異をとなえん |

「日本の存在感が低下している」のは問題か?

2008.07.17 Thu

02:11:30

カトラー:katolerのマーケティング言論: サミットの終わりの始まりと、行方不明?の日本

上記の記事では、日本が世界において、
経済・政治の存在感を低下させている事を嘆いている。
私には、それが問題かと思う。

日本が世界において本当に存在感があったのは、
第二次世界大戦の時と1990年のバブルの頂点の時ぐらいだろう。
しかし、あんな風に存在感があるのをうれしく思う人はいない。
各国から袋叩きにされるだけだ。

シンガポールの一人当りGDPが日本を上回ったのは、ちょっと驚いた。
シンガポールの政治指導者の能力の高さを示している。
あの体制を日本が真似したいとは思わないけど、素直に感心する。

中国のGDPが日本を上回ったら、やはりショックだろう。
けれども、それはほとんど必然だ。
来たるべきものが来るに過ぎない。
日本の人口が減少しつつある以上、
GDPの伸びが中国やアメリカに及ばないことは仕方がない。

だから、経済において日本の存在感が低下し続ける事は必然だ。
しかし、経済は存在感のためにあるのではない。
個々の人間の生活水準が向上していくならば問題はないはずだ。

1990年代みたいにマイナス成長とか、
成長してても他の国と比べて滅茶苦茶低いのでは、
生活水準は向上していかない。
基本的には、一人当たり実質GDP成長率が、
他の国に比べてそれなりの結果を出していたい。

そういう考えで、実績を見ると、
2002年ごろからの一人当たりの成長率は他の国に比べて負けていない。
これで十分だろう。

米流時評 : GDPに見る日本とグローバル経済の神話と現実参照

結果が高いのは、日本の人口の労働者比率が高いだけで、
それほど自慢できることではないかもしれない。
しかし、他の国に比べて劣っていないならば、問題ないはずだ。

国際政治における日本の存在感の低下など、噴飯物でしかない。
戦後、国際政治において、日本の存在感があった事など一度たりともない。
存在感のない国が、どうやって低下させると言うのだ。
常に存在感がないのは、日本の政治の宿命だ。
サミットにおいて、その国で出席しているのは何人か数えてみた。
フランス4人、ドイツ4人、イギリス6人、アメリカ6人、カナダ7人、
イタリア13人、日本17人(大平首相死去の時の大来外相を含める)だ。
主要国首脳会議 - Wikipedia参照
これで存在感など出るわけがない。
在任期間が、他の国並の中曽根首相と小泉首相は、
まあ存在感があったのは頷ける。

国際政治における存在感を高めるために、
たとえ人気がない総理大臣でも、留任させるのは本末転倒だ。
来年のサミットで、日本の存在感を高めるために、
選挙では福田首相のいる自民党に入れましょうとか言ったら、
何の冗談かと思う。
もっとも、自民党に入れたからと言って、
福田首相が続投するとは限らないのが日本らしい。

日本の政治が総理大臣に長期在任を許さないのは、
個人に権力が集中するのを嫌う人々の心理の表れだ。
首相が、世界でええかっこしいするのを、
喜ぶ人間などいるのだろうか。

結局、日本の存在感が低下するのは、ほぼ確実なのだから、
一人当りの成長率がまあまあなら、それで我慢するしかない。
それ以上を望んで国民に負担をかけるのは問題だ。

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