異をとなえん |

「世界都市」感想

2008.05.27 Tue

18:45:32

加茂利男著『世界都市 「都市再生」の時代の中で』を読む。
25年間に発表した物を、整理して一冊の本にまとめたものだ。
目次は下記の通りである。

序章 歴史の分水嶺と「世界都市」

第1部 「世界都市」の諸相
第1章 主題としての世界都市
第2章 歴史の中の「世界都市」
第3章 現代世界都市の形成
第4章 世界都市の相互関係と多様性

第2部 日本型世界都市
第5章 日本型世界都市・東京
第6章 「世界都市」時代の日本政治
第7章 グローバリゼーションの逆説

第3部 二一世紀の世界都市 光と影の未来像
第8章 もう一つの世界都市像を求めて
第9章 「世界都市システム」の変容
第10章 「世界都市」のパニックとトラウマ

終章 「都市の再生」に向かって

世界都市と言う言葉の使われ方から始まって、次に世界都市としての東京の説明に移り、
それらを踏まえて、世界都市の未来について語っている。

作者が、世界都市に対してアンビバレントな感情を、
抱いているとあとがきで書いてあるように、
自分の相対的位置を定められず、
主張がはっきりしない本になっている。
かといって、
自分の価値判断を抑えているかというと、そうではなくて、
かなり自分の意見は強く出ている。
しかし、世界都市に対するポジティブな意見とネガティブな意見が両方出ていて、
結局世界都市はいいのか、悪いのかという最終的な結論が、はっきりしない。

たぶん、多国籍市民都市としての世界都市には賛成だが、
国際金融センターとしての世界都市には反対なのだろう。
東京の世界都市を目指す政策に批判的な感じなのは、
国際金融センターのみを重視するのに批判的だからだ。
ただ、日本政府、東京都の政策担当者が世界都市を言い出している時は、
国際金融センターを目指しているのが明らかで、
作者の理想とする世界都市とはたぶん関係ない。
そこらへんをはっきりさせれば、わかりやすくなると思うのだが、
そうなっていないので、わかりづらくなっている。

しかし、全然面白くない本かと言えば、そうではなく、とても楽しめた。
非常に上滑りな言葉の使い方をしていて、具体的意味がはっきりしないのだが、
だから突っ込み所が多いので逆にいい刺激になる。

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