異をとなえん |

アメリカ経済の今後の動向は? - なぜ日本のバブル崩壊後の停滞は長く続いたのか?(その4)

2009.02.06 Fri

20:40:39

アメリカ経済の今後はどうなるだろうか。
とりあえずは、バブルの後始末に追わるれることは間違いない。
金融危機はその第一の衝撃だが、その揺れはようやく吸収できたところだろう。
本格的な不景気はこれからやってくる。
日本もまさに直面している不景気だが、住宅価格がどうであれ、
どこかで底を打つことは間違いない。
問題はその時、住宅価格も底を打っているかだ。
それはアメリカ自動車文明がどうなるかという問題だ。

アメリカ自動車文明はどうなるか。
人類の消費している資源のうち、アメリカ人はかなりの部分を消費している。
たとえば、原油の消費量のうち4分の1はアメリカだ。
アメリカは世界の人口の5%で石油の25%を消費している。
日本が世界の人口の2%で石油の5.8%を消費していのに比べると、
一人当りで2倍近い消費量の差になる。
自分たちの国にあるものを消費しているだけなら、
認めるとしても、既にアメリカが石油輸入国になって久しい以上、
それは認められるだろうか。
今までは、世界中から資源を輸入してなんとかしてきた。
しかし、中国、インド、ブラジルといった国が成長してきた。
彼らの成長が本物かどうかは別にしても、
ある程度の成長軌道に載ったことは確かなように見える。
中国、インド、ブラジルの人口を合わせれば、地球人口の40%にあたる。
それらの国が成長すれば資源の大量消費に結びつくだろう。
中国の自動車販売量が今年アメリカを抜くかもという記事をどこかで読んだ。
これがずっと続くならば、中国のガソリン消費量がアメリカを抜くことになる。
だとしたら、ガソリンが安いままでいることは考えられない。
今でさえピークだとも言われているのに、
消費に合わせて供給量を増やすことは難しい。
そして、維持し続けることはさらに難しいだろう。
結局、価格が上昇して需要を減らすしかない。
それは、アメリカ自動車文明の終りだ。

別の面からも考えてみよう。
地球温暖化の話だ。
二酸化炭素の排出によって、地球が温暖化されるというのは、
一応定説になってみたいだ。
多くの国で二酸化炭素排出量の規制に乗りだしている。
定説が正しいかどうかに関係なく、規制はかかってゆく。
それは二酸化炭素は排出する資源の消費にストップをかける。
あるいは、なんらかの方法で二酸化炭素を救出することになる。
なんらかの方法は費用の上昇をもたらすだろう。
どちらにしても、石油価格は上昇し、ガソリン価格は上昇する。

ブッシュ大統領はエタノールを自動車の燃料として、
使用するように奨励したが、
市場ではまだ実用化されていなかったものを、
無理矢理使わせることは費用を上昇させる。
電気自動車にしても同じことだ。
技術開発の進歩によって、未来には今のガソリン自動車と同じ距離を走って、
費用が同じになるかもしれない。
けれども、現在は走れる距離は短かいし、車の価格は高い。
消費が制限される、生活が不便になるということでは、同じことだ。
これもアメリカ自動車文明の終わりに結びつく。

石油価格の未来の予測は難しい。
石炭、天然ガス、
原子力といった現在使えているエネルギーの供給も増えてゆくだろうし、
太陽電池などの新エネルギーもある。
前の石油危機の時に、石油ピーク論がはばをきかしたように、
今回も一時的な価格上昇を真剣に捉えすぎているだけかもしれない。
あるいは、逆に突発的な価格上昇こそが、
トレンドの変化であらわすものであり、
今後も突発的に価格は上昇していくのかもしれない。
そして、その周期を短かくしながら繰り返していく。
どちらが正しいか、予測などできるものではない。

私はわからないで済ませられる。
どうなろうとも、現在決断することはない。
しかし、アメリカの郊外の住民は違う。
現在の決断は今後の生活を左右する。
まさに難問が突き付けられているのだ。
前にも述べているように、これを考えている間は、
消費は低迷し貯蓄が増えることになる。
迷っていること自体が上向きのトレンドを打ち消し、住宅価格を低迷させる。
石油価格についてある程度の見極めがついたとしても、
都心からどのくらいの距離の住宅が使い物になるかの判断は簡単にはつかない。
石油価格と技術進歩の動向、その結果起こる都市の盛衰、
それら全てを含めた判断が住宅の価格を決定する。
この問題を解くことができる人は誰もいないだろう、
個人が自分の生活をかけて判断するしかない。

今まで述べてきたことを勘案すると、
前の石油危機の時のように石油価格が十分に安くなり、それが長く続けば、
景気は回復し、それほどとはいっても、
4、5年くらいで景気は回復するかもしれない。
しかし、アメリカ自動車文明自体の変質が求められているならば、
景気の低迷からの回復には十年以上かかるはずだ。

関連記事は下記。
なぜ日本のバブル崩壊後の停滞は長く続いたのか?
アメリカの大恐慌が長く続いた原因は? - なぜ日本のバブル崩壊後の停滞は長く続いたのか?(その2)
石油危機後に起こったこと - なぜ日本のバブル崩壊後の停滞は長く続いたのか?(その3)

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100 タイトル名変更

この記事は、「なぜ日本のバブル崩壊後の停滞は長く続いたのか?」のシリーズとして書きました。
タイトルにその部分が抜けていたので修正しました。

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