異をとなえん |

日本経済復活の曙光

2008.12.10 Wed

02:18:22

日本語の話から、いきなりずれてしまうが、
昨日の、正確にはもうおとといだが、
「ワールドビジネスサテライト」のニュースで考えさせられたので記事にしてみた。
一つは、 新車の販売高が急激に落ち込んでいること。
もう一つは、銀行の貸出残高が急激に増えていることだ。
この二つのニュースがちょっと気になった。

解説では、車の販売が減少していることを、現在の不況の結果としているが、
ちょっと違うような気がする。
車の販売が減っているのは、まずなによりも原油価格の上昇の影響が大きい。
原油価格の上昇は、最近軽視されている気もするが、
瞬間的には、第二次石油ショックに匹敵するほどまで上がった。
これに伴なって、消費が急激に減少するのは、経済の当然の現象だ。
消費が減退する以上、景気は悪くなる。
今日改定された7-9月期の経済成長率が-1.8%というのも、うなずける話だ。

車の販売に絞ると、
11月の新車販売、前年比27%減 39年ぶりの低水準
の記事に
「軽自動車も含めた11月の国内総販売台数は18.2%減の36万8884台だった。」
とある。
11月の新車販売高は約18%の減少だ。
見出しは27%だが、これは軽自動車を抜いてある。
抜く意味がまったくわからないので、18%を使う。

それに対してアメリカの自動車販売高を見る。
アメリカ自動車市場08年11月
から、グラフを見ると、昨年に比べて11月のアメリカ自動車市場は36.7%の減少だ。
この急激な低下は、金融危機によって自動車ローンの手当てがつかないことが大きい。

まとめると、石油危機の日本は18%の減少だが、
石油危機+金融危機のアメリカは36%の減少になる。
ちょうど倍でなんとなく符合が取れている。
この二つの危機が微妙に混同されているのではないだろうか。

原油の価格上昇が日本を直撃して景気を悪くするのは当然だが、
金融危機は、直接関係がない。
だから、原油の価格上昇が止まれば景気は良くなるはずなのに、
金融危機でそうはならないと、みんな考えている。
金融危機は直接景気には関係なくても、世界需要の低下はもたらし、
そして輸出を減少させ、最終的には不景気になる。
そのようなシナリオがある。

景気後退のシナリオは変わらないのだろうか。
そこで、もう一つの銀行の貸出残高増加のニュースである。

銀行貸出残高3・6%増 34カ月連続で増加


 日銀が8日発表した11月の貸出・資金吸収動向(速報)によると、全国の銀行の貸出残高(月中平均)は、前年同月比3・6%増の400兆1279億円と34カ月連続で増加した。伸び率は3・8%増だった1992年4月以来、約16年半ぶりの高い水準となった。
(以下略)


CP市場が機能しなくなっているため、企業が銀行の貸し出しに頼っているらしい。
他には企業の資金繰りもあるだろうけれど、それだけだろうか。
外国からの資金の借り入れが増えていることもあるのではないか。

2ちゃんねるで、韓国の現代カードが日本から、円建て7%の利率で金を借りる記事を読んだ。

現代カード・現代キャピタル,1億3500万ドル調達(MoneyToday 12/04 11:07)(韓国語)

翻訳記事なので全文引用しておく。


現代カードと現代キャピタルは4日海外で1億3500万ドル(1850億ウォン)を調達したと明らかにした。
現代カードは日系主要銀行で80億円(1200億ウォン)を無担保で借入れたし,現代キャピタルは
同じ銀行で5000万ドル(650億ウォン)のクレジットライン満期延長をした。
現代カードが受けた信用論は満期1年に,発行金利は6ヶ月円リボ金利に600bpを加えた水準だ。
現在円リボ金利は1%内外を維持していて,現代カードの調達金利は約7%線だ。最近国内カード債金利が
9%を越えた状況で今回の現代カードの調達金利は相対的に低いというのが業界の評価だ。
現代カード関係者"今回の海外資金調達は現代カードのリスク管理能力と優秀な資産ポートフォリオに
対する海外投資家らの高い信頼度を見せること"
現代キャピタルも今回のクレジットライン満期延長で総1兆2000億ウォン規模のクレジットラインを
確保することになった。現代キャピタルは先月4日シティ銀行で5000万ドル規模のクレジットラインを
追加確保したことがある。
現代カード・現代キャピタルのイ・ジュヒョク,ジェギョン本部長"今回の信用借入で現代カードは
営業活性化のための運営資金を,現代キャピタルは国内金融機関の中で最大規模のクレジットラインを
各々確保した"


円建てで7%の利率は、物凄く高い。
現代カードはそんなに悪い会社ではない。
GE系の、韓国では一二を争うカード会社のはずだ。
それが金を借りなくてはならないのは、金融危機でどこも金を貸してくれないからだ。
どこにも金がない。
だから、唯一資金があると思われる日本で金を借りている。
CP市場は日本でも、ほぼ途絶しているが銀行は金を持っている。
利率が非常に高いのだから、銀行の経営は良くなるはずだ。

アメリカの銀行も同じではないだろうか。
しかし、大量の不良債権を抱えたアメリカにはその余裕がない。
FRBから流れてくる資金はあるが、企業が破綻したときに急激な資金の引き出し、
および自己資本の減少に備えて貸し出せない状態だ。
ヨーロッパも同じだろう。
日本の銀行もサブプライム関連での損がかなりあるし、不動産関係もかなりひどかった。
株式の価格低下による自己資本の毀損も著しい。
ただ、その限度は目に見えている。
それが欧米と違うところだ。
欧米では、今現在不良債権が増加していく。
日本は増資を行なえば、預金をフルに貸していける。

つまり、世界的な資金不足のなかで貸し出せるのは日本だけになっている。
円建てで世界の優良な会社に絞って金を貸し出していけば、
効率のいい商売ができる。

しかし、資金需要は本当に残っているのか。
日本の不景気の場合は、バブル崩壊の後、段々と資金需要が消えていった。
今回もそうならないか。
アメリカの資金需要は、今はあっても、段々と減っていくと思う。
だが、世界ではどうだろうか。
BRICSを中心とした新興諸国には、物を欲しがっている消費者がいるのだから、
少くとも需要はあるはずだ。
需要はあっても、返せるあてがなければ金は貸せない。
それについては、資源を抵当にもできるし、
輸出だって中国を中心にある程度は残るだろう。
そうすると、金は貸せる。
危ない貸し出しであることは確かだが、資金があり余っている状況の中での
ハイリスクローリターンの貸し出しよりはずっといい。
円建てで貸せば、為替リスクはない。

日本の金融業が良くなるとすれば、何が前と本質的に違うのだろうか。
金融危機以前は、アメリカのバブル状況の元で、資金は非常に安く借りられた。
日本の金融業は、バブルに対する後悔から、
為替リスクや企業にリスクを高く評価して、大胆に貸し出すことはできなかった。
結果、欧米の金融機関に先を越されていた。
しかし、現在多くの資金がこげついた欧米の金融機関には、
金を貸し出すことができない。
資金の供給が格段に細くなっている。
これが最大の違いだ。

思えば、第二次世界大戦後の状況に、ある意味似ているのではないだろうか。
復興需要に伴なって、資金の借り手は幾らでもいた。
しかし、金を貸し出せるのは、アメリカの金融機関しかなかった。
ここから、アメリカの繁栄が始まったのだとすれば、
日本もその再現ができるかもしれない。

これは大げさな夢としても、銀行の貸出残高が増えていて、
不良債権が増えなければ、経営が良くならなければおかしい。
これは景気好転のシナリオになるのではないだろうか。

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