異をとなえん |

「山手線誕生」感想

2008.06.30 Mon

01:48:59

中村健治著「山手線誕生 半世紀かけて環状線をつなげた東京の鉄道史」を読む。

目次は下記の通り。

第1章 強い反対に陸上を諦めて海上を走らせた『陸蒸気』
第2章 華族が興した最初の私鉄、開業式を欠席した鉄道局長
第3章 東京の山の手、凹凸地帯に線路を敷いた山手線の前身
第4章 敷設ルートは二転三転し、山手線の名称を正式に決定
第5章 高架線建設で浮上した、東京を一周する環状鉄道の構想
第6章 日本風から洋風デザインに変更して、巨大な東京駅に
第7章 中央線の東京駅乗り入れで『のノ字運転』を開始
第8章 東海道線と東北線は結ばれたが、日本縦貫鉄道は先送りに
第9章 汽笛一声から半世紀、日本初の環状鉄道・山手線誕生

山手線の誕生をできた部分ごとに章立てして、読み物として語っていく。
小さい頃には、山手線は環状線が当然で、
別々に作られたなどと考えた事もなかった。
しかし、実際には波瀾万丈の歴史で、できており、奥が深い。
「図説駅の歴史 東京のターミナル」感想
で、歴史を知っていなかったら驚いただろう。
もっとも、ある程度歴史を知っているものには、それ程新味はない。

本を振りかえって思うには、日本で鉄道をひくのは、
なんだかんだと反対があって大変だなと。
そもそも最初の路線の新橋横浜間で、
反対が強くて海を埋め立てて作ったなんて、
最初から無茶な事をやっている気がする。
津波や地震とか起ったらどうなったんだろう。

その後も、鉄道近くの住民は文句ばっかり言っているように見える。
「高架線は嫌だ、地上線で作れ」とか、「地上線は嫌だ、高架線で作れ」とか、
作る方は一体どうしたらいいという気になる。
その中を線路を引いていった先人は偉大だ。

ただ、後の人から見ると馬鹿げているように見える反対も、
それなりの意味があったのではないだろうか。
反対意見を強行に押し潰すのではなく、位置の変更で妥協し、金で解決していった。
そういう努力が鉄道の発展、都市の発展を支えた気がしてならない。
成田空港の強行開港が、今でも尾を引いて、なかなか発展していない事を考えると、
対話と時間をかけた説得が、結局は得のように見える。

山手線は東京・日本にとって発展の大きな礎だった。
とは言いつつ、私は京浜東北線と並んで走っている部分しか乗った覚えがない。
最もここだけは数限りなく乗っている。
後は中央線の代々木と新宿の間だけか。
それ以外は本当に一度も乗った事がないと思う。
この本を読んで、昔の事に思いが馳せてしまった。
その内、山手線の一周に挑戦しよう。

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32 「東京駅はこうして誕生した」感想

林章著「東京駅はこうして誕生した」を読む。 目次は下記の通り。 はじめに 都市を変えた建物 第1章 東京と鉄道以前 第2章 鉄道がやってくる 第3章 汽笛一声 第4章 帝都の表玄関とパス・スルー 第5章 中央停車場建設 第6章 走り出す東京駅 第7章 疾走する大東京