題での些細な違いと見られるものは、本質的にはアメリカとの同盟関係をどう構築するかの違いだ。
ここで意見が食い違っていては、一つの政党として実行していくのは難しい。

民主党が一つの政党としてまとまってこれたのは、自民党のアンチとして多くの問題に目をつぶってきたからだ。
安全保障上の問題も政権を取るためにはと我慢してきた。
政権交代がテーマになるほど、自民党に対して国民の飽きがきてきたこともある。
けれども、政権を取ったならば、アンチ自民党だけではやっていけない。
政策上の問題をある程度煮詰めなければいけない。
そうするとアンチ自民党でまとまっていたのが不自然となる。
アメリカとの同盟関係をどう考えるかを対立軸にした方がずっと自然だ。

小沢氏と鳩山氏が決着したはずの普天間基地移転問題を蒸し返したのは、根が深い問題だからだ。
大体自分たちで決着したことを反故にするとは無茶苦茶だ。
それでも持ち出したのは、本気だということだろう。
結局、民主党の分裂は必然となる。

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