異をとなえん |

「マンガ学」感想

2008.08.21 Thu

01:14:41

スコット・マクラウド著「マンガ学」を読む。
マンガ表現による、マンガとは何かを考えた本だ。
「マンガとは何かを考えたマンガだ」と言った方がいいか。

目次は次の通り。

イントロダクション
第1章 まず定義から始めよう
第2章 マンガの記号論
第3章 コマの隙間に何がある?
第4章 時間と空間の認知科学
第5章 描線の生態観察
第6章 「見せて、おはなし」
第7章 6つのステップ
第8章 マンガの色彩学
第9章 結論!マンガとは何か?

面白いのだが、だから何、と言う感を強く持つ。

たいていの学問は目的があって、それを達成するために、いろいろな事を考え出し、
そして、後の人に教えやすいように体系化される。
だから、学問の本質には何らかの目的があるはずだ。

この「マンガ学」の本の目的がよくわからない。
大ヒットマンガの作り方みたいな本だとわかりやすいのだが、
そうではないようだ。

結局、いろいろ勿体ぶった事を言っているが、
マンガという芸術が他の芸術と同じレベルにある事を主張しているに過ぎないように見える。
マンガが芸術の一形態である事を前提に考えている人にとっては、つまらない話だ。

第7章が、ちょうど芸術の要素についての話で、
芸術というものが、6つの要素
1.発想と動機、2.表現形式、3.文法、4.構成、5.技術、6.外観から構成されているとする。
「マンガ学」という本の中で芸術にまで話を広げる必要があるのかと感じるが、
それはどうでもいい。
この本について、正に根底にある発想と動機が弱いと感じる。

文句は言ったが、学問として体系づけた事は参考になる。
後学のために、要点だけをまとめておく。

・マンガの定義
「意図的に連続的に並置された絵画的なイメージやその他の画像」(第1章)

・絵の方向性
視覚芸術はリアリティー、言語、図形の3点からなる三角形の中に含まれる。
リアリティーは具象性を現わし、絵が本物に近づく方向を示す。
言語は意味性であり、絵がデフォルメされ記号化していく方向を示す。
絵画的平面図形は抽象性を示す。(第2章)

マンガの話だったら、言語とリアリティーだけでいい感じがする。
絵画的平面図形は抽象絵画を取りこむために無理矢理取り込んでいる感じだ。

・コマとコマの関係
コマとコマの関係を示すのに6つのパターンがあるとする。
瞬間->瞬間
動作->動作
主体->主体
場面->場面
局面->局面
関連なし
(第3章)

欧米のマンガは動作->動作型が65%と主体->主体型が20%と場面->場面型が15%ぐらいで、
あんまり変わってないらしい。
日本のマンガも基本的には同じなのだが、
瞬間->瞬間型も少しあり、局面->局面型も数パーセントあることで欧米と
違うらしい。

こういうはっきりした日本のマンガと欧米のマンガの違いは参考になる。

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