異をとなえん |

「沸騰都市 サンパウロ」感想

2009.02.02 Mon

00:58:03

沸騰都市5回目はブラジルサンパウロを舞台にする。

金融危機があったわりには元気だなというのが、第一印象だ。
世界のあちこちが不況でダウン寸前なのに比べれば、うらやましい。

道の真中で新聞を売っている女の子が印象的だ。
NHKの演出に素直にはまっている自分がいる。

ただ、テレビでの印象を別にすれば、ブラジルが今後も元気かは、疑わしい。
番組では、ブラジルの今後を支える力は、さとうきびから作られるエタノールとし、
そして、そのさとうきびの畑を拡張する余地が幾らでもあることを、
ブラジルの将来性としている。
エタノールは結局は太陽エネルギーを人間に使いやすいように変換したものだ。
石油が過去に蓄積した太陽エネルギーを一挙に取り出す事を考えると、
石油より能率は悪い。
石油が幾らだったら、さとうきびから作ったエタノールは競争力を持つのだろうか。
ブラジルのエタノール産業が今回の石油危機の前は鳴かず飛ばずだったのを考えると、
今後を楽観できない。

もっともブラジルは番組の中でも出ていたが、自力で富を生み出しているイメージがある。
ロシアのように石油を売って富を作っている国や、
中国のように労働力で物を組み立てて富を作っている国に比べると、
外部への依存はそれほど大きくはない。
2006年の輸出依存度が13.3%と格段に低いのだ。
これより低い国はアメリカの7.8%ぐらいだ。
同じぐらいの国といて、インドの13.6%、日本の14.8%がある。
エネルギー資源さえ自国で賄えれば、他国と関係なく経済成長できる夢を持たせる。
しかし、他の発展途上国と比べると、
なぜブラジルだけそんなに輸出依存度が低いのがよくわからない。
大国だということを考えても少すぎる気がする。
それなりの大国だけど、技術が遅れていて他国に輸出するものを作れないのが、
働いているのだろうか。
航空機産業はあるけれど、ブラジル全体のGNP1兆4920億ドルに比べると、
エンブラエルの売上高は52.4億ドルと規模はたいしたことない。
実質的な意味があるのかどうか。
どうも、第一印象を掘り下げてみると、わからないところだらけだ。

そんな、難しいことを考えずに、
楽観的な国民性がブラジルを元気にしているのかもしれない。
景気が気からという、そんなしょうもないことを考えさせられた番組だった。

このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

コメント

97

>NHKの演出に素直にはまっている自分がいる。

東京都民生活18歳から42年間の60歳です。
NHKが「最終の東京」を如何に描くかが楽しみです。

98 三成21さんへ

三成21さん、コメントありがとうございます。

> 東京都民生活18歳から42年間の60歳です。

私は東京生まれの東京育ち、今も東京です。
42年前といえば、ものごごろついた時分です。
あの頃の東京とはずいぶん変わりました。
私の思いつく、一番の変化は駅が近くにできたことかな。
今は江東区に住んでいますが、
昔は工場しかなかった地域がマンションと公園ばかりになりました。

> NHKが「最終の東京」を如何に描くかが楽しみです。

前半4回はいかにも沸騰という感じに、
後半は今の所、金融危機のさなかでも希望があるという感じに描いています。
そういう点では、東京も楽観的に描きそうですが、
NHKが経済的に日本を肯定的に描くというのがイメージできないです。
今思い返しても、全然見たような記憶がないです。
軟派な感じだと「東京カワイイTV」とかがあるんだけど、
硬派なのがない。

NHKが東京を楽観的に描くと、日本の気分も変わる気がするので、
期待したいです。

それでは。

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURLはこちら

163 沸騰都市「東京モンスター」感想

NHKスペシャル沸騰都市最終回「TOKYOモンスター」を見る。 なかなか、感想にまとまりがつかない。 東京が生まれ、住んでいる場所ということもあって、冷静に見れてない。 それはNHKの制作スタッフも同じだ。 他の都市と扱いが違う。 他の都市の場合は善し悪しは別として、異...