異をとなえん |

円安介入に反対する

2009.01.17 Sat

02:33:35

最近円高が進行している。
それに対して、輸出産業を守る立場からか、
経団連会長が通貨当局による円安介入を支持している。

円高が長く続くなら為替介入を=経団連会長

それに賛成する声もある。
私はそれはおかしいのではないかと考えている。

そもそも大恐慌において、アメリカに始まった恐慌が全世界に波及していったのは、
アメリカが関税を上げ、保護政策をとったためというのが通説である。
各国も対抗措置として、関税を上げた。
結果、保護貿易主義が蔓延し、貿易額は激減し、世界経済は後退を深めていった。
この教訓もあってか、今回の不況では保護貿易主義の陥らないように戒めあっている。
しかし、そううまくいかない。
ロシアの自動車関税上げを始めとした、
各国の保護貿易主義的な措置は拡がりつつある。
これはある意味しかたがないのだ。
金融危機によって世界からお金が消えた。
お金が少くなった以上、現金を持っていない国は輸入を減らさざるをえない。
実際、保護貿易に走らなくとも、輸入はどの国も減っている。
それでも、関税上げのような措置を取るのは、
固定相場制を守るとか、自国の産業を一瞬守れたような気がするからだ。
ロシアの自動車関税上げは、そのためのモルヒネのようなものだ。

この風潮のなかで、日本は自由貿易からもっとも利益を得てきた国として、
保護貿易に反対しなくてはならない。
その理念からすると、為替介入して自国通貨安を図るというのは、
保護貿易主義の最たるものである。
そんなことを実行してはならない。

しかし、現在円は独歩高の感があり、円安にするのではなく、
円高を止めるだけという反論もあるだろう。
私は、これも間違いだと思う。

そもそも、通貨経済では金を持っているところが、
使うか、貸すかしなかえれば、経済が回っていかない。
物々交換の世界でなければ、
まず金を持っているところがお金を動かさなければならない。
持っているお金でなにかを買う、あるいは、困っているところに金を貸す。
そうやって、初めて経済活動が成り立つ。
現在、金を一番持っている国はどこか。
私は日本だと思う。
異論もあるかもしれないが、純債務が世界一であり、
多額の経常黒字をあげているし、
国民は1500兆の資産を持っていると言われるし、
企業の内部留保を極めて多い。
日本が金を動かす最初の国になる必要がある。
その場合、円高の方が、世界に投資するにしても、
世界から物を輸入するにしても、より有利になる。
だとすると、政府が円安介入するのは間違っている。

反論として、円安介入、それ自体、日本が世界に金を貸す行為という意見もありそうだ。
けれども、それは投資に値するだろうか。
政府による介入である以上、取得したドルは一番安全な米国債を買うことになる。
その場合、日米ともゼロ金利なのだから、利益を挙げられるか、はなはだ疑問である。
さらにドルの暴落懸念がある以上、そのリスクに見合った利益は無理に近い。

日本が投資をする場合、それはリスクに見合った利益を挙げられる投資でなければならない。
当然、民間が行なう必要がある。
リスクをできるだけ減らすためにも、円高の方が望ましい。
投資金額の増加や、輸入金額の増加によって、自然に為替相場の均衡を図るべきなのだ。

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コメント

250 なるほど!

なるほど!と思った私ですが、もともと円安にしなければならないと思っていました。
しかし、いかに資産を持っていようと内需が7割だとろうと、成長寄与率は外需に、すなわち貿易黒字に依存しているわけですよね。であるならば日本経済を復活させるためにはやはり円安誘導が必要なのではないでしょうか?
もちろん政府不介入が望ましいですが、各国(とくに米中)が自国通貨安にしようと介入している以上日本だけ民間に任せる、というのは甘くはないでしょうか。

ご意見お聞かせ願えればと思います。

251 Re: なるほど!

大学2年さん、質問ありがとうございます。

質問の回答はURIの部分に記事として投稿しました。
説明がわかりにくい、理屈が納得できないと、いろいろ意見があると思いますが、できるだけ、フォローしますので、これからも質問コメントお願いします。

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