異をとなえん |

「自治体格差が国を滅ぼす」感想

2008.09.15 Mon

18:25:51

田村秀(たむらしげる)著「自治体格差が国を滅ぼす」(集英社新書)を読む。
自治体の間に格差が生じている事を、
具体例を出しながら記述し、解決策を考える。

目次は次の通り。

第一章 拡大を続ける地域間格差
第一節 地域間格差も拡大の一途
第二節 都道府県間の格差を考える
第三節 市町村間の格差を考える
第四節 このままでいいのだろうか

第二章 勝ち組自治体?
第一節 千葉県浦安市−究極の勝ち組自治体?−
第二節 愛知県豊田市−日本一の企業城下町−
第三節 兵庫県芦屋市−日本一セレブな自治体?−

第三章 負け組自治体?
第一節 北海道夕張市 −財政再建に苦闘する自治体−
第二節 千葉県木更津市 −バブルに踊らされた自治体−
第三節 大阪市西成区 −格差社会の縮図の街−

第四章 模索する自治体
第一節 群馬県大泉町 −日本の近未来を予感させる自治体−
第二節 三重県亀山市 −企業誘致に賭けた自治体−
第三節 徳島県上勝町 −元気いっぱいの高齢者で溢れる自治体−

第五章 新潟から見た格差
第一節 日本一人口の多かった新潟県
第二節 新潟の中の格差
第三節 新潟と他地域の格差

第六章 中央と地方、対立か、それとも共存か
第一節 地方あっての中央
第二節 中央あっての地方
第三節 都道府県がなくなる?
第四節 自治体が生き残るためには

地方の自治体が苦境に立っている事は、具体例を挙げているので理解できるが、
それを打開するために、どうしたらいいかの処方箋がよくわからない。
最後に自治体が守るべき十ヶ条を出しているが、
読んだかぎりでは、ガンバレと言っているだけだ。
地方交付税を増やせと言うのか、減らせと言うのかという具体的な話がない。

おわりにでは、中央が栄えて地方が滅びては日本全体がおかしくなってしまうと、
再三再四警告したとある。
どうもこの理屈が納得いかない。

地方あっての中央だという話はわかる。
電力、水の供給を中央は地方に頼っている。
だから、その分の供給のために中央は地方を助ける必要がある。
そこまではいい。
だからこそ電力の場合は交付金として多額の金が地方に流れ込んでいる。
本の中では原子力発電所のある刈羽村の話が出ているが、豊かな村のようだ。
水の方の話は出ていないのだが、中央はそれなりに補助をしていないのだろうか。
つまり、地方に頼っている部分を中央は援助しているのだから、
その部分だけは繁栄する構造になっている。
それ以外の地方の部分の滅びる事が、
日本全体がおかしくなってしまうと言えるのだろうか。
どうも、そこらへんの理屈がわからない。

中央と地方の間の格差の一番簡単な対処法は、
地方の住民が中央に移転することだ。
安易と言えば安易だが、それでほとんど解決するように見える。

前に紹介した、
「格差の実像 〜改革の果てに」
の中に下記の記事がある。

第4部「縮む自治体」(3)医療弱者の悲鳴

"「なんで、島根に生まれてきたのか…」。"と嘆いているが、
負担ゼロの府県に移住すればいいのにと思ってしまう。
なんか理由はあるのかも知れないが、記事からはよくわからない。
しかし、現在地方から東京圏や名古屋圏に人は移っている。
それで多くの問題は解決していくだろう。

もちろん、地方でなくてはできない事もある。
農業はその典型だ。
小規模兼業農家の人が都会に出れば、専業農家の人により農地の大規模化が達成できる。
そうすれば生産性が上がり、豊かになる。
自給率も向上する。
地方は繁栄する。
そういう方向に世の中は進んでいるように見える。

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