異をとなえん |

韓国の打つ手 - 世界経済が悲鳴を挙げている(その4)

2008.10.10 Fri

04:57:08

今日も韓国の為替相場は激動していた。
終値は1ドル1379.5ウォンで昨日とほとんど変わらないが、
相場の変化は驚異的で10%近く下げてから、戻したのだ。
末期症状に近い。
10年近く前の通貨危機の状況を再現しつつある。

韓国政府の打つ手は小手先に終始している。
輸出企業はドルを手持ちすることなくウォンに変えろとか、
国民には前回とは違うから政府を信頼しろとか、
そんな精神論だけだ。
現実的な対応策を示していない。
精神論に意味はないとは言わないが、
個人・企業にとって得にならないと長続きしない。
意味のある政策としては、政策金利の引下げという、
通貨防衛とは真逆の政策だ。
現在の危機的状況では、あまり意味がないかも知れないが、
それでも通貨防衛しないというような宣言はいい影響をもたらさない。

それでは、韓国はなぜ危機的状況に陥りつつあるのか。
その原因は韓国の貿易構造にある。
韓国の貿易構造は、原材料を輸入し、それを加工して輸出するものだ。
だから、どんなレートであれ、まず必要な物は輸入するしかない。
食料の自給率が高く、エネルギー資源も豊富にあるオーストラリアなどとは違うのだ。
オーストラリアは為替相場が、あまりにも自国通貨安にふれれば、
輸入しないという選択肢がある。
韓国はそれができないのだ。
もちろん、程度論なので両国はそういう傾向にある事を言っている。

レートがウォン安にふれる事は、輸入のための金額が上昇し続ける事を意味する。
費用の上昇した分を輸出に転嫁できるかどうかは大きな問題だが、
とりあえずできると仮定する。
そうすると、輸入のための費用が上昇し続けている事は、
小売業などで運転資本が増加していることになる。
自己資本が豊富にあるならば、それほど問題ではないが、
融資によって運営しているならば、借金を増やさなくてはならない。
通常の環境なら問題なくても、
現在のように流動性が極端に不足した状態では困難であり、
極端に苦しい金利を要求される事になる。
金利の高い借金をする事自体が、為替相場に悪影響を与え、
更なる悪循環を起こす。

つまり、自国通貨があまりにも安くなると、
輸入が減り、輸出が増え、自然に反発する国と違って、
韓国は輸入が増え続けて、さらに通貨安になる国なのだ。
だから、ウォン安の流れができてしまうと、それを止めるのは難しくなる。

では、韓国政府はどういう手を打ったらいいのだろうか?
はっきり言って、
今のような状況になってから打つ手を考えるのは間違っているのだが、仕方がない。

当たり前だけど、中小企業は経営が苦しいからと言って、
サラ金に手を出して資金を取るなどは破滅の道である。
苦しい時に金利の高い金を返せるわけがない。
とにかく、ありとあらゆる所を削って、
仕入れのための費用を手にするしかない。
韓国も同じ事である。
まず、とにかくムダを削るしかない。
観光のための海外旅行の禁止、ぜいたく品の輸入禁止、
オーソドックスだが、こういう手しかない。
実の所、原油高によって貿易赤字になりそうな時、
こういう手を打たないのか不思議だ。
また、とにかく売れるものを売るしかない。
外貨準備はかなりあるのだから、
均衡さえすれば相場は落着くはずだ。

奥の手としては、輸入を割り当て制にして、
輸出企業に輸出金額分だけ割り当てるというのもある。
これは末期症状に近い。

ある意味一番簡単なのは、他の国から長期で多額の借金をする事なのだが、
これはIMFの時の再来でしかない。
できるかどうかも問題になる。

韓国政府は、巨額の外貨準備を持っているはずなのに、
有効に使えていない。
為替介入する事で、外貨準備高が減るのを恐れているのは、なにかおかしい。
介入によってウォン高にしても、貿易赤字が減らないのなら
結局、外貨準備を減らすだけだ。
これを恐れているのだろう。
そうだとしたら、貿易赤字を止めるために、景気の引締めに回るしかない。
そうできないのは、なにかが狂っているとしか思えない。

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