異をとなえん |

核の傘

2007.03.22 Thu

21:00:54

最近、こんな記事を読んだ。

有事「核の傘」どう機能、防衛省が米に概要提示要請へ


 防衛省幹部は「日米共同作戦計画をきちんとするためには、最後は、核をどうするのか、本当に使うのか、いつ使うのか、について、日本側が米側から聞く必要がある」としている。

(2007年3月20日14時33分 読売新聞)



いい事だと思う。核兵器保有論議など言うより地に足が着いた議論が期待できる。ただ、「核の傘」と言った時日本が核攻撃された場合、自動的にアメリカは核による反撃を行なうと考えるのは思考停止のような気がする。

私は北朝鮮の核攻撃に対してアメリカの核による報復攻撃はありえないと思う。

なぜか。核を使わなくても、通常兵力の使用により軍事的な勝利が可能だと思われるからである。北朝鮮には核兵器自体が極めて少ないと見られているし、運搬手段にも制約が極めて多い。アメリカのピンポイントな爆撃によって十分破壊する事が可能である。

軍事的な効率から核の使用が要望されたとしても、通常兵器によってそれほど被害が出る事なく、相手兵力を粉砕できるならば、民間人の大量虐殺の危険性がある核は使用できない。「それほど被害が出る事もなく」は、相手国からの攻撃によって被害が生じず、事故による被害のみの場合を想定している。北朝鮮の場合はそれが成り立つと思う。

なんとなく理不尽な感じもするのだが、北朝鮮はその軍事的弱さによって核攻撃の対象として有効でない。

よって、北朝鮮が核保有国になったのだから、日本も核保有国になるべきだという意見はあまり有効でないと思う。もちろん、通常兵力による北朝鮮攻撃もできない現状を考えると、一気に北朝鮮の攻撃力を破壊し日本の安全を守る核保有も魅力がある。しかし、核による攻撃にかかるためのコスト、もろもろの政治コストも含めたコストは通常兵力の増強にかかるコストを、大幅に上回るだろう。その事を考えると、地道な通常兵力による攻撃力の強化こそが本筋だろう。この議論は北朝鮮への攻撃力を持つならば、まず通常兵力の増強をという話なので、北朝鮮への攻撃はアメリカにゆだねるというならば、それは別の議論になる。

核による抑止理論は真面目に考えると難しい問題がいろいろあって簡単に結論が出せない。しかし、北朝鮮のような弱者の恫喝は核を保有したからと言って防げない。そうすると、核保有よりミサイル防衛システムこそが意味のある対抗手段なのだと思う。

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