異をとなえん |

中国の貿易収支が黒字だった理由(中国経済の転換点-その3)

2007.09.05 Wed

02:05:37

中国経済が賃金上昇を原因とした物価上昇を開始したら、何が起きるだろうか。第一に、貿易収支が急激に悪化すると思われる。

現在、中国は世界で最大の貿易黒字を出している国である。では、なぜ中国は貿易黒字国なのだろうか。過去、高度成長をした国、日本や韓国などは高度成長している最中は貿易収支は大体とんとんで、経済が加熱し過ぎると赤字になり、引締めて黒字にする事を繰り返していた。中国は高度成長をしているにもかかわらず、'90年代前半に為替を調節してからずっと貿易黒字を続け、最近では1000億ドルを超えさらに増えている。変である。

この原因も、失業状態の人間が多いために、賃金が上昇しなかったからだと思われる。生産活動は土地、資本、労働者の三つから成り立つが、賃金が一定だと言うことは労働者の取り分は一定であり、利益のほとんどは、土地、資本を提供した共産党、経営者、外資の元に入った。共産党、経営者、外資の消費できる量は限られていて、ほとんど貯蓄に回った。設備投資に回った分もあるだろうが、利益が増大している中で使い切れないのだろう。

今回、賃金が上昇しているならば、労働者の取り分が増えるということであり、分配率が向上していく。その結果、労働者の消費が増える。賃金の上昇によって物価が上がり、需要の増大によって、さらに物価が上がっていく。今までのバランスが崩れ、中国内部で需要を賄っていたものも、国際価格を国内価格が超えた場合、輸入が急増する。その結果、貿易収支は急激に悪化していく事になるだろう。

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