異をとなえん |

韓国の企業になぜ日本は勝てないのだろうか?

2010.03.06 Sat

05:39:18

ウォン安とか法人税が低いとかという理由はもちろんある。
実際韓国の企業の技術力とかがついてきて、ほぼ互角になった以上、それらの差は致命的なものになっている可能性が高い。
しかし、それ以上に大きな理由として、貿易についての比較優位の原則がある。
韓国の輸出産業はかなり偏っている。
造船、鉄鋼、半導体、携帯電話、自動車、薄型テレビ、そのぐらいではないか。
石油製品もあったかもしれない。
記憶で書いているので、それほど定かではないが、それほど広い範囲には及んでいない。
サムスン、現代自動車、LG、ポスコなどの主要企業の輸出にほとんど負っている。

日本は違う。
日本の輸出する製品は非常に幅広くなっている。
特に素材部品部門が強くなっていて、消費者ではなく生産者に供給している。
直接消費者ではないので価格よりも品質が重視されることも、それらの製品に特化しているといっていい。
そして、良く言われるように、韓国の輸出産業への素材や部品を供給しているのは日本の輸出産業なのである。

そこで、貿易の比較優位の原則が重要になってくる。
もし、日本が韓国の企業と競争している部門で勝つならば、韓国は輸出できるものがなくなってしまう。
輸出できなければ、貿易収支の悪化から、ウォン安になる。
そうすれば競争力は回復して、日本の企業を上回るようになるわけだ。
貿易収支の悪化が単純にウォン安につながるかどうかは難しい。
為替相場に最大の影響を与えているのは、金利ということになっている。
しかし、それでもサムスンが日本の企業に負ければ景気が悪くなることで、金利が安くなり、やはりウォン安になるだろう。
韓国の競争力が復活することは間違いない。

結局、日本の企業、ソニー、松下、シャープが競争しているのは韓国の企業ではないのだ。
日本の信越化学や旭硝子などの企業と戦っているのだ。
それらの企業に比べて、生産性が低いから韓国に負けている。
生産性と言っても、この場合は寡占市場における支配の能力によって、価格を上昇させる力を持っているということだ。
価格を上昇させることができるので、生産性は高くなるというわけだ。
逆に言うと価格勝負の市場の場合、韓国は勝てるようになるまでウォンは安くなる。
だから韓国の企業は勝つというわけだ。

もちろん、こういう単純ではないパターンもある。
韓国内でも組立てしていたら、採算が取れない製品も多くなっている。
携帯電話や家電とかは、中国で組立てないと競争に勝てない。
そういう部門で日本が負けるのは、日本企業の力不足だろう。
特にちょっと前の景気が良かった時に、工場を日本に持ってきたのが良かったことなのか。
その時点では、確かに日本の工場立地に優位性があったのだろうけれど、長い目で見ると問題だった気がする。
ただ、この点は日本企業も本格的に世界展開しなくてはいけないと感じているみたいなので、期待できる。

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