異をとなえん |

一度も植民地になったことがない国 - 世界は日本化へ向かう(その2)

2009.05.11 Mon

00:59:53

「一度も植民地になったことがない日本」という本がある。
さらさらとめくってみたが、あまり面白くなかったという記憶があるだけで、
内容は全然覚えてない。
ただ題名だけが秀逸で、その説明の前書きのあたりを覚えている。
著者のデュランれい子氏によると、ヨーロッパの人と話をしていると、
アジアアフリカ諸国はみんなヨーロッパの植民地だったという認識があるので、
日本は植民地ではなかったというと驚かれることからつけたとしている。
そんな前書きだったと思う。
私が題名の付け方で感心したのは、
アジアアフリカ諸国だけではなく、世界全てで、
一度も植民地になったことがない国というのは日本だけだということだ。

世界の地図を考えてみると、
新世界の北米中南米オセアニアの国々は大航海時代ヨーロッパに占領され、
植民地として開発された。
アジアアフリカは、ほとんどが植民地化され、
独立を保ったのは、エチオピア、タイ、日本ぐらいだ。
中国はこの時代ヨーロッパの植民地とは言えなくとも、
清自体が満洲族に占領された中国で、植民地そのものだ。
タイはwikipdeia
によると、13世紀ごろにクメール人などが住んでいた地域を征服した王朝だ。
植民地国家が独立せずに、一つに融合した国家だ。
エチオピア
は詳しいことはよくわからない。
ただ、実際の国家の成立は10世紀以降と思われるので、
一つの共同体としてのまとまりはかなり弱いと思う。

ヨーロッパもほとんどはローマ帝国の植民地と言ってよく、
その上にゲルマン民族が移動することによって成立した国家だ。
発端は征服王朝だといっていい。
征服王朝が被支配民族と一体化してできたのが、ヨーロッパの国々だ。
独立した植民地よりも支配階級と被支配階級の差は大きいと、いえる。

日本以外で一番古く国家として成立したのはフランスではないかと思うが、
そのフランク王国の成立が5世紀だ。
ゲルマン民族の移動による国家成立だから、
それまでいた住民を支配して成り立つ国家であり征服王朝だ。
そこから、一つの共同体としてのまとまり意識を持ったとしても、
日本とは比べものにならない。
日本が弥生系の住民による縄文系の住民の支配国家だとしても、
たぶん成立は紀元前だから、誰も覚えていないほど昔の話だ。
実際現在の日本では、そこから来る階級意識などみじんもない。

私が植民地であった経験、
あるいは征服王朝国家だった経験を問題にしているのは、
それが支配階級と被支配階級を生みだし、国家の間に断絶を作り出すからだ。
征服王朝国家では、支配階級と被支配階級の間に血縁がない。
言語も通じないことがしばしばだ。
そのため情け容赦ない支配が貫徹される。
これは国家の性格に多大な影響を及ぼしている。

前回、
日本とそれ以外の国々の間の最大の違いを、戦争を前提にしているかどうかとした。
それと同時に、密接に関係しているけれども、
ちょっと違うのが支配階級と被支配階級の区別だ。
区別があれば階級社会といえる。
日本はないと言っていいが、その他の国は多分にその傾向が強い。
これからの話では、
戦争を前提にしているかどうかの違いを中心に話を進めていく予定なのだが、
階級社会であるかどうかの話も少し出てくるのではないかと思う。
そのため、日本と日本以外の国家の本質的な違いの2番目として追加しておく。

ただ、階級社会というのはかなり改良されてきている。
ヨーロッパが未だに階級社会というのは、よく聞く話だが、
アメリカはそうとはいえない。
黒人を被支配階級ととらえる考え方もありそうだが、
被支配階級より支配階級の方が多いのは、あまり階級社会とは言えない。
白人のみの部分に焦点をあてれば、階級社会に固執するのは間違いだろう。
だから、階級社会の部分については、それほど重視せずに書いていくつもりだ。

関連記事
世界は日本化へ向かう

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら