異をとなえん |

サムスンは衰退するか?

2008.11.25 Tue

16:31:50

韓国の通貨危機にともなって、サムスンの衰退論が出ている。
1ドル1500ウォンを超えるとサムスンも危いとかいう話だ。
これは本当だろうか。
結論から言ってしまうと衰退しない。
日本びいきの私としてはしゃくだが、サムスンはまだまだ当分繁栄する。
その考えについて説明したい。

まず1ドルが1500ウォンを超えるとサムスンが苦しくなるという話は、眉唾だ。
基本的に輸出が主体としている企業は、
自国通貨が安くなって苦しくなることはありえない。
もちろん、運転資金は増えていく理屈だから、それなりの資金は要る。
設備投資の減価償却費も実質的には増えていくはずだ。
しかし、サムスンは財務が強靭な企業として評判であり、
ウォン建ての資産が多いだろうから苦しいだろうけれど、
なんとかなると見る。

ここらへんの話は、ウォン建てで考えていると、けっこう難しい。
しかし、ドル建てで考えているならば、あまり難しくはない。
販売価格は変わらず、部品、素材の価格は日本からの輸入が多いので、
上昇基調だ。
ただ、人件費が急落している事になる。
他の競争企業も、販売価格は同じだし、
部品、素材の価格も日本製が主体なら同じだ。
だから、人件費が安くなっているだけ有利だ。

今後も韓国はウォン安傾向が続くとしたら、
韓国の輸出産業の大黒柱であるサムスンが衰退することはない。
もちろん、輸出商品が全然売れなくなってしまえば、
この理屈はあてはまらない。
けれども、造船と鉄鋼という輸出商品は今回の世界経済危機で、当分売れない。
それを考えると、サムスンの主力商品の携帯電話、DRAM、
フラッシュメモリー、液晶テレビ、プラスマテレビは、
価格を下げれば、それなりに売れるはずだ。
採算は苦しくなるかもしれない。
しかし、韓国の外貨の稼ぎ手として、サムスンが最も有望であるならば、
サムスンが利益を上げられるようにウォンのレートが決まるし、
政府も手助けをする。
IMF管理でも変わらない。
IMFが貸し手として借金を返す能力を重視するならば、
外貨を稼ぐサムスンは最も大事にされる事になる。

結局、短期的には他の韓国企業が死亡してもサムスンは生き残る。

ただ、将来的には気になる点もある。
一つは設備投資のタイミングだ。
失敗したのではないだろうか。
携帯電話を別として、
主力品目のDRAM、フラッシュメモリー、液晶テレビ、プラスマテレビの
設備投資が競争企業の日本に比べて遅れている印象がある。

プラスマテレビは松下の攻勢にあって既に放棄したイメージがある。
液晶テレビはシャープの10世代のパネル製造や松下の液晶工場の新設に比べて、
投資が遅い。
最近11世代のパネル製造を発表したが、どこまで本当なのか。
そして本当だとしても、
タイミングが遅くなったことによるサムスンの資産の目減りは、
かなり投資を辛くする。
DRAMやフラッシュメモリーも同じだ。
エルピーダや東芝がシェア一位を目指して、新規投資をぶち上げた時、
サムスンは追随していなかった印象がある。
半導体投資は多額なので、工場新設みたいな、
外部にもわかりやすい投資がないだけで、実際にはしているのかもしれない。

もう一つの心配要素は特許訴訟だ。
アメリカで他企業から訴訟をいくつも受けている。
心配ではあるが、
アメリカ人が他国同士の争いにそんなに関心を持つとは思えない。
負けたとしても、
普通にライセンスを受けるのに比べて少し上がるくらいだろう。
致命傷にはならない。

そんなこんなで、当分はサムスンは安泰と見る。

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126 サムスンは衰退するか?(補足)

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