異をとなえん |

成長戦略がないことは正しい

2009.12.01 Tue

02:14:02

民主党には成長戦略がない、という批判がある。
物凄く納得できない。
どこの分野が成長できるかなど、国は判定できるのだろうか。
そんなことは無理だというのが、ソ連社会主義体制崩壊の教訓ではなかっただろうか。
日本が戦後通産省主導による、高度成長が実現したように見えるのは、目指すべき目標がはっきりいていて、かつ日本がちょうどそれにキャッチアップするのにいい時期であったからだ。
中国やインドなどはソ連を見習った感じの重化学工業化を進めたが、その国の進歩に合っていなくて挫折した。
日本の重化学工業化がうまくいったのは、通産省のせいではなくたまたまの偶然だろう。
そして、実際の発展の中では、鉄鋼産業や自動車産業をコントロールしようとして、むしろ発展を阻害させた嫌いもある。
そう考えると成長戦略など、なんの意味があるのかと考えてしまう。

今の民主党の成長戦略批判には二つの流れがあると思う。
一つは次世代の成長産業がはっきりしていないという批判だ。
もう一つはケインズ経済学的な需要不足を補う公共投資の不足という批判だ。
最初の成長産業がはっきりしていないという批判は、たとえば太陽電池による発電の買い取りなどで見られるように、それなりにやっているのではないだろうか。
もちろん、私はそれには批判的なのだが。
日本経済の次の成長産業がはっきりしていないことが、ある意味日本経済が成長していない原因なのだ。
それなのに、政府が安易に決めた産業が成長産業になることなどありえない。
本当の成長産業になるためには、利益を上げることが必要なのだから。

事業仕分けは「悪いリストラ」の典型になっていないか?

引用開始

 その意味で、今回のように政権として重視する分野、伸ばすべき分野を明確にしないまま予算の削減を行ったのは、企業に例えて言えば、短期的に収益を向上させるために切りやすいコストを何でもカットして、強化すべき将来のコンピタンスの種まで摘んでしまい、中長期の成長性に悪影響を与えるという、悪いリストラの典型です。
引用終了

国家は企業ではないのだから、どこが成長するかなど言う勝負をする必要がない。
民間企業がその勝負をしてくれる。
国はその勝った民間企業から税金を受け取れるのだから、それでいいわけだ。

民間企業が勝負しなかったからなどいう予想は意味がない。
人間は成長していく生き物であり、それで発展してきている。
今回だけうまくいかないなどと言う、ことはない。

むしろ問題なのは、世間のほとんどが成長すると見ているにもかかわらず、うまく行っていない産業だろう。
たとえば保育所だ。
待機児童の増加はずっと前から問題になっているのに、解決に向かっているとあまり見えない。
市場経済ならば不足しているものは、早急に解決していくはずだ。
そうなっていないのは、なんらかの制約があるわけで、その制約を解消しようと努力することが国としては大事なのだと思う。
この時重要なのは、保育所の施設を直接国が増加するような、市場のゆがみを促進するような方法を取らないことだ。
どこに副作用がでるかわからない。
できるだけ、市場に制約を与えないで問題の解決をはかった方がいい。

もう一つのケインズ経済学的な成長戦略批判に対しても、公共投資を今までやってきても、成長にあまり効果を与えなかったことからも、正しいとは思えない。
建設産業の生産性は低いのだから、それを育成しようなどと考えるのは間違っている。
単なる雇用の維持のためならば、生産性の高い他の部門への転換をできるだけ進める方向になるべきだ。

結局、民主党の政策にいろいろ問題点があるのは、確かにしても成長戦略がないという批判だけは納得がいかない。

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