異をとなえん |

「ブッシュのホワイトハウス」感想

2008.06.11 Wed

17:41:11

ボブ・ウッドワード著「ブッシュのホワイトハウス」を読む。
原題は「STATE OF DENIAL」で否認状態という意味になり、
ブッシュ政権がイラク問題の根本に対する問に対して、
のらりくらりと否認し、質問に答えない状態を現わしているものと思われる。

作品はイラク占領後のブッシュ政権の内幕を描く。
本の始まりは、
ブッシュ政権の発足前、国防長官に誰を据えるか検討している描写だが、
簡単にイラク戦争攻撃までの話を流して、イラク占領後の話に焦点が移っていく。
そして、状況が混迷しラムズフェルド国防長官の辞任直前の状況で終わっている。

読んでみるとブッシュ政権の混迷、対立が強く印象に残る。
特にラムズフェルドが国防長官ではダメだという印象を強力に与える。
ラムズフェルドの辞任は、この本の出版後だろうが、
読んだ人は当然と思うだろう。

そして、強硬派という印象と違い、
ラムズフェルドはイラクからの撤兵を推していたのだから、
その辞任がアメリカ軍の増派につながるのは当然だ。

もう一つ印象に残っているのは、
バース党や軍を解体せずに残してイラクの再建を行なうべきであり、
そう主張していたガーナーの代わりに、
ブレマーを派遣した事が致命的な誤りだったとしている部分だ。

ただ、作者の主張を表に出さず、客観的な描写を積み重ねているだけなのが、
かえって、信頼性を傷つけている。
都合のいい部分だけを記述しているように見えてしまう。
どう史実を語るかは難しいが、少くとも自分の意見は、はっきりとすべきだ。
既にはっきりしているという意見もあると思うが、
言質を与えずにやっているのが、かえって嫌らしい。

全体的な感想としては、アメリカの組織は日本の組織とは違うという印象を強く持つ。
アメリカは責任の所在がどこにあるかはっきりしていないと、
混乱していると解釈する。
日本のように責任があいまいなまま進む事を許容しない。
良いにつけ、悪しきにつけ、いや戦争の場合はたぶん良いことなのだが、
責任分担をはっきりした組織がアメリカなのだ。

ブッシュ政権の内幕を理解する本としては、お勧めだ。
ただ、見出しがなく、番号が振ってあるだけの本なので、読みにくい。
上下巻で800ページぐらいあるので、
索引はあるけれども、あのエピソードはどこだっけと、
探そうとすると難渋しそうだ。

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