異をとなえん |

不良債権処理は簡単には終わらない - なぜ日本のバブル崩壊後の停滞は長く続いたのか?(その5)

2009.02.13 Fri

02:20:33

このシリーズの本論と話が少しずれるが、不良債権処理について少し語っておきたい。
アメリカでバッドバンク構想というのが話題になっている。
銀行から不良債権を買いとって、銀行の貸し渋りを解消しようというものだ。
日本でもバブル崩壊後、不良債権処理の重要性が、
再三言われたが、なかなか解消しなかった。
原因は銀行が損を出すのが嫌だからであり、
それと同時にいずれは土地価格は元に戻るという観測をしていたからだ。
銀行は土地を担保にして融資していたから、地価さえ上昇すれば、
今は不良債権でも回収できるとずっと思っていた。
だからこそ、追い貸しをして不良企業の面倒をみてきたのだ。

今回のアメリカの不良債権処理でも同じことだ。
アメリカの銀行は、住宅価格がまた元に戻る希望を持っているならば、
なかなか安値で売ることには同意しないだろう。
住宅価格はいずれ元のトレンドに戻るとして、価格を算出することを要求する。
政府の方は少くとも、時価以下を要求するだろう。
銀行がリバウンドの夢を持ち、政府が銀行を儲けさせたくないと思えば、
なかなか話は決まらない。
最終的に不良債権処理が進むのは銀行が未来に対して希望をなくし、
底値だとしても売っていいという覚悟を決めた時になる。
このあきらめは、住宅のように百年以上持つのならば遅くなる。
土地のように半永久的の持つものならば、なおさらだ。
損だと思う処理を相手に強要することはできない。
時間がかかることになる。

私がこのシリーズで語っているように、
石油による自動車文明が終わろうとしているならば、
アメリカの住宅価格は、とめどなく下落しても不思議ではない。
上の方はその危険に気付かなくとも、末端の住宅所有者は、そ
の危険を強く意識するはずだ。
私は、日本から机上の観察で意見を述べている人間だから、全然説得力はないが、
前にトラックバックした記事を読んで欲しい。

衰え行く「郊外」、、、、


街中から郊外への人の流れは、都市の荒廃や、子沢山のベビーブーマー世代の広い家・よい学校区を求める動きから加速してきた。しかし現在では、「街中」への回帰が進みつつある。
(略)

現在のアメリカ不動産は、「商店街」への徒歩生活圏が、たった5%から10%しかない。しかしながら、BostonとAtlantaの住人に行った調査によると、1)1/3は狭くてもよいので街中の徒歩生活圏内に住みたい、2)1/3は街中でも郊外でも特に好みはない、3)残りの1/3は予算が許せたら街中にすみたい、と答えている。
(略)

石油と光熱費の高騰も、街中の生活を後押しする。このままの高騰が続け
ば、郊外の生活の相対コストは増加する。
(略)

この傾向が続くと郊外の住宅地は、低所得者向けの賃貸エリア化してしまう可能性もある。しかしながら、間取りが「家庭向け」なので、1人暮らしなどの小世帯には対応できず、また、つくりが荒いので、メンテの手間もかかる。



郊外の住宅はほとんど住めなくなり、価格0になるということだ。
不良債権処理で全て損になるという衝撃の結末だ。
受け入れがたいというのは当然だろう。
心を癒やすのは時間がかかる。
まだまだ、先は長い。

今回のバッドバンク構想がうまくいかないのは当然だ。

関連記事は下記
なぜ日本のバブル崩壊後の停滞は長く続いたのか?
アメリカの大恐慌が長く続いた原因は? - なぜ日本のバブル崩壊後の停滞は長く続いたのか?(その2)
石油危機後に起こったこと - なぜ日本のバブル崩壊後の停滞は長く続いたのか?(その3)
アメリカ経済の今後の動向は? - なぜ日本のバブル崩壊後の停滞は長く続いたのか?(その4)
アメリカの不動産

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