異をとなえん |

国家の起源 (理想国家としての日本-その2)

2008.09.04 Thu

02:16:22

寺沢薫「王権誕生 日本の歴史02」によると、
日本では縄文時代は戦争がなく、弥生時代から戦争が始まった.
戦争の原因は他の共同体との水や耕地の争いだったと言う。
弥生時代、水田稲作が広がり農地を広げていった時に、
水の利用や耕地の争いから、
同じ川の水を使っている人間たちとで争いになったのだ。
日本では昔からある争いだと言っていい。
つまり水田稲作が戦争を生み出した。

理想国家としての日本は、戦争がないのが理由だった。
しかし、国家成立の始めにはもっと小さな単位で国が成立し、争いが起こった。
そういう意味であまり日本を特別視する必要はない。
世界の他の国でも同じような事が言えるかもしれない。
しかし、世界の他の地域は、ほとんど日本よりずっと前に国家が成立している。
どのくらい古いかも決定しづらい昔だ。
結果、わからない事が多い。
日本はそれらとは違い、つい最近になって、国家が成立した。
日本に国家が生まれた紀元前400年とかは国家が成立した時としてはつい最近だ、
そのために、他の国と比べて国家成立の状況が良くわかるように見える。
やはり国家発展のモデルとなりうるのだ。

日本の歴史では、農耕、戦争、支配階級の発生がほぼ同時に起こっている。
これらは遺跡の発掘によって確認できる。

ある集団が外敵と戦うために組織化された状態が国家だ。
戦うと言う事は、一時的な現象ではない。
負けた場合はともかくとして、勝った場合も後始末はいろいろある。

まず、戦いに犠牲者はつきものだ。
不具になった者、親を失い生計を立たなくなった者が出る。
彼らは共同体のために犠牲を払った者なのだから、
共同体は彼らに償わなければならない。
そのためには、
共同体の各員から食料等を集め犠牲を払った者に分配する必要がある。

また、戦争では最前線で戦う者は危険度が高い。
人員をどのように割り振るかは、大きな問題となる。
そして何より、戦争に勝つためには作戦が大事で、
優れた作戦を考え出す人間が必要だ。

さらに、戦争に勝った場合には他の共同体の支配権を握る事になる。
殺すか、奴隷にするか、基本そのままにして貢ぎ物を納めさせるか、
殺す場合は別として、それ以外は利益の分配が必要になる。

これらを滞りなく実施する人間が必要だ。
つまり、指導者の誕生だ。
そして、血縁を中心とした社会では、指導者は世襲しやすくなる。
指導者階級が誕生し続いていく。

まとめると、農耕の発生が戦争を生み、戦争の発生が指導者を生んだ。
指導者は世襲され階級が生まれた。
これが私の考えた国家の起源である。
世界の他の地域も基本同じではないかと思う。

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