異をとなえん |

修正版:日本の生産性が低い訳

2010.03.20 Sat

04:41:09

「日本の生産性が低い訳」については結論が間違っていた。
そこで間違っている理由と修正した結論を書く。

モデルとして次のようなものを考える。
A国とB国が存在する。
A国は100人、B国も100人の人口がいる。
A国は10人が米を作り、B国は10人が塩を作る。
両国は貿易をしあって、それで必要な物は足りているとする。
A国は米を作っている人以外はマンガを書いている。
いろいろな事情から、B国はそのマンガを読まない。
A国の米を作っている人の給料を年俸100円としよう。
利益とか設備投資とかはないとするので、200人分を作ったとすると、一人当たりの購入価格は100円*10人/200人=5円となる。
A国の残りのマンガを書いている人の年俸も100円で、90人全員がそうでA国は全員がそのマンガを買っている。
A国の一人当たりの購入価格は100円*90人/100人=90円となる。
B国は塩を作っている人以外は、働いていない。
国の保障によって暮している。
B国の塩を作っている人の年俸は100ドルで、200人に売っているから、一人当たりの購入価格は100ドル*10人/200人=5ドルとなる。
A国とB国の貿易関係は米と塩だけなので、500円分の米と500ドル分の塩を売るのでドル円の交換レートは1ドル1円である。
B国では、働いている人100ドルの年俸から90ドルを税金として取って、残りの人々に10ドルずつ配る。
B国は全員が5ドル分の塩と5ドル分の米で暮している。
A国も5円分の米と5円分の塩と90円分のマンガで暮している。
米と塩の価格がA国とB国の間で一致する必要はないのだが、一応これであてはまったので、モデルとしては合っていると思う。

私の前回の記事の予想は、貿易財の生産性は同じなのだから国民総生産も同じになるという考えであった。
けれども明らかに間違っていた。
A国の国民総生産は100人が100円分の生産物を上げているので、10000円になる。
B国の国民総生産は10人が100ドル分の生産物を上げているので、1000ドルになり、円換算すると1000円になる。
A国の国民総生産が圧倒的に多い。
一人当りに換算するとA国では100円になり、B国では10円でしかない。
前の記事を書いている時は為替レートの関係とかで調節されるようなイメージを描いていたのだが、勘違いしていた。
しかし、生産性という面ではA国は10000円分の生産を100人で生み出しているので、100円となる。
B国は1000円分の生産を10人で生み出しているので、100円となり、変わらない。
そのことから、生産性の違いが何から来るかわかった。
それを説明する。

上の例では、A国のマンガは全員に売れると考えていたが、平均して50人にしか売れないとしよう。
そうするとマンガ家の収入は1冊1円で50円になる。
米を作っている人は100冊全部買うことにしておく。
そうすると、A国の国民総生産は100円*10人+50円*90人=5500円となる。
一人当りに直して55円、生産性もこの場合全員が働いているので55円と同じになる。
でも、この場合B国の生産性は100円なので、B国の方が高くなる。
つまり、生産性は安い賃金で働いている人が多ければ安くなるのだ。

日本は欧米に比べて失業率が5%ぐらい低い。
これらの国々の労働需要に応じた賃金の分布が同じ形をしているとすると、日本はたぶん下方の方の安い賃金で働く労働者が5%分多いのだ。
賃金が安いということは、ほぼ確実に生産性が低いということで、結果として日本は欧米諸国に比べて生産性が低くなる。
実証研究だと、その賃金の低下分で生産性の低下分を説明しきれるか実行しないといけないのだろうけど、そのへんは省略する。

日本の生産性が低いのは、失業率が低いことを前提として、もう少し考察してみよう。
ヨーロッパの生産性がなぜ高いかは、やはり社会保障の影響によって失業率が高いのが原因だろう。
失業していても暮していける手当てが出ている国が多い。
だから、失業率が高くなる。
失業率が高いことで、生産性を低い仕事をする人はいなくなる。
日曜祝日の営業を規制するようなことも、当然失業率を高くしていると思う。
そして、その分国民のサービスは減少している。

アメリカの場合はヨーロッパと違って失業者の保障が十分ということはない。
それならば日本と同じになっていいはずだが、アメリカの生産性は高い。
それには、二つの理由が考えられる。
一つは、最底辺の仕事はアメリカでは非合法移民が担っている。
彼らの労働がきちんと統計に出ているかどうか怪しい。
その分、生産性の低下要因が減少することになる。
もう一つは、雇用の弾力性から来る失業率の高さだ。
アメリカでは、仕事がなくなった場合、解雇を簡単にする。
その結果失業率が高くなり、その分生産性が高くなる。
日本の場合、仕事がなくなっても解雇しない。
社内失業状態のことが多い。
そうすると統計の上では、なんらかの労働をしている理屈になり、その分生産性が低くなる。
日本の場合に生産性が低くなっている理由をもう一つ考えた。
妻の給与収入が103万円を超えると、税の控除が聞かなくなる。
そのために、103万円以上の仕事をしない人が多い。
そうすると生産性としては極端に低い人間が多くなるので、その分平均としての生産性が押し下げられる。

結論、日本の生産性が低いのは失業率が低いからであって、人間の有効活用という点から問題ではない。

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