異をとなえん |

普天間基地暫定使用という茶番

2010.03.04 Thu

03:45:31

どうも良くわからない。
なぜ普天間移転が日米同盟の亀裂などと言った大問題になるのだろう。
もちろん、普天間基地の辺野古への移転は自民党政権とアメリカによって合意してきた政策であり、それが反故になれば推進してきた人々にとって打撃になろう。
けれども、移転が中止になったとしても、その場合は普天間基地が残り、海兵隊のグアム移転が中止になるだけだ。
つまり、日米同盟の基軸は変わらない。
鳩山政権が普天間基地の移転場所がない、でも残留も認めないならば、確かに日米同盟の大問題だが、そこまでする気はないように見える。
暫定的でいつまでも結論が出ないのは、当事者にとっては気持ち悪いだろうし、いらいらする。
それでも、特に困る人がいないならば、そのまま進んでいくのが世の中の常だ。
今度の普天間基地の移転問題では普天間基地の回りの住民にとって生活環境の悪化が問題だった。
だからこそ、日本政府は苦労してアメリカ政府に譲歩してようやく移転の約束を取りつけたのだ。
しかし、現在普天間の回りの人々は移転を声高に言い募っているように見えない。
ということは移転が止まることもありえる。

日米同盟は戦後成立してから、ずっと続いてきた。
当然相互にとって利益があったからだ。
戦後日米安全保障条約が成立して始まったわけだが、結ばれた当初は占領政策の延長だった。
相互の利益と言うより、アメリカが占領を続けるための理屈でしかなかったと言えよう。
それが1960年の日米安全保障条約の改定によって変わった。
相互の利益が明確化されたのだ。
日本にとっての利益は他国からの侵略に対する安全保障の確立だ。
ソ連が存在した当時、共産圏からの侵略は現実の脅威であり、そこからの防衛は日本にとっても重要な課題だった。
アメリカにとっての利益は自由主義諸国の防衛その物だ。
アメリカは自由と民主主義を国のイデオロギーの国是としていることもあって、自由主義の国を守ることを当然視している。
一つの国が共産化すればその隣りの国々も共産化するというドミノ理論によって、アメリカは多くの自由主義の国を守ることに手を貸していた。
朝鮮戦争での韓国の防衛やヴェトナム戦争でのヴェトナムの防衛など、特にアメリカにとっての利益がなくてもイデオロギーのために戦争に飛びこんでいった。
それは今も変わっていない。
クエートの防衛にしても、かなり変わってはいるが他国からの侵略に対しては手を貸すというアメリカの正義の現れだ。
日米同盟はそのための約束だった。
日本の防衛に手を貸し、そして世界全体の自由主義諸国の防衛の基地として日本を利用する、それがアメリカの利益だった。

基本的にそれが続いていたわけだが、思いやり予算で一つの変容が起こった。
簡単に言えば世界秩序の安定について、日本も責任を負うようになったわけだ。
日本への侵略の脅威は日本の国力の強化に伴って、現実味のないものになっていった。
ソ連の侵略にしても、渡洋能力等を考えれば簡単にはいかない。
つまり、在日米軍がなくてもそれほど問題はなくなった。
そうすると、土地などを提供して米軍に駐留してもらう必要はない。
それでも、日本が米軍の残留を認めるのは、核の脅威から守ると言った総体的な保障のためだ。
それだけではない。
日本も自由主義圏の国として、世界秩序の安定に貢献する気になったからだ。
憲法上の制約から、他国に軍事的な保障を与えるわけには行かないけれど、世界秩序の安定には貢献したい。
その現れが思いやり予算である。
つまり、現在の日米同盟というのは、世界秩序の安定のための同盟として、相互にとって利益があるものになっている。
日本が思いやり予算をどの位出すべきなのかは、論議のあるところだろうけれど、まあ適切なのではないか。
商品の売買は成立すればどちらにとっても利益があるが、価格設定によって儲けは当然変わってくる。
思いやり予算によって日米共に利益を出していると思うけれど、その利益がどのぐらいかはよくわからないわけだ。

鳩山政権は5月に普天間移転問題の結論を出すとした。
どのような結論になるだろうか。
本命はやはり先延ばしだろう。
形としては、普天間基地を廃止して移設先はないという結論が出るかもしれないが、アメリカが簡単に飲むとは到底思えない。
日本から追い出すための手段もないように思われる。
思いやり予算を停止すれば、出ていく気になるかもしれないが、日米関係が非常に悪化しそうで、そこまでやる度胸が鳩山政権にあるとは思えない。
そうすると、アメリカが拒否して、そのままずるずるとなる。
ガソリン暫定税が36年続いた国だ。
しかも、暫定が取れただけで税金自体はそのまま続くという。
暫定基地だって36年くらい可能だ。
普天間移転問題だって14年前に方向が決まっても進んでいない。
これは普天間基地の移転がそれほど重要でないことの表れだ。

普天間基地の使用も減っていると聞く。
そうすれば、基地近くでの事故も起こりにくくなる。
有事の際に使用できれば十分だ。
有事の時に事故は起こりやすくなるだろうけど、その時には世論が変化している可能性が大きい。

結論、普天間基地をそのまま使用で日米交渉はさらにうだうだ続く。
交渉自体は社民党の顔を立てるためにも、沖縄県民の顔を立てるためにも必要となる。
外務省、防衛省の担当者はご苦労さん。
アメリカ側の交渉担当者はあきれてしまって、日本の意見など気にもとめないだろう。
日本としては恥ずかしいけれど、もうこれしかないと思う。

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら

278 鳩山首相はバカなの?

最近の民主党はどうかと思う。 予算案を通せば支持率は上がるなんて、自民党が言ってきたことだろう。 その言葉を繰り返している。 麻生政権は金をばら撒いても支持率は回復しなかった。 子供手当てで金をばら撒いても、支持率は回復するわけがない。 子供手当て自体には賛成...