異をとなえん |

金融危機はMRJにとって追い風である

2009.05.21 Thu

01:40:36

2ちゃんねるでMRJ関連のスレッドを読んで感じたことを書いてみる。

金融危機が始まってから、MRJは受注が全然増えていない。
一番最初のANAから受注した20機で全部である。
しかし、これは明らかに追い風である。

受注が増えていないのは当たり前だ。
実機が出ていない状態で、新参の会社に注文するほと世の中は甘くない。
実際に航空機ができて、
本当に仕様通りの性能が出ているかを確かめてから注文する。
もちろん、市場が過熱ぎみならば、
つばをつける意味で注文することもありうる。
しかし、今は航空会社は大不況の真っ最中で、そんな余裕はどこにもない。
MRJに注文が出てこないのは当然だろう。

ただ、これは幸運なのだ。
好況が続いていたならば、
ボンバルディアエとエンブラエルの競合社に市場を取られていた可能性が強い。
航空機は何十年も使うものなのだから、一度生産してしまえば、
市場の規模は限られてしまう。
三菱は90人乗り前後の旅客機で最後発だ。
その替わりカタログスペックは良くなっているが、
欲しい時が買いたい時で、市場に取り残される可能性も大きかった。
現在の不況で航空会社はみんな注文を絞っていると思われる。
原油も一時期の急騰ぶりに比べれば大幅に下がった。
また60ドル台に上っているが、それでも随分安い。
原油の価格が下がったということは、燃料代が安くなることであり、
そうなれば燃費のいい旅客機への転換を急ぐ必要がなくなる。
今ある旅客機で、減った需要をなんとか賄っていくのが、
航空会社の戦略になるだろう。

MRJの開発が順調に進み、実機ができるころには、
景気は回復しているかもしれない。
そうすると、航空機製造会社は横一線で競争をすることができる。
ボンバルディアやエンブラエル、
最近参入してきたロシアや中国とも互角に戦える。
燃料代の高騰は今後常に起こりうるものとして、
航空会社は考えるだろうから、燃費は最重点項目の一つだろう。
燃費が一番いいMRJは有利な立場に立てる。

MRJがほぼ完成した頃でも、景気が回復していない可能性はある。
その場合会社としては、苦しい限りだろうが、
それはそれとしてやっていくしかない。

最後に、その2ちゃんねるのスレッドで面白かった記事を今後の参照のためにメモしておく。


511 NAME: NASAしさん DATE: 2009/05/20(水) 00:02:44
U.S. Regionals Forced To Consider Course Corrections
の乱暴極まりない要約。

・米国のRJ市場は昨年前半まで燃料費高騰、後半以降の金融危機によって凍り付いてしまった。
・米国内のRJは2000年の2000機台から2005年には2500機まで急増したが、その後の3年で元に戻
ってしまっている。特に50席以下のRJは経済性を完全に喪失した。
・米国のRegional Airlineは、大手キャリアからフィーダー部の運航を請け負うことによって成
立していたが、RAの採算性が悪化し、いまや会社自体がペニー単位で取引されるかねない状況に
なっている。
・このようなRAは資本が乏しく、経済性の良い機材を確保して採算性を改善したり、新規市場を
探索する事は早期には困難である。このため、急速な需要収縮に対しても、模様眺めで耐乏して
いる会社が多い。
・一方で、RAをLCCとみなす大手キャリアは自らの採算性改善の為、次第に国内幹線級の路線に
ついてもRAへの運航委託を模索するようになっている。
・これらの傾向は、RJの大型化をもたらすだろうし、現にRA大手のRepublicやMesaは保有機に占
める70席以上の機材が増加しつつある。
・また、破産したRAを吸収合併することによるRA自体の拡大も見られるようになっている。
(MesaによるHawaian買収やRipublicによるFrontier救済等)
・しかし、まだまだ米国のRAやRJ市場は冬の時代が続き、多くの会社が消えるであろう。

※日本ではRAはあくまで大手キャリアの子会社だが、米国ではRAは独立会社で大手キャリアとは
運航委託契約でネットワークを形成しているケースが多い様だ。

512 NAME: NASAしさん DATE: 2009/05/20(水) 00:03:37
>>511についての所感。

この記事からうかがえることは、市場やビジネスモデルの転換でもない限り、米国の市場は当面
は凍りついたままだろうということ。
このため、MRJにしてもCSeriesにしても当面米国での受注は悲観視している。
一方で、今後問題になるであろう条件は、大手キャリアからの運航受託の拡大に伴う、パイロッ
ト労働条件の変更。特に、現在70席台までという制限のところが多いRJの座席数制限条項が今後
どこまで緩和されるかが、今後の動向を左右すると思われる。
90席台まで緩和されるならMRJ90に有利だし、一気に130席あたりまで拡大されたら、CSeries100
/300に追い風が吹くだろう。傾向によっては米国市場専用モデルとされるMRJ70の実現性や、
MRJ110の構想にも影響が出てくることは疑いない。
ただし、RAの財政状況は当面回復は困難だろうという点、運航委託拡大と言っても大手からすれ
ば下請けへの安値委託に他ならないから、MRJもCSeriesも運行コストだけでなくイニシャルコス
トの低減が大きな課題になるかもしれない。
ぶっちゃけ、米国の航空各社は4年後はおろか2年後も見通しての投資が出来なくなっているとし
か思えない。これじゃ2-3年後初飛行の機材なんてとても買えない。



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