異をとなえん |

アメリカの景気後退の影響は?(中国経済の転換点-その5)

2007.09.10 Mon

23:54:50

中国経済は賃金上昇を背景とした物価上昇によって、新たな局面を迎えた。農村からの人口流出圧力と都市の人口吸引引力によって、都市に人口が集中しはじめる。賃金の上昇と都市への人口の集中は、他の国と関係なく経済を自律的に発展させる事になった。

それでは、アメリカがサブプライム問題で景気が後退するのではないかという予測が出ているが、中国経済はアメリカが景気後退を起こし、現在のように輸入しなくなっても大丈夫だろうか。結論から言うと、私は大丈夫だと思う。中国経済はアメリカが景気後退を起こしても、自律的に成長できる。

輸出の最も重要な目的は、輸入する製品のための外貨を稼ぐことである。中国は爆食経済と形容されるように、経済成長のために膨大な資源を輸入している。原油、石炭、鉄鉱石と日本に替わり資源輸入の世界一になろうとしている。そのための金額は非常の大きい。しかし、中国経済は膨大な経常黒字があり、膨大な外貨準備を持つ。アメリカがかなりの不況になったとしても、経常黒字がなくなる可能性すらほとんどない。そして、膨大な外貨準備がある以上、経常黒字がなくなっても当分持つ。つまり、輸入の為に必要な金に困る可能性はない。

輸出のもう一つの大きな役割は、中国経済の中での需要としてである。中国のGNPの中で輸出の割合は非常に大きい。30%ぐらいある。中国の統計はあまり信頼がおけないと思っているので、数値はあまり重要視しないが大きい事は確かである。アメリカ経済の不況によって、この輸出が減ればGNPの伸びは止るのではないだろうか。

もちろん、アメリカからの輸入減少が起これば、かなり痛いだろう。ただ、輸入がほぼ一定になるぐらいならともかく、減少させるのはかなり大変である。中国の安価な製品はなかなか代替できる国はいない。そして、賃金上昇によって発生する消費の拡大は、アメリカの輸入停滞を十分に補える。

経済が成長する理由は物すごく簡単に言えば、生産性が低い所から生産性が高い所に移る事によるエネルギーの発生である。生産性を高めるには技術革新が必要だが、中国にその能力は乏しい。しかし、今ある生産性自体を高めなくとも、生産性の低い部門から高い部門へ人が移る事によってそれだけで経済は成長できる。サービス部門はその典型で農村から都市へ人が移る、それだけで生産性は向上する。また、人の移動は新たな労働需要は生みだす。教育、建設、運輸等のサービス業が生み出されてゆく。労働需要の逼迫によって起こった、この流れは簡単に止まらない。外資の導入によって発展してきた部門とそれ以外の部門が一つに結びついて、一つのまとまった中国経済が生じつつあるのだと思う。この中国経済は当面自律的に発展し続ける。

ここまで、中国の薔薇色の未来を話してきたがそれは経済面だけである。経済以外の面では問題は山積している。次からは経済以外、特に政治について書く。

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